ホーム >> 政策・仕事 >> 国土計画 >> 国会等の移転ホームページ >> 各種情報提供サービス >> ニューズレター「新時代」 >> ニューズレター「新時代」 第55号(平成18年2月)

国会等の移転ホームページ

ニューズレター「新時代」 第55号(平成18年2月) 一緒に考えましょう、国会等の移転

韓国における行政中心複合都市建設の最近の動き

韓国では、行政中心複合都市の建設が進められており、最近の動きは次のとおりです。

1.韓国政府は、新行政首都の建設地として、忠(チュン)清(チョン)南(ナム)道燕(ヨン)岐(ギ)・公州(コンジュ)地域を決定(平成16年8月)した。しかし、同年10月、憲法裁判所は、その根拠法である「新行政首都の建設のための特別措置法」を違憲と判断した。

2.国会は、政府が提案した新行政首都建設の代案について検討を進め、平成17年3月、「新行政首都後続対策のための燕(ヨン)岐(ギ)・公州(コンジュ)地域行政中心複合都市建設のための特別法」(以下「特別法」)を制定・公布した。なお、特別法に対しても、憲法裁判所に違憲確認の申立がなされたが、平成17年11月、却下が決定された。

3.平成17年4月、行政中心複合都市建設に関連した主要事項を審議するため、「行政中心複合都市建設推進委員会」(以下「推進委員会」)が設置された。

参考図(韓国の地図)4.平成17年10月、特別法に基づき、以下のような内容の「中央行政機関等の移転計画」が策定された。

移転対象機関
中央行政機関18部4処16庁のうち、12部4処2庁が移転
移転:建設交通部、財政経済部、教育人的資源部、文化観光部、科学技術部、農林部、産業資源部、情報通信部、保健福祉部、環境部、 労働部及び海洋水産部の本部等
残留:青瓦台、国会、最高裁判所の他、統一部、外交部、国防部、法務部、行政自治部及び女性家族部等

移転時期
平成20(2008)年に着工
平成24(2012)年から行政機関の移転開始、平成26(2014)年に移転を完了

5.行政中心複合都市を21世紀の世界的規範都市として建設するため、推進委員会は『都市概念』の国際公募を実施した。5作品が選定され(平成17年11月)、建設計画に各作品のアイデアを反映することとされた。

6.平成18年1月、建設業務を効率的に推進するため、移転先の燕(ヨン)岐(ギ)・公州(コンジュ)地域に建設交通部長官所属の下、「行政中心複合都市建設庁」が設置された(庁長:次官級、4部制、147人)。

「オンライン講演会」を開催しています

国土交通省の国会等の移転ホームページでは、これまで学界、経済界等各界の有識者を講師にお招きして講演会を開催しています。平成17年11月以降、新たに次の講演を追加しましたので、是非ご覧下さい。

(ホームページアドレス:http://www.mlit.go.jp/kokudokeikaku/iten/onlinelecture/index.html)

長谷川 逸子氏 (建築家・長谷川逸子建築計画工房(株)社長)

長谷川  逸子氏の写真静岡県出身。昭和54年、長谷川逸子建築計画工房(株)設立、主宰。平成12年に日本芸術院賞、平成17年に男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣賞などを受賞。

テーマ:「これからの都市のあり方と公共建築」

要約

  • 首都機能を移転するのであれば、今のライフスタイルをそのまま持ち込むのではなく、新しいライフスタイルが確保できる開かれた環境の都市にするべきである。
  • 江戸時代などを見ても、日本人は都市の中に自然を取り込むことが得意であった。こうしたことを生かして環境への負荷の少ない都市を積極的に作ればよい。
  • これからの公共建築や都市は、つくる側の論理ではなく、使う側の論理で作るべき。首都機能を移転するときも、そこでの生活をイメージしたものにするべきである。
  • 公共建築では、そこを使う市民のライフスタイルの一部になるような公共空間をつくることが大事ではないか。そのためには、使う側とのコミュニケーションが必要になる。
  • 首都機能を移転するときには、新しい時代を象徴するような建築像をつくって、それがこの国の建築が変わるほどの刺激になってほしいと思う。

中村 桂子氏 (JT生命誌研究館館長)

中村  桂子氏の写真東京都出身。平成元年から早稲田大学教授、平成8年から大阪大学連携大学院教授。平成14年4月より現職。中央教育審議会委員、国会等移転審議会委員、国立大学法人評価委員、財政制度審議会委員などを歴任。

テーマ:「首都機能の移転をきっかけに心地よく暮らせる社会へ」

要約

  • 多くの人の心の中には、もう少し落ち着いた生活を求める気持ちが生まれてきているのではないか。人間が心地よく暮らせる社会になるために、これからは、今までよりも地球や緑、日常の人間関係にも目を向けることができるようにすべき。
  • 生活の視点から考えると、考えるべき社会の方向は一極集中型にはならない。落ち着いて暮らせる社会に向かうきっかけとして、国会に象徴される首都機能を東京から別のところに持っていくということがあってもよい。
  • 21世紀の都市は、近郊の緑も生活圏にあるような規模が望ましい。そのためにも、ミニ東京ではなく、豊かな緑と都市が共生するような風景の都市にすべき。
  • 質の高い生活は、質の高い食べ物、健康、環境、文化、教育が大事で、それを支える農業や文化を生かしていくのがよい。

冷泉 為人氏 ((財)冷泉家時雨亭文庫理事長)

冷泉  為人氏の写真兵庫県出身。大手前女子大学教授、池坊短期大学学長を務めた後、平成14年から現職。冷泉家第25代当主。

テーマ:「日本の伝統と歴史から考える首都機能移転」

要約

  • グローバル化の中で、日本人のアイデンティティーとは何かが問われている。日本人の心とは何かということを歌から考えると、「限りなく推しはかる」ことが大事である。
  • 日本人の理念は無為自然にあって、何でも受容して積み重ねていくことにある。日本の個別性はそこにあるのであって、変化も徐々に起こることになる。
  • 日本人は物事を自然と一体にして理解しようとするため、情の部分が出てくる。そのため、日本で変革や新しいことをするためには、論理だけでなく、根回しや何らかの力が必要になる。首都機能移転の問題でも、こうした日本的な感性と力が必要ではないか。
  • 日本の歴史を見ると、時代が変わる時には何らかの力が加わってきた。何かを変える時には、不易(変えてはいけないもの)と流行(変わるもの)を同次元で考えることが大事。首都機能移転に関しても、不易と流行とは何かを識別し、変えるべきものを考えていくべき。

香山 リカ氏 (精神科医・帝塚山学院大学教授)

香山  リカ氏の写真北海道出身。臨床経験を生かして、新聞・雑誌で社会批評・文化批評・書評なども手がけ、現代人の「心の病」について洞察。

テーマ:「現代の若者の心理と国会等の移転問題」

要約

  • 現在の学生は、就職にあたって賃金や仕事の内容よりも実家からの近さを重要視する傾向がある。以前は地元を離れてどこかに行きたいという夢や意識が多くの人にあったが、今の若い世代にはそれが非常に希薄になっている。
  • 最近の事件や引きこもりの問題も、今の若者の関心と行動が外に向かわず内向きになってきていることを表している。
  • 今の若者の人間関係の基本はいつまでも「地元の友達」で、そこから関心や行動が外に向けて広がったり、発展したりするわけではない。以前のようにステップアップするにつれて社会に目を向けて人間関係を広げるような関係は変わってきている。
  • 今の若い人たちの中には、身近な問題には非常に一生懸命取り組んでいる人もいる。身近なところで自分でも何かを変えられるという感覚を持つことが出来れば、その延長線上に社会的な問題もあることに気がつけるのではないか。国会等の移転問題も、身近なところからの延長線上で考えてもらうしかないのではないか。

トピックス

最近の国会等の移転に関する各地域の主な動き
  • 11月19〜20日、福島県では、ビッグパレットふくしま(郡山市)で開催された「ふくしまバイオマスフェア」会場において、啓発グッズを配付しながら首都機能移転をPR。
  • 12月5日、岐阜県では、首都機能移転を考える会の主催により、岐阜市出身のグラフィックデザイナーの左合ひとみ氏と東美濃・西三河北部新首都構想推進協議会の会長が、首都機能移転の必要性などについての対談を実施。
  • 12月17日、岐阜県では、東濃研究学園都市推進連絡協議会が主催する北野大氏(淑徳大学教授)の講演会にあわせて、会場前に首都機能移転PRブースを出展。同ブースでは、パネル展示やパンフレットの配布、ビデオ上映を行い、講演会に訪れた人々に首都機能移転の意義や必要性をPR。
  • 1月20日〜2月2日、首都機能移転先候補地である三地域8府県は、「日本の安心と元気、構造改革は首都機能移転から」と訴えるポスターを首都圏JR主要21駅に掲出。
  • 1月31日、愛知県では、中部圏首都機能移転問題研究会と東海四県首都機能移転連絡会議の共催により、梅澤忠雄氏(都市開発プロデューサ−)による「経済再生戦略としての首都機能移転」をテーマとした講演会を実施。

ページの先頭へ