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マレーシアの首都機能移転

マレーシアでは、1993年に首相府などの連邦政府を首都クアラルンプール郊外のプトラジャヤへ移転することを決定しました。1999年に首相オフィス及び首相府の移転が完了し、2010年のプトラジャヤ開発の完了へ向けて、現在その整備が進められています。

マレーシアの地図(クアラルンプール、プトラジャヤの位置)

[マレーシアの概要]
政治行政システム:立憲君主制
人口: 2,220万人(2000年7月時点)
面積: 33.0万km2

[首都機能移転の経緯]
1993年 5ヵ所の候補地の中から現プトラジャヤの地域を移転先候補地と決定
1995年 プトラジャヤの開発計画と連邦政府の移転を閣議決定
1995年 プトラジャヤ建設の開始
1999年 首相オフィスと首相府の移転完了(約300人)
2000年 運輸省、科学・技術・環境省、外務省の移転完了
2005年 (予定)移転完了
2010年 (予定)プトラジャヤ開発の完了


図1 クアラルンプールとプトラジャヤの位置関係

写真1 首相オフィス

[首都機能移転の目的]
マレーシアの首都クアラルンプールでは、慢性的な交通渋滞が深刻になっていることに加え、連邦行政機関が市内に点在していることにより、行政機能の非効率が問題となっていました。そこで、これらの課題を解決するとともに、MSC(マルチメディア・スーパー・コリドー)計画(図2参照)の一環として、IT政府実現の基盤整備を図るため、クアラルンプール郊外に新しい行政都市を建設することが、マハティール首相の強いリーダーシップの下で進められています。
マレーシアの首都機能移転の対象は、国防省など一部の省庁を除く連邦政府の大部分及び連邦裁判所であり、連邦議会などはそのままクアラルンプールに残留することになります。なお、連邦政府の移転が完了した後も、マレーシアの首都はクアラルンプールのままです。

図2 MSC(マルチメディア・スーパー・コリドー)計画

[MSC(マルチメディア・スーパー・コリドー)計画]
・1996年8月開始。

[目的]
IT・マルチメディア技術を核として、マレーシアの産業構造の高度化を果たすこと

(1)最良なITインフラの提供
サイバージャヤ(情報技術都市)、プトラジャヤ(新行政都市)、KLCC(クアラルンプール・シティセンター)、テクノロジーパークマレーシア、UPM(大学)を拠点として位置づけ、重点的に新規開発を行うとともに、これらを結ぶ大容量高速通信ネットワークを整備
(2)新しい法制度の確立
(3)世界からの先端企業の誘致
(4)自国産業・人材の育成

MSCの基幹的ネットワーク構成

[プトラジャヤの街づくり]
プトラジャヤの開発・運営は、プトラジャヤ開発公社(100%政府出資)が行っています。プトラジャヤの開発マスタープランでは、図3のように20の地区に区分して整備を進めています。このうち、行政地区には、既に首相オフィスをはじめとする連邦政府の庁舎建設のほか、プトラ・モスクなどが完成しています。プトラジャヤとクアラルンプール、クアラルンプール国際空港の間は高速道路の整備が進められており、車でクアラルンプールとは45分程度、クアラルンプール国際空港とも約30分程度で結ばれています。現在、クアラルンプールからプトラジャヤを経由してクアラルンプール国際空港を結ぶ高速鉄道の整備が進められています。
プトラジャヤ開発の進捗状況は、2000年8月現在で、省庁庁舎建物の約6割、住宅約2万戸が完成しているところです。

図3 プトラジャヤの開発地区構成

図4 政府地区の構成

[プトラジャヤの概要]
人口(計画):33万人(うち、政府関係者が約7.6万人)
人口(現状):約1万人(2001年6月時点)
面積:4,581ha(うち、緑地が37.5%)
住宅戸数(計画):67,000戸
住宅戸数(現状):約20,000戸

写真2 プトラモスク

写真3 住宅街

写真4 首相府

写真5 庁舎建物


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