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平成16年度 観光の状況に関する年次報告

第1章 「外国人旅行者倍増」に向け飛躍の年

第3節 今後の課題

3 文化観光の充実


外国人旅行者のリピーターの獲得のためには、日本を訪問した外国人に日本についてより一層深く知りたい、もう一度日本を訪れたい、という気持ちを抱かせることも重要である。外国人旅行者の中には、日本の文化に関心を持って訪れる者も多く、また、自分たちの文化と異なる面を発見して興味を覚える者も多い。現在、ビジット・ジャパン・キャンペーンの実施や、外国人の受入体制の整備、国際競争力のある観光地づくりを行う等外国人旅行者の訪日促進のため各種の取組を積極的に推進しているところであるが、日本での旅行内容についてもより深化させていく必要がある。
日本での旅行形態としては、単に、各地の名所・名勝を見たり、名産品を食すようなものだけでなく、日本の歴史・伝統・文化を実感できるような場所への訪問や、日本の風俗、国民性が実感できるような人々との触れ合いも、旅の重要な要素である。日本の歴史・伝統・文化に関し、外国人にも理解できるような興味深い話や経験を提供できるような人材を育てるとともに、日本の歴史・伝統・文化に根ざした観光地づくりを行っていくことが求められている。日本では美しい自然や変化に富んだ季節の移ろい、ポップカルチャーや都市型エンターテイメント等の魅力が強調されているきらいがあるが、これらにとどまらず、伝統文化の方に国際的にみても競争力のある魅力が存在する場合も少なくない。また、日本の歴史・伝統・文化に根ざした観光により異文化間の交流が進むことは、文化間の軋轢を緩和し、国際相互理解の進展にも貢献する。
今後の観光立国の推進においては、観光の質的深化についても追及し、より日本の文化的側面も世界にアピールできるよう配慮して各施策を進めていくことが必要である。
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