以上見てきたように、震災直後に大きく落ち込んだ訪日外国人旅行者数や日本人国内旅行宿泊者数は、西日本が先行しつつ、全国的には回復してきていることが確認できる。この回復基調は、世界旅行ツーリズム協議会(World Travel and Tourism Council(以下、「WTTC」))が想定した我が国の観光分野の復興シナリオの予想を上回っている。しかし、同時に、東北地方については、一部に復旧・復興需要は認められるものの、観光需要については十分回復していないことが分かる。このため、引き続き、全国的に観光需要を喚起するための取組を講じていく必要がある。特に東北地方については、国内外から多くの観光客が訪れるための取組を進め、復興を支えていく必要がある。