衆議院国会等の移転に関する特別委員会(永井英慈委員長)では、7月2日、3日、31日、それぞれ「岐阜・愛知地域」、「栃木・福島地域」、「三重・畿央地域」への委員派遣を行いました。
「岐阜・愛知地域」では、現地において、梶原拓岐阜県知事及び神田真秋愛知県知事からの概況説明等を受けるとともに、ヘリコプターによる上空からの視察を含め、岐阜・愛知地域の主要な箇所について現地調査が行われました。
「栃木・福島地域」では、現地において、福田昭夫栃木県知事及び佐藤栄佐久福島県知事からの概況説明等を受けるとともに、栃木県の那須野が原や福島県の福島空港周辺等を視察ポイントとして現地調査が行われました。
「三重・畿央地域」では、現地において、北川正恭三重県知事、國松善次滋賀県知事、荒巻禎一京都府知事及び柿本善也奈良県知事からの概況説明等を受けるとともに、三重県の阿山町展望台等を視察ポイントとして現地調査が行われました。
衆議院国会等の移転に関する特別委員会は、ホームページを開設し、首都機能移転について国民の皆様からの意見の募集を行っています。アドレスは、http://www.shu-kokkaiiten.go.jpです。
栃木・福島地域を含む北東地域、岐阜・愛知地域及び三重・畿央地域では、国会等移転審議会の答申後、それぞれの地域の主体性のもとに首都機能移転に関する構想をまとめています。今月号より順番にこの3つの構想を紹介いたします。今回は三重・畿央地域です。
―未来を拓く三重・畿央―
我が国の歴史・文化や原風景の薫りを感じとれる三重・畿央から、未来日本のかたちとこころを創生します。
三重・畿央地域の三重県、滋賀県、京都府及び奈良県の4府県は、平成12年10月、「三重・畿央新都構想」を策定・公表しました。
平成11年の国会等移転審議会答申において、三重・畿央地域は「他の地域にはない特徴を有し」ているとされ、その特徴を踏まえた構想にしようと4府県で取り組んだものです。また、課題とされた高速交通網についても、一定の方向、考え方を示すことができました。
下の写真のように、三重・畿央地域には豊かな景観が広がります。景観や環境との調和・共生をいかに果たしていくのかなど、新都づくりの課題は尽きませんが、本構想を出発点にさらに議論の輪を広げていきたいと考えているところです。
(1)資源・特性
日本の中央かつ関西圏・中京圏の結節点
最先端の学術研究機能などの知的資源の集積
世界に誇る歴史文化資源の蓄積
国際的な交流基盤の蓄積
多様で魅力ある自然環境などの存在
(2)基本理念
均衡ある国土構造を形成する都市
高度な政策立案機能を実現する都市
伝統文化を継承し、新たな文化を創造する都市
グローバルな交流を拡大する都市
多様な機能に支えられた環境と共生する都市
(3)交通網整備のあり方
高速交通網の整備方策として次の2点を提案しました。
これにより、2つの国際空港をさらに効果的に利用でき、東京、全国そして世界各国とのアクセシビリティーに優れた交通網が形成されます。
新都市の街開きまでの交通網整備のあり方
(4)新都構成の基本的考え方
(注)詳細につきましては、三重・畿央地域首都機能移転連絡会議事務局 三重県首都機能移転推進室 Tel059-224-2085へお問い合わせ下さい。
7月11日、毎日新聞中部本社主催により、「首都機能移転をふたたび考える」シンポジウムが開催されました。堺屋太一氏(作家)が基調講演を行った後、奥野信宏氏(名古屋大学副総長)をコーディネイターとするパネルディスカッションが行われ、パネリストとして参加した梶原拓氏(岐阜県知事)、須田寛氏((社)中部経済連合会副会長)、後藤澄江氏(日本福祉大学教授)が活発な議論を交わしました。
7月19日、うつくしま未来博会場において、1500名以上の観客を集めて、栃木県、岐阜県、三重県及び福島県の各知事による「首都機能移転ビッグトークショー」が開催されました。移転の必要性や意義等について意見交換を行い、最後に、「首都機能移転は、(中略)極めて重要な国家プロジェクトであり、今こそこれを実現し、21世紀にふさわしい日本の進むべき方向を国の内外に示していくべきである。」とする共同アピールを採択しました。
8月22〜23日、「子ども霞が関デー」が行われましたが、国土交通省でも多数の小中学生が参加しました。その中で、首都機能移転について説明を行うとともに、パソコンを使って「首都機能都市体験CD-ROM」でバーチャルの首都機能都市を体験していただきました。