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平成13年度観光の状況に関する年次報告

第3章 国際観光振興の施策

第1節 ●魅力ある旅行先として明確なイメージの確立 ~「なじみにくい国」から「魅力あふれる国」へ~

1 国際観光振興会による広報・宣伝活動


国際観光振興会は,世界の主要都市に配置された海外観光宣伝事務所も活用しながら,また在外公館,地方公共団体,関係業界はもとより,隣国政府観光機関等と協力しながら,積極的に観光プロモーション活動を行っている。
特に,「ものづくり」を中心とした工業国としてのみ受け止められ,観光面の魅力に乏しいとのイメージを是正するため,外国人の来訪意欲を喚起する我が国固有の自然,芸術,文化等を背景とした伝統美,祭り,料理といった魅力ある観光イメージ広報に重点を置いている。

表3-1-5 国際観光振興会海外観光宣伝事務所(14カ所)の配置状況




  (1) 訪日旅行促進キャンペーン

日本にとって最大の訪日旅行市場である韓国,将来的に最も成長が期待される中国,若年層を中心に日本文化の関心が高い香港,外国旅行では最大の潜在市場である北米,欧州では最大の訪日旅行市場である英国を対象に,延べ1億5,000万人の消費者に新聞・雑誌等の活字媒体を活用し日本の観光魅力を紹介した広告掲載,ジャーナリスト及び旅行業者の招請,旅行業者セミナー等多角的な広告宣伝,広報PR事業を実施した。
また,地方公共団体と協力して韓国,中国及び香港を対象に日本の観光魅力を紹介したテレビのスポット広告を実施した。キャンペーンの実施に際しては,各対象市場毎に訴える観光魅力を相違させるマーケティング戦略を採用している。

旅フェア2001インバウンド商談会



  COLUMN  

■ 主要訪日市場の志向・特性


主要訪日市場の志向・特性




  (2) インターネットによる観光情報の提供

多言語で日本の観光,旅行基本情報を提供しているインターネットのホームページ(http://www.jnto.go.jp)への全世界からのアクセス件数は年間1,700万件に達している。
また,同ホームページは,他の日本の一般事情を海外向けに紹介するウェブ・サイトからもリンクが張られている。

表3-1-6 ホームページのアクセス件数(ページビュー)




  (3) 一般旅行者に対する宣伝活動

1)観光促進展等の開催
海外観光宣伝事務所はサンフランシスコの「さくら祭り」及びロンドンの「Japan2001 MATSURI」における旅行デスクの設置により,各種行催事に合わせ日本の観光魅力の紹介ならびに観光情報の提供を行った。
2)海外における観光展等への参加・協力
日本の観光宣伝を効果的に行うため,韓国国際観光展(KOTFA),香港国際旅行博(ITE),米国旅行業協会(ASTA)世界大会トレードショー,中国国際旅遊交易会(CITM),台北国際旅行博(ITF),ワールドトラベルマーケット(WTM),ベルリン国際旅行見本市(ITBベルリン),シンガポール国際旅行見本市(NATAS TRAVEL)など海外の有力な国際旅行見本市への出展等を通じて日本の観光魅力の紹介を行った。

台北国際旅行博(ITF)



3)各国の有力紙,テレビ等を通じた広報活動
各国の有力紙,テレビ等を通じた広報活動を行い,日本の地方の観光魅力の紹介,日本人及び日本文化とのふれあいなどの紹介を行っている。

  (4) 旅行業者・報道関係者等に対する宣伝活動

1)外国の旅行業者に対する広報活動
外国人旅行者が利用する外国の旅行業者,航空会社等に対して積極的に我が国に関する情報を提供し,日本への旅行商品の開発を促進している。
また,世界の主要都市において,旅行業者を対象に,ビデオ・スライド等を活用して日本の観光魅力と最新の旅行情報等を紹介するトラベル・セミナーを開催している。米州,欧州,豪洲では近隣アジア諸国との共同セミナーを行った。また,地方公共団体及び旅行関連業界との共催・連携により,現地の有力旅行業者を対象とした「訪日旅行促進セミナー」,海外の有力旅行業者の商品企画担当者を招請する「訪日ツアー開発事業」を実施した。
13年度においては,米国発ツアーの造成・催行に大きな影響力をもつ米国ツアーオペレーター協会の有力旅行会社24社を視察に招請し,東京,熱海,京都,奈良で観光資源及び和風旅館の視察を支援した。

米国ツアーオペレーター協会の商談会(京都)



2)外国報道関係者の招請,取材協力
外国報道関係者等を我が国へ招請し,その取材協力を行うことは,各国に対し日本の観光魅力の紹介,対日理解の増進を図る上で極めて効果的であることから,外国報道関係者等を多数我が国へ招請した。その結果,諸外国の新聞,雑誌,テレビ,ラジオ等を通じて日本紹介の報道が行われた(表3-1-7)。

表3-1-7 国際観光振興会の招請及び取材協力による日本紹介報道の一例



3)国際観光テーマ地区の重点的海外宣伝の実施
国際観光振興会は,「新ウェルカムプラン21」及び「外客誘致法」に基づいて指定された国際観光テーマ地区への訪日旅行の促進を図るため,急増しているアジア地域を重点的に国際観光テーマ地区地方推進協議会メンバーと共同してプロモーション活動を実施した。8月に北海道観光促進ミッションを中国に派遣しセミナー・商談会を実施した。また,9月に台湾の旅行会社を南東北国際観光テーマ地区へ,10月には台湾の報道関係者を北東北国際観光テーマ地区へ,14年3月には中国の報道関係者を東海国際観光テーマ地区へそれぞれ招請した。

図3-1-8 国際観光テーマ地区一覧




国際観光テーマ地区・九州地区紹介パンフレット



4)沖縄緊急支援対策事業
「沖縄観光振興会議」の決定を受け,沖縄緊急支援対策として,韓国・中国・香港でテレビコマーシャルの放映,主要新聞への広告を実施した他,韓国・中国・台湾・カナダの主要旅行会社代表を招請し沖縄へのツアー造成を働きかけた。また,韓国・香港・カナダから媒体関係者を招請し,沖縄の観光魅力を取材してもらい記事掲載を通じて広く沖縄を宣伝した。さらに,韓国のインセンティブ(報奨)旅行関係者を沖縄に招請し,観光魅力を視察してもらい,インセンティブ旅行の誘致を図った。

  (5) 多様な媒体による宣伝活動

1)宣伝印刷物の作成,配布
一般的な日本案内,宿泊施設案内等の各種パンフレット,地図等を作成し,各海外観光宣伝事務所を通じて,広く配布している。
2)観光宣伝ビデオの活用
海外各地で開催されるイベント,セミナー,博覧会など各種の行事で上映するほか,航空会社,旅行業者,学校,一般団体への貸出,テレビ放映等に幅広く利用されている。最近では,CD-ROM(12年度新作分)版も作成している。
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