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新都市への提言

武蔵野美術大学デザイン情報学科教授 今泉 洋

情報化によって問われる都市の役割

世界的規模の情報化進展によって、地球はますます狭くなっていきます。と同時に、ネットワークの広がりの中にさまざまな情報が流通し、交流が生まれ、多様な文化の「核」が生み出されています。
これまで、都市は異なる文化が出会い共存するユニークな空間であり、だからこそ新しい文化を生み出すことができる唯一の存在とされてきました。
しかし、情報ネットワークという新たな文化生成装置の登場によって、空間として存在する都市の文化的機能も、新たな情報環境の中でとらえなおすことが必要になってきました。

多様な情報を体感する「場」としての新都市へ

都市は人々が作り出したさまざまな意味にあふれる、いわば文化的な迷宮です。都市を訪れ、都市ならではの豊かな生活を享受するためには、区画や交通網といった諸制度をはじめ、標識や看板などのサイン、出版物やラジオ、TVなどメディアを通じて提供される多くのガイド情報を補助としながら、都市のさまざまな側面を解読しなければなりません。また変化する情況に対応するため、常に新たな参照データを取り込みながら解読を続けていく必要があります。
実際にわれわれは、これまで都市という「場」に身をおき、これらの情報を援用することで、都市ならではの体感的な情報を知覚し、多様な意味を感じ取ることで新たな情報を生み出してきました。それが都市自身の姿かたちをも変えてきたことは言うまでもありません。

情報技術との協調で見えてくる新しい意味世界

そしていま、情報ネットワークのパーソナル化やGPSなどに代表される空間と情報とを相互参照する情報技術の普及拡大によって、都市は新たな時代を迎えるようとしています。都市に存在する多種多様な空間やオブジェ、ヒトに付与される情報、意味を個々人あるいは文化的小集団間で交換し、都市をより深層から多面的・多角的に体感するための環境が実現されつつあるのです。

都市空間と情報技術とを協調的に作用させ、都市における直接的な情報体験を新たなレベルまで高めることができれば、われわれはかつてない意味の広がりを目のあたりにすることになるでしょう。そして、電子的なネットワークには収まりきれない都市という生活の時空間をより豊かに共有することができるに違いありません。

私は都市と情報技術のあいだに、新たな空間体験を実現し、都市を新たな情報宇宙に変質させるこのようなミューチュアルな関係が成立することを期待しています。

新都市への提言
武蔵野美術大学デザイン情報学科教授 今泉 洋氏

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