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平成16年度 観光の状況に関する年次報告

第1章 「外国人旅行者倍増」に向け飛躍の年

第1節 これまでの外国人旅行者倍増への取組

1 日本の国際観光の状況


我が国の国際観光政策については、日本製品の輸出拡大による貿易の不均衡問題の解消や、諸外国との観光交流の拡大を目指す観点から、日本人観光客の海外旅行を促進する「海外旅行倍増計画(テンミリオン計画)」等の政策が昭和60年代より展開されてきた。
円高の進行や、交通手段の発達、海外旅行の大衆化を通じて、日本人海外旅行者(アウトバウンド)数は順調に拡大し、昭和61年に500万人を突破し、平成2年に1,100万人、平成7年には1,530万人となった。
一方、当時の訪日外国人旅行者(インバウンド)数は、円高の影響等から伸び悩み、昭和60年に232万人、平成2年に323万人、平成7年には335万人となっており、その結果、アウトバウンド数とインバウンド数の格差は大幅に拡大した。こうした状況の中、政府の観光政策審議会は、平成7年、「今後の観光政策の基本的方向について」を答申し、これを受けて平成8年に「ウェルカムプラン21」が提言されるなど、以来外客誘致政策が推進されることとなった。
その後、インバウンド数は徐々に増加してきており、官民一体となった外客誘致キャンペーンである「ビジット・ジャパン・キャンペーン」が開始された平成15年以降は、SARS(重症急性呼吸器症候群)禍により平成15年前期に減少したものの、平成16年のインバウンド数は初の600万人台である614万人となった(図1-1-1)
平成16年に、日本を訪れた外国人旅行者の州別、国・地域別の割合について見ると、韓国、台湾、中国、香港等のアジア諸国・地域からの旅行者が中心となっており、アジア地域からの旅行者だけで7割近くを占めている(図1-1-2)
一方、アウトバウンド数は平成13年以降、景気の低迷やイラク戦争、SARS禍により、一時期、落ち込みも見られたが、平成16年は1,683万人となるなど、依然として高い水準で推移している。

図1-1-1 訪日外国人旅行者数及び日本人海外旅行者数の推移




図1-1-2 州別、国・地域別訪日外国人旅行者の割合(平成16年)



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