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平成13年度観光の状況に関する年次報告

第4章 国内観光振興の施策

第1節 ●観光地の魅力の向上

1 観光資源の開発



  (1) インタープリテーションプログラム(自然ガイドツアー)による観光地の振興

近年の自然体験志向等の観光ニーズの変化を踏まえ,自然を題材にしてインタープリター(自然ガイド)の解説を受けながら自然の不思議さや面白さを味わうインタープリテーションプログラム(自然ガイドツアー)の造成を推進するため,自然解説に必要となる自然素材ごとの解説のポイントを収録した自然素材集やインタープリターの育成手法等について検討を行った。

インタープリテーションプログラム(自然ガイドツアー)




  (2) 地域伝統芸能等を活用した観光の振興

地域伝統芸能等(地域の伝統的な芸能及び風俗慣習)は,地域固有の歴史,文化等を色濃く反映したものであり,これを活用することは地域の特色を生かした観光の振興を図るために極めて効果的である。そのため,「地域伝統芸能等を活用した行事の実施による観光及び特定地域商工業の振興に関する法律」に基づき,都道府県が策定する基本計画(14年1月現在,21府県が策定済)に沿って実施される地域伝統芸能等を活用したイベントに対して支援が行われている。
また,「第9回地域伝統芸能全国フェスティバル」が13年10月静岡県静岡市で開催されたほか,地域伝統芸能等を海外においても披露し,観光客の誘致に努めている。

  (3) 広域観光テーマルートの整備

自動車旅行者をターゲットに点在する観光資源を魅力ある観光ルートとして紹介するため,一定のテーマコンセプトをもとに広域観光案内板等を整備する「広域観光テーマルート整備事業」を実施しており,平成13年度においては2ケ所において整備が行われている。

地域伝統芸能全国フェスティバル(静岡市)




  (4) リアル・ジャパン・キャンペーン

都道府県及び観光関係団体・企業等は,平成13年3月から平成15年3月にかけて,国内観光の質的向上運動と消費者に対する全国規模のPR活動を柱とした「リアル・ジャパン・キャンペーン」を展開し,供給側からの国内観光活性化に向けた努力を行っている。
これまでに,「Real Japan」のロゴマークが付された新しい旅行・宿泊商品が造成され,消費者に提案されてきているとともに,隠れた観光資源を地域と旅行会社等で共同で発掘・商品化して消費者に新しい観光の魅力を提供することを目的に「旅行商品化支援懇談会」が各地で開催されている。

リアル・ジャパン・キャンペーン



  COLUMN  

■ フィルム・コミッション

各地においてフィルム・コミッション(FC/film commision)の設立が相次いでおり,これらFCではロケ地ガイドの作成,配布などの活動を積極的に行っている。こうした活動を通じ,映画・テレビの撮影が増加するとともに,ロケ地を訪れる観光客も増加するなど地域振興に大きく貢献している。平成12年2月23日に大阪が日本初のFCを立ち上げ,平成13年度末までに20のFCが設立されている。また,平成13年8月には全国各地に設立されたFCの活動を支援する全国フィルム・コミッション連絡協議会が発足した。
  COLUMN  

■ 世界岳都都市会議

山岳を背景に発展してきた海外13,国内6の山岳都市の代表が集合し,山岳観光をテーマに観光の振興と自然環境との共生を討論する初の試み「2001世界岳都都市会議in 松本」が開催された。
山を活かしたユニークなまちづくりの取組みとして注目される。
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