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平成20年度観光の状況

第II部 平成20年度の観光の状況及び施策

第5章 観光旅行の促進のための環境の整備

第1節 観光旅行の容易化及び円滑化



  1 休暇の現状

平成20年における常用労働者1人平均総実労働時間(事業所規模30人以上)は1,836時間(うち所定内労働時間は1,681時間)となった。
平成20年の週休2日制の普及状況を見ると、「何らかの週休2日制」の適用を受ける労働者数割合は、90.6%、うち完全週休2日制の適用を受ける労働者数割合は56.1%となっている。
平成19年の1年間における労働者1人平均の年次有給休暇の付与日数(繰越日数は除く)等について見ると、付与日数は17.8日、そのうち労働者の取得した日数は8.5日で、取得率は47.7%となっている。

  2 休暇の取得の促進

休暇の取得を促進することにより、国内旅行の需要の喚起並びに平準化を図るため、「休暇取得促進に関する有識者委員会」を開催し、休暇取得のメリット等を検討するとともに、休暇取得に関する民間企業の取組をまとめた事例集の作成や、乳幼児連れ旅行等旅行需要の創出・平準化に資する実証事業を行い、平成21年3月に開催したシンポジウム等を通じた普及啓発活動を進めた。

  3 観光旅行の需要の特定の時季への集中の緩和

三学期制以外の学期制を採用している公立学校は、平成19年度では小学校で20.2%、中学校で21.9%であり、地域の独自性を生かした休日の設定、秋休みや二学期制、地域行事に連動した学校休業等、小・中学校の休業の多様化と柔軟化が進んでいる。
また、(社)日本ツーリズム産業団体連合会では、特定の時季に集中しがちな休暇の分散を促進するため、平成20年度より「1ウィークバカンスキャンペーン」を実施した。

1ウィークバカンスキャンペーンのロゴマーク



  4 観光に係る消費者の利益の擁護


  (1) 旅行業務に関する取引の公正の維持等

航空会社による燃油サーチャージの賦課が恒常化している状況を踏まえ、平成20年度には旅行における取扱いについても、広告や契約書面に燃油サーチャージを含めた旅行代金を表示する等旅行者にわかりやすい表示を行うよう、旅行業者に周知徹底した。
また、旅行者保護を図る観点から、貸切バスの安全確保や関係法令の遵守等について指導の徹底を図った。さらに、付加価値の高い旅行商品の造成を促し、観光振興の更なる発展を図ることを目的に、添乗員の業務実態等旅行関連事業に関する実態調査を実施した。

  (2) 表示の適正化

旅行業における公正な競争を確保し、一般消費者の適正な商品選択に資するため、「旅行業公正取引協議会」に対し、「募集型企画旅行の表示に関する公正競争規約」及び「旅行業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約」が適正に運用されるよう指導を行った。なお、同協議会において旅行に関する新聞広告やパンフレットを収集し、表示内容を検討する「表示適正化検討会」を近畿地区で開催した。
また、観光土産品における公正な競争を確保し、一般消費者の利益を確保するため、「全国観光土産品公正取引協議会」に対し、「観光土産品の表示に関する公正競争規約」が適正に運用されるよう指導を行った。なお、同協議会の各地方協議会において観光土産品の審査会を実施し、適正な表示が行われていると認めた観光土産品について、同協議会が認定証書を交付するとともに、観光土産品を収集し、表示の検査を引き続き実施することとしている。

  5 観光の意義に対する国民の理解の増進


  (1) 国民全体の理解の増進

1)観光週間
「観光週間」は、観光に関する正しい概念の普及と観光資源の保全等について広く国民に広報するため、閣議了解(昭和40年5月)により設けられたもので、毎年8月1日から7日までの1週間実施している。
平成20年度の「観光週間」では、「観光─新鮮体験で気分もCHANGE!」を統一標語に、関係省庁と都道府県が主体となり、関係団体の協力を得て、積極的な広報活動等を行い、国民に対し旅行への参加の促進を行うとともに、落書きやゴミの放置をしないよう働きかけた。
2)第14回日本観光博覧祭 旅フェア2008
平成20年6月19日から22日の4日間にわたってパシフィコ横浜(神奈川県)において旅フェア実行委員会が開催した「第14回日本観光博覧祭 旅フェア2008」には、地域や民間企業等の158団体のブース出展があり、約10万人を超える来場者が訪れた。
3)世界旅行博2008
平成20年9月19日~21日の3日間にわたって東京ビッグサイトにおいてJATA国際観光会議・世界旅行博実行委員会が開催した「JATA世界旅行博2008」には、世界136の国や地域からの980ブースの出展があり、約10万人を超える来場者が訪れた。

  (2) 社会教育の促進に資する資料の作成と活用

地域の自然環境、歴史、文化等地域の特色について理解を深める学習活動や、その学習成果を生かした地域の伝統文化の保存・継承や自然環境保護に関する取組、ボランティアガイド等、特色ある社会教育事業を調査し、観光立国の推進に資する学習活動等の企画・運営の参考となる社会教育事例集を作成した。

  (3) 観光関係の功労者の表彰

農林漁家民宿経営に成功し、地域の活性化にも影響力を発揮している女性を選定する「農林漁家民宿おかあさん100選」を実施した。
平成19年度に選定した20人に加え、新たに28人の「おかあさん」を選定し、「おかあさん」のノウハウを他の地域に広げていくために、「農林漁家民宿おかあさんサミット」を東京都で、また、「地方ミーティング」を北海道と石川県で開催した。
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