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第I部 観光政策の新たな展開
第2章 観光立国の実現に向けた国際的な旅行動向の把握と分析
2 日本、フランス、韓国における観光旅行の動向
(4) 家族旅行
家族旅行は、観光旅行市場において大きなシェア
※1
を占める。平成21年版観光白書の分析においても、子どもにとって有意義な家族旅行を経験することが、親になってからの家族旅行の回数が増加する傾向があるという結果(第I部第2章第1節 19~20ページ)が出ており、家族旅行を通じた子どもの旅行経験は、将来的な観光旅行の動向に大きな影響を与えると考えられる。
1) 家族旅行の回数
平成21年の家族旅行
※2
の年間実施回数を見ると、日本は1.10回であり、フランス(2.07回)、韓国(1.89回)に比べ低い水準となっている。宿泊旅行全体で比較すると、日本の旅行回数(1.78回)はフランス(2.51回)の約7割の水準であるが、家族旅行の回数は半分程度の水準しかなく、フランスに比べ家族旅行の回数が特に少ない状況にあることが分かる。
子どもの年齢別に家族旅行の回数を見ると、日本では、中学生(1.04回)、高校生(0.74回)の子どもとの家族旅行の回数が特に少なく、フランス・韓国の約半分の水準となっている。フランスでは、子どもの年齢にかかわらず家族旅行の回数が多く、特に、高校卒業以上の子どもとの家族旅行の回数(2.23回)が日本・韓国よりも多くなっており、家族旅行の習慣が国民生活に根付いている状況が推察される(
図I-2-1-20
)。
図I-2-1-20 子どもの年齢別家族旅行の回数
2) 家族旅行に対する意識
家族旅行に対する意識について見ると、各国とも「家族の絆を深めるためになくてはならないもの」とする回答が最も多いが、特に韓国(78.0%)の回答が、日本(54.0%)、フランス(53.5%)に比べて大きくなっている。その他の項目においても韓国の回答割合は高く、家族旅行の意義を強く意識していることが示唆される(
図I-2-1-21
)。
図I-2-1-21 家族旅行の位置付け
※1
(財)日本交通公社「旅行者動向2009」によると、国内観光旅行に占める家族旅行の割合は、51.4%と最大のシェアを占めている。
※2
家族で行く宿泊旅行を対象としており、親のみ、子どものみでの旅行は含まない。
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