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3つのキーワード:世界へのメッセージ、アメニティ、地域の文脈

東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻助教授 城所 哲夫

世界へのメッセージ

21世紀を画する大きな潮流が、政治、経済、環境、文化、生活のさまざまなレベルにおける一層のグローバル化の進展にあることは間違いない。このような世界においては、透明な「ルール」と、そのもとでの明確な「メッセージ」こそが、20世紀型の「力による統治」に代わって、異なる文化的・歴史的・経済的基盤のもとにある多様な世界が共存していくための重要な鍵となるであろう。このような時代に形成される首都機能都市は、それがきわめて強力なメッセージ性を持つがゆえに、まさに、日本が世界の中でどのような位置をとろうとしているかについての明確なメッセージとなるものでなければならない。このような意味で、首都機能移転論議を通じて、いかなるメッセージを世界に発信するのかについての国民的議論が広く巻き起こることを期待する。世界に対するメッセージが、地震がありそうだから首都が東京から逃げ出すというようなものであってはならない。

アメニティ都市の時代

日本にとって、20世紀とは、また、猛烈な都市化の時代でもあった。これに対して、21世紀は、都市文化が花開く時代となろう。このような時代に育まれる都市は、アメニティ(生活の豊かさ)を実現する都市であることが望まれる。おぼろげながら見えてきたそのようなアメニティ都市とは、どうも、20世紀的な意味での効率性と経済発展を優先した巨大都市ではなく、人々が、自らとともに成長する都市としてアイデンティティを投影できる程度の規模を持ち、癒しの力に満ちた豊かな「自然」と、そこへ行けば何かが起こりそうな、魅惑的な「まち」(ダウンタウン、タウンセンター)をもつ都市であるようた。

地域の文脈との共生

アメニティ都市の重要な条件は、「地域の文脈との共生」である。人々の記憶よりもさらに長い時間をかけて地域がはぐくんできたものを消しゴムで消すかのように消し去ってしまった無味乾燥な造成地からは、都市の新たな物語はつむぎ出せないだろう。望まれるのは、新しい人・モノ・情報が、常に、地域固有の自然、歴史、文化の文脈の中に編み込まれるようにして、持続的に都市が形成されていくことである。そのような都市こそが、創造力の時代ともいえる21世紀を担う主役となるのではなかろうか。

3つのキーワード:世界へのメッセージ、アメニティ、地域の文脈、
東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻助教授 城所 哲夫氏

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