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平成13年度観光の状況に関する年次報告

第9章 観光に係る安全確保対策

第2節 ●交通安全対策の推進

2 道路交通の安全対策



  (1) 交通事故発生状況

平成13年中に発生した交通事故は94万7,169件,死者数は8,747人(前年比319人減,3.5%減),負傷者数は118万0,955人(前年比2万5,258人増,2.2%増)であった。
交通事故による死者数は,昭和56年以来,20年ぶりに9,000人を下回った(図9-2-1)。

図9-2-1 交通事故死者数の推移




  (2) 観光中の交通事故発生状況

観光中に交通事故で死亡した者は151人(全死者数の1.7%),負傷者数は1万8,098人(全負傷者数の1.5%)であった。

  (3) 交通事故の防止

1)道路交通環境の整備
交通事故が多発している道路等について,交通安全施設等の整備拡充を図っており,都道府県公安委員会においては,ITS(高度道路交通システム)施策である新交通管理システム(UTMS)の一環として,交通管制センターの高度化,信号機の高度化を推進するとともに,リアルタイムの交通情報を提供するための交通情報板,光ビーコン(交通情報収集提供装置)等の整備拡充を図った。
道路管理者においては,歩道,立体横断施設等の整備を推進するとともに,交差点改良,道路照明の設置を重点的に推進した。さらに,付加車線(ゆずりあい車線)や簡易パーキングエリアの整備,道路情報を提供するための路側通信システムや道路情報板等の整備,インターネットを活用した道路の災害情報の迅速な提供を推進した。
2)道路交通情報の提供
交通渋滞,旅行時間などの道路交通情報を車載装置を通じてドライバーに提供する道路交通情報通信システム(VICS)について平成13年度末で首都圏など37都道府県の一般道路及び全国の高速道路でサービスを行い,観光地周辺の安全で快適な道路交通環境の確立に努めた。
3)交通規制の推進
行楽期等には,行楽地に通じる幹線道路や行楽地周辺の道路に車両が過度に集中し交通渋滞が発生することから,事前広報や臨時交通規制を実施するとともに,交通量の変動に対応した信号制御を行ったほか,交通管制センター等による交通情報の提供を積極的に実施して,行楽車両の適切な配分誘導等に努めた。
4)交通の安全対策の推進
交通事故のない安全で快適な観光が行われるよう,春及び秋の全国交通安全運動等の機会をとらえ,シートベルト及びチャイルドシート着用の徹底等に関する広報啓発活動を推進するとともに,交通事故に直結する悪質・危険な交通違反の指導取締りを強化した。
特に,9月以降,薄暮時における交通事故が多発したことから,関係機関・団体との連携を図り,事故実態に即した広報啓発活動を推進した。
また,行楽期においては,行楽地等における交通の安全と円滑を確保するため,適切な交通規制や交通整理等を行うとともに,悪質・危険性,迷惑性の高い違反に重点をおいた交通指導取締り等の諸対策を積極的に推進した。
高速道路では,サービスエリア,パーキングエリア等の場所を活用し,交通事故防止キャンペーン等を推進するとともに,パトロール活動の強化を図ったほか,交通渋滞時における最後尾車両への追突事故防止のため,後尾警戒等の強化に努めた。
5)自動車の運行に係る安全確保
バス,タクシー等の運送事業者に対し,春及び秋の全国交通安全運動,年末年始の輸送等に関する安全総点検等あらゆる機会をとらえ,輸送の安全確保に必要な運行管理及び車両管理,過労運転の防止,安全運行の指導等について徹底を図り,事故防止対策を効果的に実施するよう指導している。
特に高速道路等を運行するバスについては,乗員・乗客のシートベルトの着用,道路状況に応じた安全速度の遵守,車間距離の確保等の徹底について事業者を指導した。
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