平成15年度観光の状況に関する年次報告
第3章 訪日促進を中心とする国際観光交流促進施策
第6節 世界の国々との観光交流強化の取組み
2 国際機関等への協力を通じた国際観光促進
アセアン諸国及び日本,中国,韓国間の観光交流の促進を図るための共通の課題,提案等について各国観光担当大臣が討議する場として,平成14年から毎年1回定期的に開催されている。
15年8月には,アジア太平洋地域の観光産業のSARSの影響から回復させるための方策を議論するため,中国(北京)において,特別会合が開催され,アセアン・日中韓の観光活性化に関する北京宣言等が採択され,国際観光旅行の早期回復に向けて協力していくこととなった。
また,第3回ASEAN+3観光大臣会合は,平成16年2月3日,ラオス・ビエンチャンにおいて開催された。ここでの会合においては,SARSやテロリズムに対して,成果の多い協力ができたこと,共同プロモーション及びマーケティング,人材育成等について協力関係を強化するとともに,引き続き,日本アセアンセンターを通じて協力活動を進めていくことに合意した。
平成15年12月には,東京において,アセアンの首脳が一堂に会し,日本・ASEAN首脳会議が開催され,東京宣言とともに具体的な日・ASEANの協力措置を盛り込んだ「日本・ASEAN」行動計画が発出された。この中で観光分野についても取り上げられ,今後協力を図っていくこととなった。
日本・ASEAN行動計画(抜粋)
・観光業の発展を促進するために,共同の振興活動をはじめとした活動を通じて,協同して作業する。
・日本人旅行者への対応に従事する旅行業者その他のサービス提供者を養成するために,ASEAN加盟各国において,日本アセアンセンターの運営によるセミナーやワークショップを開催する。
(2) 東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センターに対する協力 |
東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センター(日本アセアンセンター)は,日本・ASEAN諸国間の貿易,投資及び観光の促進を目的として設立された国際機関であり,我が国及びASEANの9ヶ国が加盟し,資金拠出等を行っている。
観光分野について同センターは,我が国からASEAN諸国への観光促進を目的に,「アセアン観光フェスティバル」の開催,「アセアン・ツーリズム・フォーラム」(ATF)へのミッション派遣,ASEAN諸国における日本観光セミナー,旅行業界向けのプロモーション,メディアを通じた観光プロモーション等の各種事業を実施している。
平成15年度は,「日本アセアン交流年2003」に伴い,各種事業を通じて国民に対し,アセアンの観光PRを行った。
南太平洋経済交流支援センター(通称:太平洋諸島センター)は,我が国と太平洋地域の国際機関である太平洋諸島フォーラム(略称PIF。太平洋地域の16の島嶼国・地域で構成する地域協力機構)が設立し,資金拠出を行っている国際機関である。同センターは,我が国と島嶼国との貿易・投資・観光の促進を目的としており,見本市への参加,島嶼国産品展示会・セミナーの開催,出版物の発行等を実施している。
(4) (財)アジア太平洋観光交流センター(APTEC)による協力 |
(財)アジア太平洋観光交流センターは世界観光機関(WTO)唯一の地域事務所であるアジア太平洋事務所の活動を支援すると共に,アジア太平洋地域諸国との国際観光交流の促進を図るための事業を行っている。
平成15年度は,世界観光機関(WTO)石川会議の開催に大きな貢献をしたほか,観光に関する学術研究の支援等に取り組んでいる。
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