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平成16年度 観光の状況に関する年次報告

第1章 「外国人旅行者倍増」に向け飛躍の年

第3節 今後の課題

2 観光関連人材の育成強化


訪日外国人受入体制の整備においては、官民双方において適正かつ効果的な外国人誘致促進施策の企画・立案を行うことが要求されるが、そのためには、高度かつ幅広い知識を有する人材の確保が重要であり、今後、観光立国に向けた取組を強力に進めていく上でも、観光専門家の需要はますます高まっていくものと考えられる。
実際、平成15年4月、小泉内閣総理大臣主宰による「観光立国懇談会」において取りまとめられた報告書においては、「専門の観光リーダーを育成するため、教育改革が進行する機を捉え、高等教育機関において観光関連の学部を新設すること、産官学の協力・連携体制を観光についても強化することも検討すべきである。」との指摘がなされ、また、平成16年11月の観光立国推進戦略会議報告書においても「大学等は、地域のニーズを踏まえ、観光関連学部・学科等の設置を検討する」との提言がなされたところである。
これらの背景を踏まえ、高等教育機関における観光関連学部の設置を含め人材養成のあり方を検討するため、平成16年度に「高等教育機関における観光教育システムのあり方に関する調査」を実施した。この調査では、現在、観光学部・観光関連学科を設置している19大学20学科及び観光関連産業界、主要自治体等に対するアンケート調査により、観光関連大学の現状と問題点、産官学の連携の状況、観光関連企業のニーズ等の把握を行った。その上で課題を整理・分析し、今後の課題解決の方向を示した提言においては、インターンシップの充実や特定の実務に重点を置いたカリキュラムの構築、産官学が一体となった研究支援体制の整備、業界ニーズに関するデータ整備等について、産官学が連携した体制で課題解決を図っていくことが盛り込まれた。
また、観光立国の実現のためには、地域の観光振興の核となる人材を育成し、各地域がもつそれぞれの魅力を自ら掘りおこすとともに、互いに競い合いながらその魅力の向上に努めることにより地域の観光振興を推進する必要がある。このため、平成16年度に新たに観光カリスマを講師として迎え、地域の観光振興を担う人材の育成を目指す「観光カリスマ塾」を各地で開催した。平成17年度においても引き続き観光カリスマが現地において成功のノウハウを伝授するこの取組を実施し、各地域における観光地づくりの核となる意欲ある人材の育成に努めることとしている。
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