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ブラジルの首都機能移転

(イメージ図)ブラジル

ブラジルでは、1946年に修正された憲法に首都の移転が規定された後、様々な検討を経て、1960年に新首都ブラジリアが完成し、リオデジャネイロからブラジリアヘ首都機能が移転しました。

ブラジルの概要
政治行政システム: 連邦共和制
人口: 1億7,678万人(2003年)
面積: 851.2万km2

首都機能移転の経緯
1891年 共和国最初の憲法に将来の連邦首都建設予定地を規定
1946年 憲法に首都の移転が規定される
1956年 首都機能移転の実施に関する法律の制定
1960年 新首都ブラジリアの完成式を実施
1970年頃 三権の機関の移転がほぼ完了



写真1 連邦議会議事堂(上院・下院)


写真2 大統領官邸


首都機能移転の目的

ブラジルにおける新首都ブラジリアの建設と首都機能移転は、「内陸部の地域振興を通じた国土全体の均衡ある発展」を図ることが目的です。当時のクビチェック大統領は、「50年の進歩を5年で」というスローガンのもと、強カなリーダーシップをもって、新首都の建設を推進しました。これを契機に、特に内陸部の開発は大きく前進しました。

移転後の状況

2000年にブラジリア(連邦区)の人口は、200万人を超え、その後も増加しています(図1参照)。建設当初こそ、「人工的で人間味のない都市」、「世紀の失敗作」といった批判が見られましたが、定住人口が増え、都市としての機能、空間が成熟するにしたがい、計画的な都市づくりに対する好意的な評価が定着してきました。

その一方で、人口増とモータリゼーションの進行に伴い、交通渋滞、スプロールなどの都市問題が深刻になってきています。

図1 ブラジリア(連邦区)の人口と中西部(ブラジリアを含む内陸部の5州)の人口シェアの推移
人口シェアの推移を示したグラフ


図2 プラーノ・ピロットに立地する首都機能と主な都市施設

(1) 連邦上院(写真1)
(2) 連邦下院(写真1)
(3) 大統領官邸(写真2)
(4) 外務省
(5) 法務省
(6) 中央官庁街(写真3)
(7) 最高連邦裁判所
(8) 国家会計裁判所
(9) 国立文書館
(10) カテドラル(写真4)
(11) パンテオン
(12) オスカーニーマイヤ財団


ブラジリアの街づくり

ブラジリアの建設にあたっては、1956年に国際コンペが開催され、中心部の「プラーノ・ピロット(パイ□ットプランの意味)」と呼ばれる地区を飛行機に形どったルシオ・コスタ氏の構想が採用されました。

プラーノ・ピロット内は、機能的にゾーニングされており、飛行機の機首部分に、ブラジルの建築家オスカー・二ーマイヤ氏が設計した連邦議会議事堂、最高裁判所、大統領官邸、カテドラルなどが立地し、また飛行機の胴体部分には連邦政府の行政機関やレクリエーション施設、飛行機の翼の部分には住宅施設、その交差する部分に業務・商業施設やバスターミナルなどの交通施設が配置されています(図2参照)。なお、1987年には、プラーノ・ピロットがユネスコの世界遺産に登録されています。

ブラジリア(連邦区)の概要
人口: 233.3万人(2005年)
面積: 5,789.16km2(東京都の2.75倍)
プラーノ・ピロットの大きさ: 翼の片側約6km,胴体部分約10km


写真3 中央官庁街


写真4 カテドラル


写真5 連邦議会議事堂を中心とする全景


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