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進化する新都市

東京大学先端科学技術研究センター 大西 隆

75%が首都機能移転に賛成

首都機能の移転候補地についての審議会の答申が出たが、これで決まりというわけにはいかなかった。移転するべきかどうかをめぐって世論が分かれている上、答申も複数の候補地を選定するにとどまったからである。私たちの研究室で行ったアンケート調査では、回答者の75%が移転に賛成であった。もっともアンケートの対象者は比較的この問題について関心の高い層だったので、関心が高まるにつれ、賛成者が増えると感じた。

新都市の夢

もちろんこれからは財政もより厳しくなるから、出来るだけ少ない費用で効果的な移転を考える必要がある。そうした制約は不可欠であるにせよ、新しい首都という都市を作るという夢を実現することに期待をかける人は多いのではないか。環境共生、エネルギーの効率的利用、新らしい交通体系など都市の装置の革新がさまざまに提案されているのであるから、これらを総合した都市を造ってみる価値はある。

進化する都市

都市というと、私は昭和20年代に、郊外から(といっても杉並区だが)、中央区に引っ越して、家の裏の2畳分ほどの空地が子どもたちの遊びの基地になっていた情景を思い出す。家々に囲まれたそんな空地がどうしてできたのか、不思議な気がするが、原っぱでもない、鎮守の森でもない、いかにも都会的な子どもの聖域だった。
新首都=新都市はこれまでの街づくりの経験や、新しい技術を総動員して計画的に建設されることになろうが、その中に、更に進化する部分がなければ面白くない。かつて、路地裏の空地が子どもの城に生まれ変わったようなささやかな“進化”から、都市は劇場だという大人の夢の実現まで、新都市のあちこちで、後々まで、人々が好みにあった街づくりを進める余地があればあるほど、街は面白い。これを都市計画の言葉で表現すると、誰の土地とも決めない共有地をふんだんに設け、後の利用に委ねることになるのだろうか。新都市として開発される部分に混じって設けられるこうした共有地が、都市に奥行きや将来の発展可能性を与えるように思う。

進化する新都市
東京大学先端科学技術研究センター 大西 隆氏

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