前(節)へ   次(節)へ
平成15年度観光の状況に関する年次報告

第5章 観光交流空間の形成

第6節 文化施設等の整備


博物館や美術館といった文化施設等は,国の歴史・文化を物語る文化財や美術品といった観光資源を集めた観光施設であり,その整備や充実が行われている。そこで,これについて講じた施策について記述する。
施策概要
■国立博物館における活動等
東京国立博物館は,日本を中心として広く東洋諸地域にわたる文化財を,京都国立博物館は京都文化を中心とした文化財を,奈良国立博物館は仏教美術を中心とした文化財を収集・保管・陳列及び調査研究などを行っている(入館数は表5-6-1)。
さらに,新しい国立文化施設の整備として,九州国立博物館(仮称)(福岡県太宰府市)の設置に向けた準備を進めている。
なお,外国人の来館者に対する取組として,多言語による館紹介パンフレットの作成,展示作品のキャプションの英語併記及び国立博物館所蔵の国宝をホームページにて5ヶ国語・画像付きでの紹介・解説を行っている。また,平成15年度から,「留学生の日」を新設した(留学生は平常展の入館料無料)。
■国立美術館における活動等
東京国立近代美術館・京都国立近代美術館では近代美術に関する作品等を,国立西洋美術館(東京)ではフランス政府から寄贈返還された松方コレクション及びその他の西洋美術に関する作品を,国立国際美術館(大阪)では,1945年以降の日本及び欧米の現代美術に関する作品等を収集・保管・陳列及び調査研究などを行っている(入館者数は表5-6-1)。
さらに,美術への関心の高度化,美術活動の活性化に対応するため,国立新美術館(東京都港区六本木)の設置に向けた準備を進めている。
なお,外国人の来館者に対する取組として,多言語による館紹介パンフレットの作成や,展示作品のキャプションの英語併記を行っている。

表5-6-1 国立博物館及び国立美術館の概況



■国立科学博物館における活動
我が国唯一の国立の総合科学博物館として,自然科学分野の資料の収集・保管・展示を行うとともに,調査研究や教育普及活動を実施し,その成果を本館,筑波実験植物園,附属自然教育園において一般に公開している。15年度の総入館者は約108万人。
■公立博物館における活動
博物館の情報化やバリアフリー化に対する補助制度,学習機能高度化のための事業委託,学芸員等の人材育成を図るための研修などの博物館振興施策を活用しつつ,各博物館では地域の特色やその設置目的に沿った資料の収集・保管・展示を行うとともに,調査研究や教育普及活動を実施している。
■国立劇場等における活動
日本芸術文化振興会は,芸術文化の振興と普及を図る活動に対する援助を行うための芸術文化振興基金の運営,伝統芸能の保存と振興を図るための国立劇場の運営及び現代舞台芸術の振興と普及を図るための新国立劇場の運営を行っている。国立劇場においては,歌舞伎,能楽,文楽,雅楽,邦楽,邦舞,民俗芸能,大衆芸能等の主催公演を行った。また,我が国現代舞台芸術振興の拠点となる新国立劇場においては,オペラ,バレエ,現代舞踊,現代演劇の主催公演を行った。
また,沖縄振興策の一つとして,国の重要無形文化財「組踊」をはじめとする沖縄伝統芸能の保存振興と伝統文化を通じたアジア・太平洋地域の交流の拠点となる「国立劇場おきなわ」が平成16年1月に開場した。
また外国人向けに,国立劇場では歌舞伎・文楽公演時にイヤホンガイド英語版を提供しプログラムに英文を掲載するなどの対応をしている。新国立劇場においても鑑賞の一助として公演プログラムに公演内容等を英文で紹介するほか,英文による公演カレンダーの作成などの対応をしている。加えて英語表記のホームページを発信している。
前(節)へ   次(節)へ
All Rights Reserved, Copyright (C) 2003, Ministry of Land, Infrastructure and Transport