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既存都市との関係に係る検討について

(3)今後の課題

1) 新都市の配置に対応した再整理
今検討では、各地域のクラスター配置については未確定であることから、各県が表明している地域を念頭に置きつつ、各調査対象地域について概括的に検討を行った。新都市の具体的なクラスター配置の検討にあわせて、再整理が必要である。

2) 市街地連坦の抑制に関連して
スプロールを含む市街地連担の抑制に関しては、地域の特性を踏まえつつ、地域の協力・合意を得やすく、かつ、実効性のある土地利用誘導方策や規制手法を検討するとともに、地域の協力・合意という観点からは、スプロールの抑制に対し、地元自治体が強力に取り組んでいくことが必要である。
また、都市づくり主体の検討にあたり、連担の抑制の観点からの検討を行うことも必要である。

3) 既存都市との連携に関連して

・首都機能都市を支えるのに必要な機能の検討
国際政治都市や国内政治行政都市を構成したり支えたりする上でいかなるサービス・支援機能が必要か、我が国が国際社会に果たすべき役割に応じて首都機能都市が機能していく上で必要なものは何か、これについて不鮮明な部分が多く、引き続き検討を行い今後明らかにしていく必要がある。

・移転に向けてのアクション・プログラムについて
国会等の移転先となる新都市は、10万人規模に達すれば、通常の10万都市を上回る都市機能の質的な充実が見られると考えられるが、そこに至る過程をどうするかが問題である。移転に向けてのアクションプログラムの検討が必要である。
新都市における都市機能立地を早いテンポで実現し、新都市住民や新都市利用者の利便性を早くに向上させていくためには、移転の当初の段階からまとまった規模の移転を行い、需要規模をまとまったものにして都市機能の事業採算性が高くなるよう図る必要がある。

・周辺地域の整備の必要性
新都市は通常の都市に比べより大きくネットワーク的連携に依拠して機能するものであり、その波及効果は直近の都市のみならず相当広い範囲に及ぶと想定される。一方で、新都市が成長するに従い、母都市と競争関係になる都市機能が増加すると考えられる。母都市の側においても、都市基盤の整備、市街地の再開発など必要な施策を新都市整備と並行的に実施し、圏域としてともに発展出来るよう努めていく必要がある。

・小規模な新都市形成の可能性
母都市との関係については、支援サービス機能を母都市に依存する前提により新都市の規模を小さくすることが出来るとすればそれを評価すべきとの見方もあると考えられる。小規模な都市としうるかについては、国会等の移転先となる新都市に必要な支援サービス機能が定量的に明らかであることが必要と考えられるが、現段階ではその把握は困難である。但し、定性的には、政令指定都市との時間距離が短い場合、小規模な新都市形成の可能性があるといえる。

4) 地域社会との調和について

新都市の立地が地域社会に混乱をもたらす側面がある。
国家公務員を中心とした新都市の住民と、古くからの地域に根ざした慣習のもとに生活する地域住民とは、価値観や生活スタイルが異なり、容易に融和するのは困難であるのはやむを得ない。しかしながら、同一地域で生活する以上、新住民と旧住民とが当初段階に発生するあつれきを克服し、お互いの存在に理解を示しつつ、自然に時間をかけて交流できるような地域づくりのあり方について検討を進める必要がある。
また、公務員に特化したコミュニティが形成されることは、地域の文化の形成・発展がいびつなものとなったり、国民意識を身近に感じられない公務員が増えたりといった弊害が予想され、首都機能移転の理念を実現する上でもふさわしくないと考えられる。
調査会報告において、「中心都市を有する小都市群」が、既存の地域社会との共存・融合が図られやすいという利点があるとされているように、地域社会と調和した新都市の形成を図るには、従来のニュータウン等で取り組まれてきた街びらき後のソフト的な融合方策のみに依存するのではなく、都市構造のあり方、公務員に対抗して十分な発言力を持つ市民層を形成するための都市構成の誘導のあり方を含め、新都市の計画段階から調和を図る方策を検討する必要がある。

5) 建設段階についての検討

新都市においては成熟するまで新規の建設工事が引き続くことになるが、特に第一段階においては、地域の従来の建設市場規模を上回る建設工事が発生し、建設関連の事業所の立地や建設労働者の流入が予想される。このため、こうした現象に伴う地域の混乱やスプロールの発生を防止する方策についても検討する必要がある。

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