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第I部 観光政策の新たな展開

第2章 観光立国の実現に向けた国際的な旅行動向の把握と分析

2 日本、フランス、韓国における観光旅行の動向

(3) 観光旅行に対する意識


1) 旅行の位置付け
 生活における旅行の位置付けについて見ると、日本、フランスについては、「余裕があるときに趣味として行うもの」とする回答が最も多く、「生活をしていくに当たって、なくてはならないもの」とする回答が続いているが、韓国では、「生活をしていくに当たって、なくてはならないもの」とする回答が最も多く、生活の中における旅行への強い意識が示唆される。また、韓国については「人生の記念になるときに行うもの」とする回答(30.8%)が多い一方で、「帰省あるいは帰省を兼ねて行うもの」とする回答(1.9%)は非常に少なくなっている(図I-2-1-17)。

図I-2-1-17 生活における旅行の位置付け


2) 旅行への期待
 旅行に期待することとしては、各国とも「リフレッシュ・癒し」とする回答が最も多い。また、日本、韓国については「旅行自体の楽しみ・美味しい食事」に期待するという回答(約5割)が続いているが、フランスでは同様の回答は少ない(15.1%)。一方で、フランスについては「人としての見聞を広めること」に期待するという回答(37.0%)が多く、日本、韓国の約2倍の水準となっており、旅行に期待することについては、日本・韓国とフランスの間で異なる考え方を有していることが示唆される(図I-2-1-18)。

図I-2-1-18 旅行に期待すること


3) 旅行を増やすために必要な仕組み
 宿泊旅行を増やすために必要と考えられる仕組みについて見ると、日本では、「連続休暇を取りやすくする制度」(34.0%)が最も多く、「家族旅行の費用支援」(29.2%)、「休暇を取得しやすくする仕組み」(26.2%)と続いており、休暇取得に関する仕組みや家族旅行に対する支援を必要とする回答が多くなっている。
 フランスは「現状の制度、仕組みで満足」(29.9%)とする回答が最も多く、日本(12.8%)、韓国(4.7%)の回答と大きく異なっている。年次有給休暇法(バカンス法)やバカンス小切手など、フランスの旅行支援制度については、国民から一定の評価を受けている状況が示唆される。
 また、韓国では、「家族旅行の費用支援」(51.2%)とする回答が特に多い。(4)で見るように、韓国については家族旅行を重視する傾向が示されており、家族旅行を支援する制度に対する意識が強くなっているものと考えられる(図I-2-1-19)。

図I-2-1-19 旅行を増やすために必要な仕組み


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