平成20年度観光の状況
第II部 平成20年度の観光の状況及び施策
第1章 観光の現状
第5節 世界における観光の動向
世界観光機関(UNWTO)の推計によると、2007年において各国が受け入れた外国人旅行者の総数は9億329万人(前年比6.6%増)、各国の国際観光収入の総計は8,560億米ドル(前年比15.4%増)といずれも前年に引き続き大幅増となり、過去最高を記録した。
特に、アジア・太平洋地域は、ヨーロッパ地域に比べシェア自体は小さいものの、受け入れた外国人旅行者数の伸び(前年比10.4%増)は、世界全体の平均(前年比6.6%増)及びヨーロッパ地域(前年比4.8%増)を大きく上回るものであり、ここ数年、国際観光旅行の目的地としての地位を大いに高めてきている。我が国にとっては、近隣諸国を訪れる外国人旅行者の来訪を促進することによって、観光立国の実現を図る好機となっている(図II-1-5-1)。
図II-1-5-1 地域別外国人旅行者受入れ数及び国際旅行収入の推移
平成19年の我が国の国際旅行収支(旅客輸送を含まない)を国際比較すると、国際旅行収入は世界26位(9,334百万米ドル)である一方、国際旅行支出は世界7位(26,500百万米ドル)となっている。国際旅行収支は未だ大きく赤字(△17,166百万米ドル)となっており、著しく不均衡なものとなっている(図II-1-5-2~図II-1-5-4)。
図II-1-5-2 国際旅行収入ランキング(平成19年)
図II-1-5-3 国際旅行支出ランキング(平成19年)
図II-1-5-4 各国の国際旅行収支(平成19年)
我が国の旅行・観光産業の旅行消費額における外国人旅行者消費比率は、平成19年度(2007年度)は6.3%であり、前年よりも増加した。しかし、諸外国に比べると未だ著しく低水準にあり、例えばアメリカでは12.4%、イギリスで18.1%、カナダで23.3%、オーストリアで52.5%、スイスに至っては57.5%の水準にある(図II-1-5-5)。
図II-1-5-5 主要国における旅行消費額の国民・外国人比率
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