9月27日の衆議院国会等の移転に関する特別委員会において、永井英慈(ながい・えいじ)委員長が再任されました。
9月27日の参議院国会等の移転に関する特別委員会において、沓掛哲男(くつかけ・てつお)委員長が新たに選任されました。
「新時代」8月号をお送りした際に、一部のみなさまに対してご意見・ご感想を伺うアンケートはがきを封入したところ、多くの方々から貴重なご意見等をいただきました。ご協力ありがとうございました。寄せられたご意見等についてご紹介いたします。
(1)現在お送りしている「新時代」については、多くの方々から「満足」又は「やや満足」とのご回答をいただきました。今後とも、みなさまにご満足いただける紙面づくりに取り組んでまいります。
(2)「新時代」の中で特に有益な内容をお聞きしたところ、「国会の動き」や「国土交通省の調査検討に関する情報」等について、多くのご回答が寄せられました。
(3)今後「新時代」の中で取り上げる内容としては、「首都機能移転の意義・効果に関するデータ及び論調」について、特に多くの方々からご希望がありました。今後発行する「新時代」において、これらの情報についても積極的に提供してまいります。
(4)そのほかに、首都機能移転について国民に広く知らせる施策を実施すべきである、内容をもっと充実させるべきである等の貴重なご意見をいただきました。
国土交通省では、いただいたご意見等を参考にして、「新時代」のさらなる充実に努めてまいりますので、今後ともご愛読くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
ブラジルでは、未開の地として残されていたブラジル内陸部の発展を推進し、国土の均衡ある発展とブラジル経済の成長を促すことを主な目的として、1960年にリオデジャネイロからブラジリアへの首都移転が行われました。今回はブラジリアに詳しい建築家の南條洋雄氏にブラジルの首都移転の取り組みについて紹介していただきます。
寄稿:建築家 南條 洋雄 氏
ブラジルでは、未開の地として残されていたブラジル内陸部の発展を推進し、国土の均衡ある発展とブラジル経済の成長を促すことを主な目的として、1960年にリオデジャネイロからブラジリアへの首都移転が行われました。今回はブラジリアに詳しい建築家の南條洋雄氏にブラジルの首都移転の取り組みについて紹介していただきます。
このようなブラジリアがわずか40年で南米大陸で最も人気の高い人口2百万人にせまる大都市に成長し、飛行機型プランで有名なプラーノ・ピロットと呼ばれる中心地区は1987年に世界文化遺産に登録され、20世紀を代表する都市のひとつとして保存されることになりました。
(トピック1)「首都移転までの経緯」
18世紀半ば 主として防衛上の観点から首都移転が議論され始めました。
1889年 共和国憲法第3条にほぼ現在の位置での新首都建設が定められました。
1946年 新憲法で新首都建設への具体的な取り組みが宣言されました。
1956年 クビチェック大統領により新首都ブラジリアの計画・設計・建設が進められました。
1960年 わずか3年半という突貫工事を経て正式に首都が移転しました。
(トピック2)「首都移転の目的」
大西洋沿岸諸都市に経済の中心が集中している構造を改め、豊富な自然資源を活用した国土の均衡ある発展をめざし、全国の主要都市から概ね等距離にある中央平原のこの地域に新しい首都を建設することが必要と判断されました。
(トピック3)「首都機能都市のモデル」
この街(プラーノ・ピロット地区)は「首都機能」に純化した世界でも稀な都市と言えます。連邦共和国の首都として三権広場を囲み最高裁判所、大統領府、国会議事堂が置かれ、連邦政府の全ての省庁と各国大使館が、そして軍の中枢施設が整然とならぶ独特の都市景観は、一国の首都機能の合理性を追求した姿といえます。
(トピック4)「生活都市としての現状」
一方、首都機能を担う人々が生活する住宅地は、一辺が約240メートルのスーパーブロックという区画(近隣住区)にあり、みどりあふれるとても落ち着いた環境に成熟してきており、治安、教育、所得等の水準が南米でも特出した生活都市ブラジリアの側面が感じられます。最近では周辺の衛星都市とも地下鉄で結ばれ、首都機能都市から自立経済都市圏へと成長しはじめました。
(トピック5)「世界文化遺産指定の意味」
ブラジリアは世界で最も「若い」文化遺産です。登録基準のうち、人間の創造的才能を表す傑作であり、人類の歴史の重要な段階を物語る建築的集合体の見本である点が評価されたのでした。20世紀の近代都市計画理論がつくりあげたひとつのモデル都市の標本です。
(トピック6)「ブラジリアから何を学ぶか」
もちろん歴史も社会制度も全く異なる地球の反対側に位置するこの都市を表面的に真似ても意味がありませんが、日本の「首都機能移転」を考える上で、国民的合意形成の歴史、首都機能に純化した新都市像そして近代都市計画や建築の実例として、私たちはこのブラジリアから多くの事を学ぶ事ができるのではないでしょうか。
北東地域首都機能移転基本構想について
投稿:北東地域首都機能移転基本構想策定協議会
本年7月、宮城、山形、福島、茨城、栃木の5県は、『北東地域首都機能移転基本構想』を策定公表しました。
この構想は、「栃木・福島地域」における新都市及びその圏域の姿と整備の方向性を提示するとともに、「茨城地域」による支援・補完及び東京圏、仙台圏との連携のあり方等、首都機能を擁する北東地域全体の広域的な将来像を展望するものです。
首都機能移転は、我々国民が心豊かに安心して暮らせる21世紀の新しい日本を創るため、「国政全般の改革」「東京一極集中の是正」「災害対応力の強化」などの意義を実現するものです。
これらの意義に加えて、私たちは第4の意義として、首都機能の移転を受け入れるための新都市の整備を、新世紀を迎えた世界に貢献する「モデル的な都市づくり」の契機とし、我が国の目指すべき進路である「平和・文化・環境」の面での国際貢献につなげることを強く提唱します。
(那須中央地域における広大な国公有地)
那須中央地域は、那須連山に代表される雄大な自然環境を背景とし、明治以降開拓地としてフロンティア精神を受け継いできた地域で、21世紀の新しい日本を創るにふさわしい品格を備えていることから、国権の最高機関である国会の所在地にふさわしいシンボリックな都市づくりが可能です。
(東村上空から西白河郡東部地域を望む)
西白河郡東部地域は、那須、阿武隈、八溝の山々を遠景とし、里山と田園が織りなす日本の原風景とも言うべき景観を有する地域で、「森にしずむ都市」として、我が国の伝統を継承しつつ、自然と共生し、豊かなライフスタイルを実現する新時代の象徴にふさわしい国会都市づくりが可能です。
新都市圏は、広域仙台圏、常磐ルート、東京圏をはじめ、国内外と幅広く連携していきます。
このように、新都市圏は、都市間の広域的なネットワークにより支えられ、首都機能の移転が、21世紀に求められる広範な地域連携による国土構造の形成に寄与するものです。
(注) 詳細につきましては、北東地域首都機能移転基本構想策定協議会事務局
栃木県国会等移転対策室 Tel028−623−2209までお問い合わせください。
インターネット博覧会は今年の12月31日に終了します。それに先立ち、インターネット博覧会に出展している首都機能移転パビリオンの内容が次のように変わります。是非、ご覧ください。
(インターネット博覧会アドレス http://www.inpaku.go.jp/)