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平成13年度観光の状況に関する年次報告

第3章 国際観光振興の施策

第7節 ●世界の国々との観光交流強化の取組み

3 開発途上国への協力


国際収支の改善,雇用機会の創出等旅行者受入国の国民生活の安定向上に寄与することから,我が国は開発途上国の観光振興に協力を行っている。

  (1) 国際協力事業団を通じた協力

1)開発調査の実施
・グアテマラ国全国観光開発計画調査
・ヴィエトナム国中部観光開発計画調査
・南アフリカ国観光振興開発(継続)
・チュニジア観光開発計画調査(継続)
各国とも開発調査を通じ観光開発に係る包括的な提言を行った。
2)専門家の派遣
ジョルダン,ラオス,インドネシア,フィジー・トンガ・バヌアツ,ウズベキスタン,マレーシア等に専門家を派遣して観光振興などについての提言を行った。
3)研修事業の実施
「観光振興とマーケティング」をはじめ,ペルー,大洋州地域,エジプト等国別に途上国の観光分野の行政官等に対する研修を実施している。

  (2) (財)国際観光開発研究センターを通じた協力

この他,(財)国際観光開発研究センターを通じて,開発途上国に対する観光開発協力の基本的な方針・観光拠点開発構想の検討を目的に,国際観光開発促進協力調査を実施しており,フィジー・トンガ・バヌアツ,ブルガリア,ブラジルにおいて実施した。
また,観光開発と環境保全のあり方との関連等に関する調査を実施するため,途上国における環境に配慮した観光開発のあり方に関する調査をモンゴル,インドネシアで実施した。
なお,同センターは平成13年度末をもって,(社)海外運輸協力協会と統合し,運輸・観光分野の総合的な開発協力を推進することとなった。

  (3) 地域観光産業の振興への参画

中東地域においては,中東・北アフリカ地域の観光振興を行う機関としての「中東・地中海旅行観光協会(MEMTTA)」の設立に向けた議論を進め,平成7年10月には同観光協会の設立憲章の署名,平成8年には本部(チュニジア)の設置が行われた。また,平成10年3月には,同協会の活動を支援すべく,本邦にて「中東観光振興セミナー」を開催した。
中南米地域においては,平成12年5月に,日本・メキシコ間の賢人会議である「新日墨21世紀委員会」が,メキシコヘの日本人観光拡大等のための提言をとりまとめた。
カリブ地域に対しては,平成9年から平成11年まで毎年カリブ諸国の政府関係者を対象とした観光振興セミナーを日本で開催した。また,平成12年には,カリブ観光機関(CTO)に対し,国連開発計画(UNDP)を通じて人材育成のための協力を実施したほか,同年11月に開催された日・カリブ閣僚レベル会議では,カリブ地域の観光振興に対する協力を推進していくことが決定された。この決定を受け,平成13年10月には我が国より観光専門家2名をバルバドス,ドミニカ,セント・クリストファー・ネイヴィーズに派遣した。
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