7月9日、午前10時から10時50分まで、国会等の移転に関する政党間両院協議会が開催され、衆参両院の調査室長から、それぞれの国会等の移転に関する特別委員会の中間報告書について説明が行われました。協議会メンバー間で参議院の報告書にある危機管理機能の優先的移転、衆議院の報告書にある分散型移転について、どういう内容のものか質疑が行われました。
平成15年7月31日から8月7日まで、衆議院韓国及び欧州における国会移転等実情調査議員団が、韓国及び欧州における国会移転等の実情調査のため韓国、オランダ、スウェーデンに派遣されました。派遣議員団の構成及び調査の概要は以下のとおりです。
1. 派遣議員団の構成
団長 中井 洽 議員(国会等の移転に関する特別委員長(自由))
蓮実 進 議員(国会等の移転に関する特別委員会理事(自民))
玄葉 光一郎 議員(国会等の移転に関する特別委員会理事(民主))
高木 毅 議員(国会等の移転に関する特別委員会委員(自民))
2. 調査の概要
(1) 韓国
韓国においては、廬武鉉大統領が大統領選挙の公約に掲げた同国中西部の忠清道への新行政首都建設の取組が進められています。調査団は、この新行政首都建設について、政府の「新行政首都建設推進支援団」に対して現在の取組状況、今後の予定等についてヒアリングを行い、また、関係国会議員に対して国会としての考え方についてヒアリングを行いました。
さらに、1982年から実施された、中央政府の部(我が国の省に相当)など11機関のソウル郊外の果川(カチョン)庁舎への移転についても調査を行いました。
韓国新行政首都建設推進支援団ヒアリング
韓国関係国会議員ヒアリング
オランダ内務省ヒアリング
(2)オランダ
オランダは、憲法上の首都がアムステルダムであるのに対して国会、中央政府及び最高裁判所は実際にはハーグに置かれています。調査団は、内務省及び国会へのヒアリングを通じて、その経緯及び実情、及び同国における行政機関の地方分散について調査を行いました。
(3)スウェーデン
スウェーデンにおいては、1970年代から1985年にかけて、中央行政機関が首都ストックホルムから地方都市に分散的に移転されました。調査団は、この分散的移転の経緯、目的、効果等について、産業雇用通信交通省及びこの問題に熱心に取り組んできた中央党へのヒアリングを行いました。
スウェーデン中央党ヒアリング
スウェーデン中央党ヒアリング
7月14日に、新行政首都建設に取り組んでいる韓国から、担当部局である「新行政首都建設推進支援団」を中心とする調査団が国土交通省首都機能移転企画課を訪問し、日韓双方における取組状況等について情報交換を行いました。
新行政首都建設推進支援団からは、韓国における取組状況、今後の予定等について説明がありました。要約すればおおむね以下のとおりです。
このように、韓国においては新行政首都建設への取組が鋭意進められており、今後の動きが注目されます。
国土交通省の国会等の移転ホームページでは、これまで学界、経済界等各界の有識者を講師にお招きして講演会を開催しています。7月以降、新たに下記の講演を追加しましたので、是非ご覧下さい。
(ホームページアドレス : http://www.mlit.go.jp/kokudokeikaku/iten/onlinelecture/index.html)
会津 泉氏(アジアネットワーク研究所代表、
国際大学GLOCOM主幹研究員)
テーマ:「情報化と密接に結びついたマレーシアの首都機能移転」
主な項目
坂村 健氏(東京大学大学院教授)
テーマ:「ITを活用した首都機能移転の可能性」
項目
森 まゆみ氏(地域雑誌「谷根千」編集者)
テーマ:「まちづくりの視点で見た首都機能移転」
主な項目
日野原 重明氏(聖路加国際病院理事長)
テーマ:「世代を超えた夢のある首都機能移転」
項目
8月20〜21日、「子ども霞が関見学デー」が開催されました。国土交通省の「首都機能移転体験CD-ROM」体験コーナーにおいても、約10名ほどの子供が参加し、バーチャルの首都機能都市を体験してもらいました。首都機能都市の中を探索したり、クイズを楽しんだり、親子でパソコンに向かいながら会話が弾んだりと、活気あふれる一時になりました。
8月12日、専修大学の学生3名が、国会等の移転について大学のゼミでディベートを行うため、国土交通省首都機能移転企画課を訪れました。首都機能移転企画課職員が、最近の動向や移転の意義・効果などについて説明をしました。学生からは費用と効果についての考え方、外国における事例、今後の見通しなどに関する鋭い質問がなされ、熱心な議論が行われました。