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ハイモビリティ・エコトランジット都市を目指して

高知工科大学社会システム工学科助教授 轟 朝幸

ゆとりある都市空間におけるモビリティ

首都機能移転先の都市は、緑に包まれた国会都市といくつかの小都市から構成される都市群システムとしてイメージされている。このような空間的にゆとりある都市は魅力的であるが、一方で質の高い交通サービス、つまり、モビリティを如何に確保していくかが課題となる。想定人口である60万人程度の規模の現地方都市をみれば、いくつかの交通問題が生じる可能性を指摘できる。その問題とは、第1に、鉄道やバスなどの公共交通サービスが不足し、利用者離れが進み、事業者の経営不振を招くことである。経営不振は、さらにサービス低下を招くといった悪循環を生じさせている。第2には、自動車交通への過剰依存である。エネルギー浪費、環境負荷物質の排出など、地球環境へ多大な負担をかけている。新首都は、このような問題を生じさせない工夫が必要である。

公共交通サービスの充実した都市

新都市に適した都市交通システムとはどのようなものだろうか。予想される交通需要量や環境への配慮などを考慮すれば、少・中量輸送の公共交通を中心としたシステムが構築されるべきと考える。中心都市である国会都市と周辺都市間は高速で移動でき、都市内は乗降に便利なように駅間が短い軌道系ネットワークシステムが適当であろう。イメージとしては、都市間を結ぶ郊外電車と都市内を走る路面電車とが一体となったLRTシステムである。

交通に負担をかけないコンパクトな都市

都市的土地利用が無秩序に面的に拡がると、そこで発生する交通需要は必然的に分散する。それに対応すべく、交通施設や交通サービスを整備しなければならず、交通への負担が大きくなる。財源および交通事業経営の観点から非効率である。開発地域はなるべくコンパクトに抑える土地利用計画が必要である。

ゼロエミッションを目指した交通モード

自動車交通を公共交通の補助的システムとして位置づけたインターモーダル施策を徹底すれば、過度の自動車交通需要は抑制できる。しかし、完全に自動車交通を排除することは不可能である。そこで、環境負荷の小さな自動車を前提とした都市づくりを考えなければならない。例えば、中心都市内では電気自動車のみが走る道路空間とする。そのために、送電・充電機能を備えた道路や駐車場を最初から整備しておく、集積の高い都心でも、静穏で空気のおいしい環境が創出できるであろう。

ハイモビリティ・エコトランジット都市を目指して
高知工科大学社会システム工学科助教授 轟 朝幸氏

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問い合わせ先

国土交通省 国土計画局 首都機能移転企画課
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