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平成15年度観光の状況に関する年次報告

第1章 観光の現状

第3節 世界における観光の動向

3 世界におけるSARSの影響


東北アジア地域を中心に猛威を振るったSARSは,SARS感染国・地域及び日本,韓国などの周辺国の居住者の海外旅行を自粛させ,欧米諸国の旅行者に対しても,SARS感染の警戒心からか,いわゆる感染国ではない国を含むアジア地域への旅行を手控えさせるなど,世界規模で国際観光旅行に大きな影響を及ぼした。
具体的には,日本では,5月に出国数が対前年同月比55.6%減と大幅に落ち込み,韓国でも34.4%減,香港で40.4%,台湾で82.5%減と著しく減少し,また中国でも,外国へのSARS感染の拡大を防止するため,4月下旬から出国規制を実施するなどの対策を講じたため,出国者数は大幅に減となったものと思われる。
その後,各国・地域及び国際機関が連携して,SARSの感染拡大防止対策を進めたため,6月の後半には,大半の国・地域でSARS流行地域指定解除がなされ,その後海外旅行に回復傾向がみられたが,日本人の海外旅行のように,影響が長く継続しているケースも見られる。
このように,SARSにより国際観光交流は大幅に減少し,旅行会社,航空会社等は経済的に大きなダメージを受けた。これに関連するわが国の支援策は第6章に記述する。
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