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平成15年度観光の状況に関する年次報告

第6章 観光産業の振興

第1節 旅行業

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  (1) 旅行業の状況

旅行業者等は,業務の範囲により,第一種旅行業者(海外含むパック旅行及び乗車船券等の販売等),第二種旅行業者(国内のみのパック旅行及び乗車船券等の販売等),第三種旅行業者(乗車船券等の販売等),旅行業者代理業者(特定の旅行業者を代理した旅行商品の販売)に区分される。旅行業者数は,表6-1-1のとおりである。第1種旅行業の取扱実績は表6-1-2のとおりである。
また,平成15年の主要旅行業者50社の取扱状況を見ると,海外旅行は4月~6月に対前年同月比で半減するなど,調査開始以来,最大の落ち込み幅となったが,その後徐々に回復してはいるものの,年計で前年比22.1%減となった。更に,国内旅行,外人旅行を含めた年総計では,前年比0.3%減の5兆975億円となった(表6-1-3)

表6-1-1 旅行業者等数の推移




表6-1-2 第1種旅行業の取扱実績




表6-1-3 主要旅行業者50社の総取扱高(平成15年)




  (2) 航空会社・鉄道会社の直販,情報提供・予約事業への異業種参入

インターネット時代を迎え,旅行業界においてはインターネットを利用した旅行販売等が増えてきている一方で,従来は旅行会社を通じて販売していた航空券を,航空会社が直接消費者に販売する動きが拡大しており,また,国内での宿泊施設では,専門の宿泊サイトを通じて宿泊予約をする旅行者が増えている。

  (3) ITを活用した電子商取引市場の拡大と消費者保護

旅行取引は電子商取引の中でも最も成長が期待されている分野の一つで,旅行に関わる電子商取引市場の規模は,平成14年は2,650億円,19年には1兆8,000億円に達するという民間団体の予想も行われている(平成14年度電子商取引推進協議会調査)。
拡大するインターネット取引の適正化を図るため,旅行業協会において「インターネットを利用した旅行取引に関するガイドライン」を策定し,旅行業者が遵守すべき基本方針を定めており,このガイドラインを遵守しているホームページに対し,旅行業協会が適正マーク(e-TBTマーク)を交付している(平成15年12月現在86社に対して交付。)。

  (4) SARSの影響を受けた旅行関連事業者,航空事業者への支援措置について

香港,中国,台湾等におけるSARSの集団発生に伴い,海外旅行需要の大幅な減少を招いている。特に,中国,香港,台湾等は日本人の海外旅行の主要な渡航先であり,旅行需要の大幅な減少を招く結果となっている。こうした状況を踏まえ,国では,旅行会社に対する支援策について,関係府省と協議を進め,旅行関連事業者の中小企業者の運転資金の確保のための支援措置(保証枠を二倍に拡大)が講じられた。また休業手当等の一部を助成する「雇用調整助成金」の要件緩和についての特例措置が旅行関連業者及び航空事業者に対し講じられた。
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