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第II部 平成23年度の観光の状況及び施策

第1章 観光の現状

第2節 外国人の訪日旅行の動向

1 外国人宿泊旅行の動向



  (1) 宿泊の概況

 平成23年の外国人延べ宿泊者数は全体で1,756万人泊(前年比36.2%減)であった。前年同期比を見ると、3月以降は全ての月で大きく前年を下回った(図II-1-2-1)。

図II-1-2-1 月別外国人延べ宿泊者数(平成23年)


 国・地域別外国人延べ宿泊者数は、1位は中国263万人泊(外国人延べ宿泊者数全体に占める割合16.7%)、2位は韓国243万人泊(同15.4%)、3位は台湾233万人泊(同14.7%)、4位はアメリカ184万人泊(同11.7%)、5位は香港126万人泊(同8.0%)となり、これら5の国・地域で全体の66.5%を占めた(図II-1-2-2)。

図II-1-2-2 国・地域別外国人延べ宿泊者数(平成23年)


 都道府県別外国人延べ宿泊者数は、1位の東京都が569万人泊(外国人延べ宿泊者数全体に占める割合32.4%)、2位の大阪府が223万人泊(同12.7%)、3位の北海道が150万人泊(同8.6%)、4位の千葉県が139万人泊(同7.9%)となり、上位4都道府県が全体の約6割を占めた(図II-1-2-3)。

図II-1-2-3 都道府県別外国人延べ宿泊者数(平成23年)


 都道府県別外国人延べ宿泊者数を国・地域別に構成比で見ると、九州には韓国から、北海道、北陸には台湾からの旅行者が多数宿泊していることがうかがえる(図II-1-2-4)。

図II-1-2-4 都道府県別、国・地域別外国人延べ宿泊者数構成比(平成23年)


 都道府県別延べ宿泊者数の構成比を見ると、外国人延べ宿泊者数の構成比の割合が高いのは、1位が東京都の13%、2位が大阪府の10%であった。また、県外からの日本人宿泊者数の構成比の割合が高いのは、山梨県、徳島県、香川県でそれぞれ85%であった(図II-1-2-5)。

図II-1-2-5 県内・県外・外国人延べ宿泊者数構成比(平成23年)


 国・地域別、都道府県別に外国人延べ宿泊者数構成比を見ると、それぞれの国からの訪日客は東京都に最も多く宿泊していた(図II-1-2-6)。

図II-1-2-6 国・地域別、都道府県別外国人延べ宿泊者数構成比(上位5都道府県)(平成23年)



  (2) 旅行者数の動向

 平成23年の訪日外国人旅行者数は、622万人(前年比27.8%減)となり、前年を大きく下回った(図II-1-2-7)。月別に見ると、3月以降は全ての月で前年を下回った(図II-1-2-8)。

図II-1-2-7 訪日外国人の旅行者数の推移



図II-1-2-8 訪日外国人旅行者数の月別推移(平成23年)


 訪日外国人旅行者数を州別に見ると、アジアが472万人で全体の76.0%を占め、次いで北アメリカが69万人(11.0%)、ヨーロッパが57万人(9.2%)、オセアニアが19万人(3.0%)の順となった。国・地域別に見ると、韓国が166万人(前年比32.0%減)で首位となった。以下、中国104万人(同26.2%減)、台湾99万人(同21.6%減)、アメリカ57万人(同22.2%減)、香港36万人(同28.3%減)の順となり、全ての国・地域で前年比減となった(図II-1-2-9図II-1-2-10)。

図II-1-2-9 州別・国・地域別訪日外国人旅行者の割合(平成23年)



図II-1-2-10 国・地域別訪日外国人旅行者数の推移


 外国人旅行者受入数の国際ランキングを国際比較できる平成22年でみると、日本の861万人は世界で30位、アジアの中で8位であり、アジアでは中国、マレーシア、香港、タイ、マカオ、シンガポール、韓国を下回った(図II-1-2-11)。

図II-1-2-11 諸外国の外国人旅行者受入数の国際ランキング(平成22年)



  (3) 目的

 平成23年の訪日外国人旅行者の目的比率は、観光・レジャー目的が50.0%、業務目的が30.6%となった(図II-1-2-12)。また、国・地域別で見ると、特に台湾や香港で「観光・レジャー」の割合が高く、マレーシア、インド、ドイツで「業務」の割合が高くなった(図II-1-2-13)。

図II-1-2-12 目的別訪日外国人旅行者数(平成23年)



図II-1-2-13 国・地域別訪日目的比率(平成23年)



  (4) 滞在期間

 訪日外国人旅行者の滞在期間は、平成23年は前年に比べて5日以内の比率が増え、71.7%となった。
 一方、10日以内、15日以内の比率については、それぞれ前年に比べて減少し、16.2%、5.1%となった(図II-1-2-14)。

図II-1-2-14 訪日外国人旅行者の滞在期間比率推移



  (5) 旅行形態

 平成23年の訪日外国人旅行者の旅行形態は、中国、台湾で「団体ツアーでの来訪」が約4割と高い(図II-1-2-15)。

図II-1-2-15 訪日外国人旅行者の国籍別旅行形態比率(平成23年)



  (6) 入国時の輸送手段

 平成23年の入国外国人の輸送手段は、総数714万人(※)のうち、航空が668万人で全体の93.6%となった。空港別利用状況では、成田国際空港利用が入国外国人全体の39.5%に当たる282万人を占め、次いで関西国際空港利用が18.8%に当たる134万人となった。海上輸送は、45.3万人で、全体の6.4%となった(図II-1-2-16)。

図II-1-2-16 入国外国人の旅客輸送の状況(平成23年)



  (7) 訪日外国人旅行者の消費動向

 平成23年の訪日外国人旅行者の一人当たり旅行消費額は、オーストラリアが32.5万円/人、ロシアが30.2万円/人、英国、フランスが29.8万円/人、ドイツが29.3万円/人となった(図II-1-2-17)。

図II-1-2-17 訪日外国人旅行者の一人当たり旅行消費額(平成23年)


 平成23年の訪日外国人旅行者の国籍別旅行消費額は、中国が1,964億円(構成比24.1%)、韓国が1,254億円(同15.4%)、台湾が1,059億円(同13.0%)、香港が430億円(同5.3%)、アメリカが813億円(同10.0%)となり、これら5の国と地域で全体の6割以上を占めた(図II-1-2-18)。

図II-1-2-18 訪日外国人旅行者の国籍別旅行消費額(平成23年)


 平成23年の訪日外国人旅行者の国籍別消費形態比率は、中国、ロシアで買物代が4割を超え、他の国に比べ、買物の比率が非常に高かった(図II-1-2-19)。

図II-1-2-19 訪日外国人旅行者の国籍別消費形態比率(平成23年)



(※) 
訪日外国人旅行者数(平成23年:622万人)は、国籍に基づく法務省集計による外国人正規入国者(当該国発行の旅券を所持した入国者)から日本に居住する外国人を除き、これに外国人一時上陸客等を加えた入国外国人旅行者の数であるため、本表の数値と一致しない。

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