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ニューズレター「新時代」 第13号(平成12年6月)

国会における審議状況

国会等の移転に関する決議が行われました

5月18日、衆議院国会等の移転に関する特別委員会では、国会等の移転について、国会等移転審議会の答申を踏まえ、移転先候補地の絞り込みを行い、2年を目途にその結論を得ることができるよう、政府その他の関係者の協力を得て、早急に検討を進めるべきとの決議が行われました。

国会等の移転に関する決議
(衆議院国会等の移転に関する特別委員会 平成12年5月18日

昨年十二月、国会等移転審議会の答申について、内閣総理大臣から国会に報告がなされた。国会においては、この答申を真摯に受け止め、我が国の将来を大局的な観点から検討し、内外の批判に耐え得る適切な結論を速やかに導くことが求められているところである。
国会等の移転は、我が国の将来に深く関わり、国政の在り方をも左右する極めて重要な問題であり、世紀を超えた長期的視点に立って構想すべき歴史的大事業である。
政府においても、本委員会にて、国会が早期に国会等の移転について結論を出すことを期待し、これに向けて積極的に協力する旨を表明している。
これらの期待に応え、まず、国会等の移転先の現在の三候補地を一箇所に絞り込み、その上で、国会等の移転に関する法律の趣旨にのっとり、社会経済情勢の諸事情に配慮し、東京都との比較考量を通じて、移転について検討することは、国会に課された重要な課題である。よって、本委員会としては、国会等移転審議会の答申を踏まえ、移転先候補地の絞り込みを行い、二年を目途にその結論を得ることができるよう、政府その他の関係者の協力を得て、広く国民の意見を聞く措置等により、早急に検討を進めるべきである。
右、決議する。

衆議院TVのトップページ画像なお、当日の衆議院国会等の移転に関する特別委員会の審議の模様は、インターネットホームページ「衆議院TV」により、ご覧になれます。
また、国会会議録の検索は、インターネットホームページ「国会会議録検索システム」をご利用ください。

現地視察が行われました

5月22日、参議院国会等の移転に関する特別委員会では、岐阜・愛知地域への現地視察が行われました。地元公共団体等から概況説明を受けるとともに、東濃地科学センター、セラテクノ土岐及び豊田西広瀬工業団地を視察ポイントとして現地視察が行われています。

ドイツにおける首都移転の状況

ドイツでは、統一を機に、西ドイツの首都であったボンから、ベルリンへの首都移転が決定され、1999年9月からベルリンでの業務が本格的に始動しています。ベルリンはかつて分割の象徴であり、同時に、平和と自由のもと、将来ドイツを再統一する象徴でもありましたが、今日では、ドイツの首都として再整備されつつあります。今回は、その現況を報告いたします。

首都移転の経緯
1990年8月 東西両ドイツ政府によるドイツ統一条約調印(首都をベルリンとすることを宣言)
1991年6月 連邦議会によるベルリンへの移転決議(賛成337、反対320)
1999年8月 ベルリンで首相が執務開始、連邦議会開催

新しい国会議事堂の様子
旧帝国議会議事堂は、新しい将来のために、その外観を保存しながら、時代の変化にふさわしく、大きくリニューアルされています。ガラスとスチールのドーム内側には螺旋階段があり、そこから、新しい議場と市街地を見通すことができます。

外観

内部


行政官庁について
1994年にベルリン・ボン法で移転に係る原則が規定されました。現在、連邦大統領官邸、連邦首相府、連邦情報広報庁、外務省、内務省等がボンからベルリンに移転しています。なお、国防省、教育科学省、環境省等は、ベルリンに移転せず、ボンに残ることとしています。


連邦大統領官邸


交通建設住宅省


内務省


ベルリンの都市機能の高度化、発展


新しいレールター駅イメージ

ベルリンを中心に欧州全域を結ぶ高速交通機能の充実が図られています。2003年までに新しい連邦首相官房のすぐ近くに、新しいレールター駅が生まれます。都市建設と同様に、交通、エネルギー環境技術及び情報通信技術の技術の高度化も進められています。6万2千kmの光ファイバー網は欧州最大のものであり、最新の研究技術パークも2010年までに建設する予定です。
文化施設も、3つの大オペラ劇場、167の博物館、150のステージなど、充実が図られています。

なお、本記事の作成に当たり、ドイツ大使館ホームページ「新しいベルリン」を参考にしています。
こちらもご利用下さい。
http://www.germanembassy-japan.org/japanisch/archiv/berlin.htm

有識者からのコメント:ベルリンへの移転について
東京大学大学院総合文化研究科 森井 裕一 助教授(専門:国際政治学/ドイツ政治)

ドイツ連邦議会が、首都機能の大部分をボンからベルリンへ移転することを1991年6月に決議したとき、賛成は337票、反対は320票であった。決定が僅差になった背景にはさまざまな政治的想いがあったが、ライン川沿いの小都市ボンからベルリンへの首都機能の移転はドイツ統一を完成させるという政治的な意志のあらわれである。

ボンは40年にわたり民主主義、平和とヨーロッパ統合、さらには連邦制を特徴とする連邦共和国(西ドイツ)という政治システムのシンボルであった。冷戦が終わり、ドイツ統一が達成されたときには新しい連邦議会の議事堂がちょうど建設中であり、首都の機能を果たすという点からすれば、ボンに首都機能を置き続けることにさして不便はなかった。しかしそれでもベルリンに首都機能を移転したのは明らかに政治的な意志によるものである。ナチス、東ドイツ、ベルリンの壁に象徴される分割占領都市という現代ドイツの暗い過去と、同時に、西ベルリンという自由の砦を守るという堅固な政治意志のシンボルとしてのベルリンに首都を移すことは、45年にわたった分断を克服し統一と融和を促進するという決意を示すものであった。

ドイツは国名にも明示されているように連邦国家であることもあり、もともと首都機能はかなり分散されている。かつての中央集権的帝国をイメージさせる大都市ベルリンに首都を移すことには懸念もあった。そのため現在のベルリンの政府関係建築物は、さまざまな制約がありながらも、ボンでつちかわれた市民中心の政治を形式においても反映させるため、開放的な設計のものが多く、また環境への配慮もかなり進んでいる。

ドイツ統一から10年を経て、ベルリンの再開発と首都機能の移転は比較的順調に進み、街全体が巨大な工事現場であった状態の中から新しい首都が完成しつつある。この間ドイツの政治はEUに代表されるヨーロッパ統合の枠組みの中で引き続き安定した重要な役割を着実に果たし、周辺国からも信頼をえて、ベルリンへの首都機能移転の懸念は払拭されてきたのである。

トピックス

いろいろな学校で首都機能移転の勉強がされています

小田原市立白山中学校
小田原市立白山中学校の皆さん4月27日、小田原市立白山中学校1年生の皆さんが、首都機能移転について理解を深めるため、国土庁を訪れました。質疑応答の時間では、国土庁職員の「どんなまちに住みたいですか」という問いに、「自然が多く環境が良いまち」、「安全なまち」等の答えが返ってくるなど、率直かつ活発な意見が飛び出しました。

  • 小田原市立白山中学校の国土庁見学の模様

慶応義塾幼稚舎
慶応義塾幼稚舎の皆さん5月24日、慶応義塾幼稚舎の6年生の皆さんが、首都機能移転体験CD-ROMを使って首都機能移転の勉強をしました。
CD-ROMについては、「映像画面がきれい」、「ゲーム感覚で面白い」でなど高い評価を受けました。

  • 慶応義塾幼稚舎の体験授業の模様

筑波大学附属駒場中学校
筑波大学附属駒場中学校の皆さん5月18日、筑波大学附属駒場中学校の2年生4名が、校外学習の一環として、研究テーマである首都機能移転について学習するため、国土庁を訪れました。事前の準備もしっかりなされ、国土庁職員と活発なやりとりがありました。

  • 筑波大学附属駒場中学校の校外学習の模様
ニューズレターへの投稿記事を募集します

本ニューズレターでは、今後、首都機能移転について、皆様からのご意見、報告等を広く情報発信します。このため、投稿記事、論文、作成された図面等を募集いたします。
なお、記事等の分量は、本ニューズレターのページ数の都合で、A4で1枚程度とさせていただきます。詳しい規定については、下の連絡先までお問い合わせ下さい。
ふるってご参加ください。皆様からのご意見等をお待ちしております。

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