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ニューズレター「新時代」 第59号(平成18年12月) 一緒に考えましょう、国会等の移転

オンライン講演会が昨年度で100回を迎えました

国土交通省では、国会等の移転に関して国民各層に幅広く議論を喚起するための取り組みとして、様々な分野の有識者の方々から講演をいただくオンライン講演会を平成11年度から実施しております。

昨年度、講演回数が100回を迎えたことを機に、それまでに講演いただいた100名の方々のご意見等をまとめました。

1. 講演者の属性について

講演者の職業
後援者の職業の円グラフ。大学教授(41.0%)、シンクタンク・研究機関の研究員(15.0%)、評論家・作家(16.0%)、経営者・財界人(11.0%)、建築家(4.0%)、タレント・歌手(4.0%)、ジャーナリスト(1.0%)、その他(知事・町長など)(8.0%)

講演をいただいた方々の職業については、大学教授が41%と最も多く、シンクタンク・研究機関等の研究員15%を含めた研究者が全体の過半数を占めております。研究者以外では、評論家・作家、経営者・財界人が比較的多くなっております。

また、講演当時の年齢は、50歳代から60歳代の方が全体の7割以上を占めています。

2. 講演内容について

国会等の移転の意義・効果
国会等の移転の意義・効果の円グラフ。国政全般の改革(地方分権等を含む)(28.0%)、災害対応力の強化(13.0%)、東京一極集中の是正(地方活性化等を含む)(12.0%)、その他(47.0%)
※各講演の中で特に強調された意義・効果を一点抽出し集計

(1)国会等の移転の意義・効果

国会等の移転の意義・効果については、「国政全般の改革(地方分権等を含む)」を挙げた方が28%と最も多く、「災害対応力の強化」(13%)、「東京一極集中の是正(地域活性化等を含む)」(12%)と続いており、平成11年12月の国会等移転審議会答申で整理された3つの意義・効果を挙げた方が全体の約半数となっております。
それ以外では、「国民の生活・暮らしやすい社会」(10%)、「これからの都市のあり方」(9%)、「日本の歴史・伝統」(9%)といった観点からの言及が目立ちました。

 

(2)講演の論点

講演の論点
講演の論点の円グラフ。国政全般の改革(16.0%)、これからの日本・国づくりのあり方(10.2%)、東京一極集中の是正(14.2%)、社会変化への対応(10.2%)、防災・テロ対策等の危機管理(9.1%)、日本の歴史・伝統等(8.0%)、これからの都市のあり方(6.9%)、国民生活・暮らしやすい社会(6.2%)、情報公開・国民の理解促進(5.5%)、環境・自然等(5.1%)、その他(8.7%)
※各講演の中で言及された論点を全て集計

講演の論点については、「国政全般の改革」に関するものが16%と最も多く、内容としては、政治体制・社会全般の改革に関するもの(6%)から、道州制を含む地方分権、首都と地方の制度に関するもの(10%)まで幅広く言及されております。「これからの日本・国づくりのあり方」(10%)という包括的なテーマから改革について言及されているものを含めると改革に関するものが全体の4分の1以上を占めています。

また、「東京一極集中の是正」(14%)については、全般的な問題提起を行っているもの(7%)だけでなく、東京の魅力向上(3%)、地方の活性化(4%)のようにそれぞれ異なる視点からの言及も多く行われています。
「社会の変化への対応」(10%)を論点とするものについては、情報化社会や産業構造・社会構造の変化への対応に関する言及が目立ちました。

(3)国会等の移転の課題

国会等の移転の課題
国会等の移転の課題の円グラフ。国民的議論の不足・関心が低い(11.0%)、問題設定に課題がある(10.0%)、当初の目的と現状の乖離(8.0%)、他の施策を優先すべき(5.0%)、費用が過大(3.0%)、決定の遅れ(3.0%)、わかりにくい(2.0%)、その他(5.0%)
※各講演の中で特に強調された課題を一点抽出し集計

全体の約半数の講演で、国会等の移転の議論や進め方の課題について言及されています。
最も多く取り上げられている課題は、「国民的議論の不足・関心が低い」(11%)であり、具体的には、「国民一般の合意が必要」「積極的な情報発信とPRが必要」などの意見がありました。
続いて、「問題設定に課題がある」(10%)との意見も多く、「はっきりとした国家理念を揚げるべき」「問題提起の仕方や候補地絞り込みのプロセスなどに問題あり」などの指摘がみられました。
また、「当初の目的と現状の乖離」(8%)の課題では、「当時と社会・経済情勢が変化している」「そもそも移転の理由に説得力がない」などの意見がありました。

今後とも、より幅広い分野の方々の講演を掲載してまいりますのでご期待下さい。

「オンライン講演会」を開催しています

平成18年11月以降、国会等の移転ホームページに、次の講演を追加しましたので是非ご覧下さい。

(ホームページアドレス:http://www.mlit.go.jp/kokudokeikaku/iten/onlinelecture/index.html)

泊 みゆき氏 (NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク理事長)

泊 みゆき氏の写真テーマ:「持続可能な社会と都市の望ましい関係とは」

要約

  • 日本は国の責任として国家機能バックアップを早急に整える必要がある。
  • 日本もEUのように持続可能性の国家戦略が必要である。
  • 現在、天然資源が枯渇の危機にある。特に日本のような先進国の人間は、天然資源の消費を抑えていかざるを得ない。
  • 東京は規模が大き過ぎて持続可能ではない。持続可能な社会に向かっていくためには、首都機能移転が一つのインパクトになり得る。
  • 首都機能を分散させるにあたっては、雇用、文化、教育の三つの視点からの意識改革が必要である。
  • 首都機能移転で新しくつくる都市については、緑が多く、ストレスのない住みやすい街づくりを望む。

重川 希志依氏 (富士常葉大学大学院環境防災研究科教授)

重川 希志依氏の写真テーマ:「都市防災の主役は一人一人の市民と地域コミュニティー」

要約

  • 台風や地震などの危険原因が非常に多い日本では、災害に対する脆弱性を改善することが大きな政策課題である。
  • 被害を最小限にとどめるために最も大きな力を持つのが、一人一人の市民、あるいは地域のコミュニティー、ボランティアである。
  • 災害教育は学校任せにせずに、家庭や地域住民が積極的に参加しなければならない。
  • 被災者の仮設住宅暮らしで一番つらいと思う点として、孤独感や疎外感を挙げている方が多い。被災者の暮らしを守るという点では、物理的な問題を解消する以上に、被災者のこころの問題、ソフト面への対策が非常に重要だ。
  • 首都機能移転では、移転先の地域住民と移転に伴い新しく住民になる人との交流が非常に重要であり、両者が水と油のような関係では、防災上問題が生じる。

大内 浩氏 (芝浦工業大学工学部教授)

大内 浩氏の写真テーマ:「緊急性と重要性を兼ね備えた首都機能移転と新しい都市デザイン」

要約

  • 首都機能移転問題には多くの誤解と無関心が蔓延している。メディアでは、「首都移転」や「遷都」と表現することが多いが、「首都機能移転」より「国会等の移転」という表現の方がわかりやすかったのではないか。また、審議の過程で新首都の誘致合戦を引き起こしてしまい、移転候補地以外の地域の無関心を招いてしまった。
  • 首都機能移転にかかる費用については、国家の防災という視点で、我々はいったいどの種の危険、危機に対応すべきなのか、それに対して保険の費用をいくらかければよいのかという冷静な議論をすべきである。
  • 首都機能移転と一極集中論や国政改革論を一緒にしたことにより目的が散漫になり、国民の理解を難しくしてしまった。
  • 首都機能が同時被災しないところで閣議や国会が開催できるというシステムをつくることが首都機能移転問題における最大のテーマである。そのためにも、臨時国会を東京以外で開催することを提案したい。また、中長期的には、分散・分都型の首都機能移転が望ましい。
  • 首都機能移転は、都市デザインを考える良い機会になる。ブラジリアやキャンベラを乗り越えた新しい都市モデルを首都機能移転により生み出してほしい。

トピックス

最近の国会等の移転に関する各地域の主な動き
  • 福島県では、県が提唱する21世紀の新都市像「森にしずむ都市」について、県内の小学生を対象とした絵画コンクールを実施。11月3日に福島市内において表彰式を行うとともに、11月以降県内各地で、最優秀賞及び優秀賞受賞作品の巡回展示を実施中。
  • 栃木県国会等移転促進県民会議は、宇都宮市内で開催された「とちぎ住宅フェア2006」(10月13日〜15日)、「ふるさと栃木フェア2006」(10月28日〜29日)及び「とちぎ産業フェア2006」(11月16日〜18日)のイベントに、国会等移転情報コーナーを出展し、PRパネルの展示やパンフレットの配布等の情報提供を実施。
  • 岐阜県では、10月28日に土岐市の「核融合科学研究所」で開催された「研究所オープンハウス」の会場で、首都機能移転の意義、必要性をPRするため、パネルの展示、来場者に対するパンフレットの配布及びアンケートを実施。

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