前(節)へ   次(節)へ
平成15年度観光の状況に関する年次報告

第5章 観光交流空間の形成

第1節 観光地の魅力の向上

3 自然を活用した交流の機会づくり


自然とのふれあいを求めたり,自然から学ぶ観光ニーズに応えるため,各地において自然を活用した交流の機会作りに取組んでいる。そこで,これに関して講じた施策について記述する。
施策概要
■森林環境教育活動の場
子どもたちの体験活動の場となる森林や指導者の募集・登録と関連情報の一体的提供,学校林の整備・活用や都市部の子どもたちを対象とした山村滞在型の森林・林業体験交流活動等を推進した。
■里山林等における多様な利用活動の推進
「里山利用林」の設定と「森林の育て親」の募集や,都市が山村で行う「ふるさと共生の森」の設定等,森林と人との共生林の整備に向けた条件整備等のほか,里山林等を活用した健康づくりを行う「健康と癒しの森」推進モデル事業を実施した。
■ホーストレッキング用馬の道
トレッキング・ルートを書き込んだ地図を作製するとともに,ホーストレッキングの動向調査を継続して行い,ホーストレッキング用の馬の道の整備と活用の推進を図った。

北海道でのホーストレッキングの様子



■青少年長期自然体験活動推進事業
地方公共団体が青少年を対象として,野外活動施設や農家などで,2週間程度の長期間,異年齢集団による共同生活を通じた野外活動等の自然体験活動に取り組む事業に助成した。
■森の子クラブ活動推進プロジェクト  
子どもたちの入門的な森林体験活動を促進する「森の子くらぶ活動推進プロジェクト」を実施するとともに,その受入れ体制の整備を推進した。
■自然学習環境整備
国立・国定公園内のすばらしい自然の中において自然体験を通じて自然とふれあい,自然から学ぶ機会が得られるよう自然学習の基盤の整備を行う。平成15年度は,玄海国定公園満越ふれあい自然塾(佐賀県)の整備を引き続き行った。
■ふるさと自然ネットワーク
自然と向き合いながら充実した時間を過ごしたいとの国民のニーズに応えるため,トンボやホタルなどの小動物が生息する身近な自然環境を保全活用し,生き物とふれあい,自然の中で憩うことのできる場となる施設の整備を行った。
■子どもパークレンジャー 
全国の国立公園等において,自然保護官等の指導・協力の下,小中学生を「子どもパークレンジャー」に任命し,国立公園等のパトロールやマナーの普及,自然環境の維持・復元活動等を行うことにより自然や環境の大切さを学ぶ機会を提供した。

子供パークレンジャー



■リバーツーリズム
近年,カヌーやラフティングをはじめとした水面利用や川での自然体験活動が活発化,多様化していることを踏まえ,全国の川で活動する市民団体等で構成される「川に学ぶ体験活動協議会(RAC)」と連携し,川で安全に活動するための指導者,リバーガイドの育成を推進した。
■「子どもの水辺」再発見プロジェクト
地域の身近な水辺における環境学習・自然体験活動を推進するため,市民団体や教育関係者,河川管理者等が一体となって取り組む体制の整備を進めるとともに,「子どもの水辺サポートセンター」を活用し,水辺での活動に必要な機材の貸出しや学習プログラムの紹介などを総合的に支援した。また,自然体験活動を安全かつ充実したものとするために必要な場合において,水辺に近づきやすくする河岸の整備等を推進しており,これまでに232箇所が登録された(平成15年度は12箇所が登録)。
■海辺の自然学校,海辺の達人養成講座(新規項目)
海や港の自然環境を活かし,国の港湾事務所が自治体や教育委員会,NPOなど地域の主体と連携を図りながら,児童や親子を対象に,干潟の生き物観察,スノーケリングによる海中観察などの「海辺の自然学校」を開校した。また,海辺の自然学校における指導者を全国的に育成するため,18歳以上の男女を対象とする「海辺の達人養成講座」を,自治体や教育機関,NPOなどと連携しながら全国3箇所で開講した。

干潟観察会(千葉港)




終了証を受ける受講生(三浦半島)



■子どもたちの海・水産業とのふれあい推進プロジェクト
豊かな自然環境,伝統文化等の地域資源に恵まれた漁村において,子どもたちの体験学習活動等を促進するため,漁港管理者や教育委員会関係部局等から構成される協議会において体験学習活動に適した「子どもたちの海」を調査・選定するとともに学校関係者等に所在地等の情報を提供する「子どもたちの海・水産業とのふれあい推進プロジェクト」を推進した。
前(節)へ   次(節)へ
All Rights Reserved, Copyright (C) 2003, Ministry of Land, Infrastructure and Transport