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LINKSのイベント開催記録やコラム

LINKS:DATA × Hackathon
ハッカソン
データが拓く、未来の国土交通分野への挑戦

EVENT

2024-11-23 ~ 2024-11-24

2024年11月23日、24日の2日にわたり、「LINKS:DATA × Hackathon ハッカソン」を開催した。10月のアイデアソンに続き、一般募集した多様なバックグラウンドを持つ参加者がチームを組み、LINKSのオープンデータを用いた新しいソリューションアイデアとアプリケーションを制作し提案するイベントの第二弾である。
本イベントでのアイデア/アプリ検討を通して、データに関するフィードバックをいただき、オープンデータを改善・拡充することを狙いとしている。

開催日時:Day1 2024年11月23日(土)10:00〜18:00

     Day2 2024年11月24日(日)10:00~18:30

開催場所:パレスサイドビル8階 NSホール


Day1(11/23)
 1:データの紹介
 2:チームアップ&チームアイデアソン
 3:ハッカソン(Day1)
 4:中間発表

Day2(11/24)
 5:ハッカソン(Day2)
 6:成果発表
 7:審査結果発表
 8:全体講評

1:データの紹介

本ハッカソンでは全9種類のデータを用意した(以下➀~⑧はサンプルデータの提供。⑨は公開済み)。

2:チームアップ&チームアイデアソン

会場に集まった参加者たちは、まず各自でデータと向き合った。スプレッドシートには、1人10個程度のジャストアイデアが次々と書き出されていく。その中から最も実現したい1つを選び、アイデアをさらに磨いていった。全参加者のアイデアを一堂に並べ、相互投票を実施。その結果を基にチーム編成が進められた。

一人で挑戦を決めた参加者から、5,6人で力を合わせるチームまで、実に多様なチームが形成された。各チームは早速、チームアイデアソンに着手。メンバーそれぞれの想いを持ち寄り、アイデアの実装イメージを熱く議論した。1チーム1分の手短なプレゼンテーションを経て、各チームの開発方針が定まったところで、いよいよハッカソンの幕が上がった。

3:ハッカソン (day1)

ここからはいよいよ本格的な開発フェーズに突入。各チームは実際のデータを用いて分析・加工を進めていく。会場内を見渡すと、それぞれのチームが異なるアプローチで課題解決に挑んでいた。画面に向かって黙々とコードを書くチーム、ホワイトボードを囲んでアイデアを膨らませるチーム、データの可視化結果に熱い議論を重ねるチーム。キーボードを叩く音が心地よいリズムを刻む中、参加者たちは限られた時間との戦いに没頭していった。

一方、オンライン上でも活発な動きが見られた。Discordを介したチームメンバー間の情報共有は途切れることなく、メンターへの相談やデータに関する質問、バグの報告など、開発に関する様々なやり取りが飛び交う。時間が経過するにつれ、Discordチャンネルはますます活気を帯びていった。緊張感と熱気が入り混じる独特の空気が、会場全体を包み込んでいた。

4:中間発表

開発が佳境を迎えた Day1の終盤、中間発表の時間を迎えた。「課題解決」「インパクト」「完成度」「UI/UX」の4つのポイントを意識しながら、各チームが順にその時点での開発状況と今後の展望について発表していく。メンターたちは各チームの発表に熱心に耳を傾け、鋭い視点からの建設的なフィードバックを次々と投げかけた。そこには翌日の開発に向けた新たな視点や、改善のためのヒントが満載だった。

中間発表後にも、各チームでブラッシュアップに向けた議論が繰り広げられ、明日に向けてさらなる開発の意欲を高めていた。

5:ハッカソン (day2)

Day2は、前日の中間発表での気づきを胸に、朝から各チームで開発に取り掛かった。

会場内を巡ると、チームごとに異なる進化の過程が見て取れた。より洗練された機能を追加するチーム、データの分析結果を丹念に読み解きながら改善を重ねるチーム、ユーザーインターフェースの使いやすさを徹底的に追求するチーム。それぞれが明確な目標を持ち、チームワークを深めながら開発を進めていった。

時計の針が締め切りの16時に近づくにつれ、会場内の空気は一層引き締まりを見せる。キーボードを打つ音は更に加速し、チーム内での短く鋭い意思疎通が飛び交う。ハッカソン最後の時間へと、参加者たちの集中力は最高潮に達していった。

6:成果発表

ここからは、各チームの開発したシステム/アプリケーションを紹介する。

チーム「フェリーナビ」が開発したのは、船や港湾等の情報を統合し分かりやすく可視化したアプリである。
通常、公共交通機関はA地点からB地点に向かうための移動手段だが、「船を見たい」「飛行機を見たい」という、乗り物自体が“目的地”になることもあるのでは?と考えた。しかし、例えば「船」の場合、事業者が分かれている上申請区分も異なり、まとまって参照できる情報がないという。
今回使用したデータは以下である。

他にも、空港の位置をプロットした「空港ガイド」や、JR貨物が公開している貨物駅の位置をプロットした「貨物駅ガイド」といった、多様な切り口の可視化を行った。今後、観光事業への活用可能性も見据え、「港湾や空港、駅の情報だけでなく、周辺の情報もオープンデータとして整備していきたい」と話した。

審査員の吉村氏からは、「ビッグデータを扱うとついデータを最適化しがちですが、「目的は船を見ること」という切り口で、船そのものの情報を整理している点がおもしろいですね。」と着眼点の独自性が評価された。

また、同じく審査員の内山氏からは、「貨物のデータも活用していますが、目的が貨物船を見に行くことなら、時刻表との組み合わせもできるかもしれないですね。」と今後の発展性についての示唆を得た。

チーム「磯子の虹」は、船舶事故のリスクを警告し安全意識を高めることを目的に、全国の船舶事故の統計、検索、3Dマップ体験を提供するWebアプリを提案。
今回使用したデータ、ツールは以下である。

今後の展望として、「船の動きや特性をより直感的に理解できるように、リアルな船の3Dモデルを地図に組み込んだ上で、特定条件での事故のシミュレーションを行い、事故発生時の状況を体験できるようにしたい。また、船舶の安全や運航に関する教育的なコンテンツの提供で、一般市民が学べる環境を整えたい」と述べた。

審査員の小林氏からは、「便利に使えそうで、筋が良いアイデアですね。誰がどのような場面で使うかを想定できれば、すぐに実用化できそうな気がします。気象情報との掛け合わせで、事故のリスクに関する分析ができるのではないでしょうか。」と具体的な活用方向について示唆を得た。
また、同じく審査員の内山氏からは、「まさに王道の使い方。LINKSのデータは膨大で、複数のテーブルから成り立っており、アプリケーションに実装しないと分からない部分もありますが、この提案はダッシュボードやGISによる検索・抽出を通じてインサイトを出す実装力がすばらしいと思います。モーダルで詳細情報が表示され、カメラのインタラクションもスムーズな上、パフォーマンスも良好で、国交省の開発のリファレンスとして是非参考にしたいです。」と技術的な完成度の高さを評価された。

チーム「アクシトラック」は、大きな被害を引き起こすトラックによる交通事故の削減を目的としたシステムを提案。
これまで交通事故の分析は、県単位での件数統計や個々の事故記録に偏っており、具体的な原因を掘り下げた分析が不足していたと言う。また、人手での分析は効率的ではない上、見落としなどのエラーも生じやすい、と考えた。
今回使用したデータは以下である。

将来的には、「ストリートビューの画像や、ドライバーの健康状態などのデータを取り込み、自動車会社や保険会社に提案していきたい」と語り、「そのために、さらに詳細な情報がほしい」という要望も投げかけた。

審査員の吉村氏からは、「事故原因の推測には、天候も含まれると良いかもしれないですね。」と機能拡張に向けた建設的な助言があった。
また、メンターの渡邊氏からは、「道路起因のデータの使い方に関して、興味深かったです。ドローンでの再現も未来を想起させるようでおもしろかったです。」と手法に対する評価が述べられた。

チーム「寄り道研究所」が開発したのは、勤務先や通学先からまっすぐに帰宅するのではなく寄り道を促すアプリケーションで、経路沿いのおすすめスポットをリコメンドしてくれるサービスである。
今回使用したデータは以下である。

このアプリにより「退勤後の時間や疲れたときの息抜きなど、日常生活の中に楽しみを見出すとともに、地域の新たな可能性の創出・活性化につなげたい」、さらに「全国で展開し、GTFS-RTで遅延ルートを避ける機能を付加したり、ユーザーの要望を取り入れられるようにしたい」と語った。

審査員の小林氏からは、「UXデザインのアイデアとして、候補は複数を提示できると良いですね。その上で、目的地まで真っすぐ行った場合、寄り道した場合の経路での時間の差を示せれば、実際の利用場面にうまくフィットするのではと思います。」とユーザー体験の向上に向けた具体的な改善案が提示された。

また、メンターの古川氏からは、「発想が広がる、良いアプリケーションだと思います。リコメンドはAIに丸投げでも良いですが、Wikiデータもプラスすれば、もっとスポットが出てくると思います。」とデータソース拡充による機能向上の可能性についても示唆された。

チームA(アルファ)は、不動産選びの判断基準が鉄道駅からの距離が主になっていることに疑問を感じたことをきっかけに、バスを含めた不動産物件を検索できるサービスを提案。

使用したデータは以下である。

今後は、「大手不動産ポータルのDBと連携し、かつリストビューなどユーザビリティの改善を図る」と語った。本アプリは、不動産物件の検索だけでなく、デベロッパーにとっては不人気なエリアや埋もれている不動産物件の価値発掘、行政向けには過疎エリアのバス利用を前提とした地域の活性化に有用であると示した。

審査員の吉村氏からは、「切り口や視点が非常に良いですね。欲を言えば、LINKSで使えるデータがもっとあるので、例えば、公共建築の場所や眺望の良さなどのデータを重ねられると、さらにすばらしいアプリになりそう。」とコンセプトの独自性を評価いただき、さらなるデータ連携による機能強化の方向性を示唆された。

また、メンターの久田氏からは、「GTFSによって街の価値が見える気がします。バス停があることによる街の価値の上昇、ダイヤ改正をしたことで街の変化の可視化、逆に3年後の街の変化もシミュレーションできます。GTFSはリアルタイムの情報だが、そういったリポジトリがあっても良いのではないでしょうか。また、豪雨時のGTFSを連続的に流すサーバーがあれば、シミュレーションにも便利ですね。」と都市計画への応用についても具体的な提案があった。

河野研究所が開発したのは、船舶は簡単に止まらないという操作の難しさを老若男女に体感として理解してもらう、同時に現代人の課題である運動不足を解消するアプリケーション「シンクロ船体操舵マスターズ」。
今回使用したデータは以下である。

▲船舶スペック:LINKSからのデータで、好きな船を選べる。
 速度:両手を上げて前進を指示すると赤く光る。速度は緑の円で示す。
 旋回角度:信号を受けると赤く光る。角度は緑の円で示す。
 マップ:操作中船舶(赤三角)、目標地点(白丸)で示す。
 これらの操作で目的地に到達すると花火が上がる仕様になっている。

実際に身体を動かしながら操作して、船は急に発進・停止できないことを示し、ゴールでは花火が上がる。その様子に会場は大いに沸いた。今後については、「運転性能の数値を正しくし、海底や湾岸のデータを盛り込むとともに、対戦ゲームのように他者も参加できるようにしたい」と語った。

審査員の内山氏からからは、「オープンデータ、ビッグデータをアプリケーションにして使ってもらうこと、また使いやすいデータ構造を開発段階で見出してもらえること、これがLINKSの目的であり、それが体現されていて、とても良いと思います。」とLINKSの基本理念に沿った実装を実現できたことを評価された。

また、メンターの田中氏からは、「私は普段の仕事でこのアイデアのようなゲームのようなものをつくることはないのですが、AIの部分のアルゴリズムの開発など、一緒に共創してみたいと感じました。」と技術的可能性への共感を得られた。

チーム「ソウ子を守れ」は、製造業の倉庫に対して、災害時の代替拠点選定の支援を行うアプリケーションを提案。
倉庫関連データに危険物取り扱いも入っているため、災害時の撤退等についても検討できるのではないか?国交省のハザードマップで災害の状況は把握でき、同じく国交省による治水経済調査マニュアルを使用することで、被災額および事業運営再開にかかる日数についても算定が可能なのではないか?と考えた。
今回使用したデータは以下である。

今後の展望として、「道路ネットワーク情報を付加して災害時に通行不可の場所の設定や余剰時間の検討ができる仕様にして、企業の防災や投資用の検討など事業継続計画(BCP)などに活用してもらいたい」と熱意を込めた。

審査員の吉村氏からは、「非常に可能性のあるアプリケーションとなっていますね。LINKSのほかのデータとの掛け合わせによって、違った側面が出てくるのではないかと思います。私も普段ネットワーク情報分析をしますが、最近はパーコレーション理論もあって、それと災害を絡めるとより精度の高い、有益な分析ができるのではないかと考えています。」とプロジェクトの発展性が評価されたとともに、先進的な分析理論の適用による機能強化の可能性についての言及もあった。

また、同じく審査員の内山氏からは、「該当する倉庫の情報に着目して、その被害の大小やサプライチェーンに対する影響がどれくらいあるかといったことを深掘りできるとさらに良いですね。」と経済的影響の評価への発展可能性を示唆された。

チーム「リンチャレ」が開発したのは、「行政手続が必要そうなことをやりたいけれど、どこに問い合わせたらいいかわからん!」を解決するチャット「行政手続きお助けチャット powered by LINKSちゃん」。
気軽に聞けることが大事で、どのような手続きがあるか、どういう場所に申請する可能性があるか、ふわっと知りたいニーズに応えるものになっている。
今回使用したデータは以下である。

申請場所や業務内容について、オリジナルキャラクターの「LINKSちゃん」が登場して誘導する。可愛らしい声や親しみやすいフォントを使うなど、堅苦しい手続きのハードルを下げるUIも一貫している。今後は、「管内図データを拡充し、運輸局のデータを盛り込み、法令の詳細な解説を加えたい」と話した。

審査員の小林氏からは、「このアイデアを見ていて、なぜ行政関連のインターフェースは格式ばっているのか、こういうかわいいものでいいのでは?と思いました。アプリ上で手続きまでできるようになる、その未来が見えました。今後、生成AIが進化して、データも正規化されれば実現できそう。」とユーザーフレンドリーなデザインアプローチを高く評価いただき、行政サービスの未来像についても示唆された。

また、同じく審査員の内山氏からは、「スタティックのデータを直接検索して出す部分と、AIが生成したものを組み合わせてBackendにしていたことを含め、我々の望んでいるデータの使い方となっており、国交省でもリファレンスにしていきたいです。」とデータとAIの効果的な統合アプローチが高く評価された。

7:審査結果発表

作品に対する評価として、オーディエンス賞とグランプリを用意しました。

オーディエンス賞は、会場の参加者とオンライン視聴者からの投票で決定(ハッカソン参加者は自身のチーム以外に投票)。グランプリの受賞作品は、課題解決、インパクト、完成度、UI/UXをポイントに、審査員3名が協議の上で決定しました。

\オーディエンス賞/

河野研究所「シンクロ船体」
ありがとうございます!プレゼンではみなさんが評価してくださって、歴史の1ページに一緒に出させていただいて光栄です。LINKSのデータは未完成ですが、その状態から一般市民である私が気軽にデータを触らせてもらえて、来年、再来年とLINKSがパワーアップしていくことが楽しみになりました。これからもいろいろと開発していきます!

\グランプリ/

リンチャレ「行政手続きお助けチャット powered by LINKSちゃん」
栄誉ある賞をいただき、ありがとうございます!当日までどのようなデータがあるか不明で、とりあえずデータを見ることから始めて、この2日間で形にできて一安心です。楽しめたこと、チーム5人が揃ったこと、力を結集できたこと、結果を出せたこと、すべてに感謝です。

8:全体講評

古川氏
こういうイベントに参加すると「背中に翼が生える」と言われます。つまり、人に指示されて動くのではなく、自分から社会や新しい課題に飛び込んでいく翼を手に入れられた。この経験で得たことをいろいろな場面で発揮してもらえたらと思います。発表者とは別に、今回のハッカソンのために寝る間を惜しんでデータを整えてくださったLINKSチームにもぜひ拍手を贈ってください。

田中氏
こういう場は初めてで、良い経験ができました。普段の業務とは違ったスピード感が本当に信じられなくて、すごいとしか言えません。このスピード感、トライアンドエラーのくり返しによるものづくりを弊社の開発でも取り入れていきたいです。そして、ハッカソンにも参加したいと思います。


久田氏
僕はハッカソンが大好きで、この10年でいろいろと参加し、運営もお手伝いしてきましたが、今回はとてもクオリティが高かった。アイデアソンでのエッセンスがいい感じに温まっているチーム、アイデアソン不参加のチームも含め、とても上手に形にされていて、僕も参加者になりたいと思いました。今後も、LINKSに限らず、多方面でつくっていってください。

渡邊氏
さまざまなテクノロジーで構築されていて、勉強になりました。また、AIが当たり前になっていることに驚きました。僕は天邪鬼なので、AIを超えるためにこのデータを使う、という方向から攻めがちですが、今後はそういう使い方も出てくるといいのではないかと思っています。具体的には、経路検索が苦手なAIにほかのデータを組み合わせて、新しいことを生み出すといったように。そうすれば楽しいのではないでしょうか。

吉村氏
LINKSという新しいデータの可能性を見て、ワクワクしました。今回の作品の中での僕の推しは、チーム「A(アルファ)」の「GTFSデータを使った通勤/通学時間起点不動産探しAI」です。僕自身が建築やまちづくり、都市計画というバックグラウンドがあるので、不動産に対する従来の価値観に新しいデータを加えていたことに興味を覚えました。これに、LINKSのほかのデータを組み合わせれば不動産の価値が違った角度から見えるのではないか、その期待も込めています。とはいえ、どのチームも良い提案でした。今後、LINKSのデータの活用で、都市をみんなで育てていくという観点が生まれるのではないかと思いました。

小林氏
限られた時間の中で、完成度高く仕上げられていて、正直びっくりしました。AIの扱いがこなれてきている印象も受けました。ただ、LINKSのような構造化データとAIの組み合わせはもっと深掘りできる部分があると感じています。今後を期待しています。今回の作品の中では、僕はチーム「ソウ子を守れ」の「製造業のための安心安全なソウ子との出会い支援」を一推しとします。災害リスクのデータ、サプライチェーンのデータを掛け合わせることで、より有用になりそうです。ポテンシャルがあって、伸び代をビシビシと感じました。ぜひ実用化を目指してがんばってもらいたいです。

内山
僕の推しは、チーム「磯子の虹」の「全国船舶事故3D体験マップ」』です。LINKSのデータはGIS系のデータと違って、わかりづらいと思います。リレーションは複雑で、コード化されているし、正規化データでもない。ビッグデータのような、テーブルの複合的なデータをどのようにソリューションにつなげるかをぜひ考えてもらいたいと思って、こういったイベントを催しています。そういう意味で、「全国船舶事故3D体験マップ」はユーザーインターフェースも含めソリューション化に成功していると思いました。
全体の講評として、今回は、期せずしてデバックハッカソンにもなり、みなさんのおかげでさまざまな示唆があり、我々も学びがありました。データをつくる側と使っていただく側ともども、LINKSにとっては今後の発展の基礎になるような、そんなイベントができたかなと思います。ありがとうございました。

ファシリテーター |池澤あやか氏エンジニア・タレント)
慶應義塾大学SFC環境情報学部卒業。2006年、第6回東宝シンデレラで審査員特別賞を受賞し、芸能活動を開始。現在は、情報番組やバラエティ番組への出演やさまざまなメディア媒体への寄稿を行うほか、IT企業に勤め、ソフトウェアエンジニアとしてアプリケーションの開発に携わっている。

審査員 |吉村有司氏東京大学 先端科学技術研究センター 特任教授
愛知県生まれ、建築家。2001年より渡西。ポンペウ・ファブラ大学情報通信工学部博士課程修了(Ph.D. in Computer Science)。バルセロナ都市生態学庁、マサチューセッツ工科大学研究員などを経て2019年より現職。 ルーヴル美術館アドバイザー、バルセロナ市役所情報局アドバイザー。主なプロジェクトに、バルセロナ市グラシア地区歩行者計画、クレジットカード情報を用いた歩行者回遊分析手法の開発や、機械の眼から見た建築デザインの分類手法の提案など、ビックデータやAIを用いた建築・まちづくりの分野に従事。

審査員 |小林巌生氏インフォ・ラウンジ株式会社 副社長/NPOリンクト・オープン・データ・イニシアティブ 副理事長/Code for YOKOHAMA代表
情報アーキテクト。まちづくり×ICTをテーマに活動。オープンデータ関連技術研究開発およびその普及活動を通じて、政府や自治体、公共機関のオープンデータ施策の支援を行う。テクノロジー活用で地域の課題解決を目指す活動 Code for YOKOHAMA を立ち上げ同代表を務める。

審査員兼メンター |内山裕弥氏国土交通省 総合政策局 モビリティサービス推進課 総括課長補佐Project LINKS テクニカル・ディレクターPLATEAU ADVOCATES 2024東京大学 工学系研究科 非常勤講師東京大学 空間情報科学研究センター 協力研究員
1989年東京都生まれ。首都大学東京、東京大学公共政策大学院で法哲学を学び、2013年に国土交通省へ入省。国家公務員として、防災、航空、都市など国土交通省の幅広い分野の政策に携わる。法律職事務官として法案の企画立案や法務に長く従事する一方、大臣秘書官補時代は政務も経験。2020年からはProject PLATEAUのディレクターとして立ち上げから実装までを一貫してリード。2024年4月から現職。

メンター |古川泰人氏株式会社MIERUNE Engineering Manager
学生時代の野生動物の研究活動をきっかけに位置情報技術に出会い、北海道大学の研究員などを経て、2016年にMIERUNEを共同創業。近年ではオープンデータなどをベースとした位置情報システム開発などに多方面から関わっている。また、様々な組織内に埋没されたアレゲな位置情報データの救難経験から「餅から米」というフレーズ提唱し、界隈でミーム化した。このほかにも総務省地域情報化アドバイザーやCode for Japan フェローとしてオープンデータやシビックテックに関する活動を行っている。

メンター |久田智之氏株式会社アナザーブレイン 代表取締役、みんキャプ運営委員会 委員長
インターネットを活用したさまざまなプロジェクトを企画・開発。小中学生を対象にしたプログラミング体験会の開催や、公立諏訪東京理科大学でデジタルツイン講座を担当するなど地域のデジタル人材育成にも取り組む。近年は生活シーンのさまざまを「3D化して3D地図(PLATEAU)に表現」する「みんキャプ(みんなでキャプチャー)」コミュニティ活動に注力している。

メンター |片渕凌也氏 ※Day1のみ(株式会社日立製作所 Digital Engineering Business Unit /Data & Design/Data Studio
製造業や鉄道企業など幅広い業界の顧客に対し、データ利活用コンサルやデータ分析支援、また生成AIのPoC業務に従事。 2024年のASCII×Microsoft の生成AIコンテスト「AI Challenge Day」にチームで参加しグランプリを受賞。また社外との技術交流会や書籍執筆などを推進。

メンター |田中聡一朗氏 ※Day2のみ(株式会社日立製作所 Digital Engineering Business Unit /Data & Design/Data Studio
商社や電力など多様な業界の顧客に対しデータ利活用コンサルやPoCに従事。 2021年にIntelと日立共同主催のAIハッカソンにエキシビションチームとして参加、2023年に日立と日本IBM2社の混成チームを組んで技術交流会(分析コンペ)に参加など積極的に社外との交流を推進。

メンター |渡邊徹志氏株式会社team-7
1984年生まれ、栃木県出身。2009年東京大学大学院学際情報学府修了。YRPユビキタス・ネットワーキング研究所において、公共交通オープンデータ協議会の立ち上げに参画。近年は公共交通データ基盤の構築及び分析、休日は農作業。マイクロバスを架装してオフィスにしながら活動中(大型けん引免許所有)

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