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第I部 観光の状況

第1章 平成24年度の観光の状況

第2節 日本の観光の状況

1 国内旅行の状況


 平成24年の国民一人当たりの国内宿泊観光旅行回数は1.40回(前年比7.7%増・暫定値)であった。また、国民一人当たりの国内宿泊観光旅行宿泊数は2.24泊(同7.7%増・暫定値)であった(図I-1-2-1)。平成24年の日本人の国内観光旅行者数は、日帰り旅行については延べ2億430万人(前年比3.8%増、前々年比0.6%減)、宿泊旅行については延べ1億7,876万人(前年比5.2%増、前々年比4.3%増)となった(図I-1-2-2図I-1-2-3)。いずれも、前年を上回り、東日本大震災前の水準と比べてもほぼ同じ又は上回る結果となった。

図I-1-2-1 日本人の国内宿泊観光旅行の回数及び宿泊数の推移



図I-1-2-2 日本人の国内日帰り観光旅行延べ人数の月別推移(平成24年)



図I-1-2-3 日本人の国内宿泊観光旅行延べ人数の月別推移(平成24年)


 平成24年は、日本にとって「LCC元年」とも言える年であった。3月に初の日系LCCとなるピーチ・アビエーションが大阪-札幌など2路線で運航を開始した。その後、7月にはジェットスター・ジャパンが、8月にはエアアジア・ジャパンが就航し、平成25年3月末現在、日系LCC3社が国内線11路線、国際線5路線を就航させている。
 新しい観光名所も誕生した。国民の多くが空を見上げた金環日食が観測された5月には、自立式電波塔としては世界一の高さを誇る「東京スカイツリー」が開業した。開業から平成25年3月末までの間に約554万人が来場し、商業施設「東京ソラマチ」等も併せると、来場者は約4,476万人に達するなど、新たな観光の名所として注目を集めた。また、10月には東京駅が大正3年の創建時の姿に復元され、周辺の商業施設も含めておおいに賑わいを見せた。
 8月に開催されたロンドンオリンピックでは、我が国は過去最多のメダルを獲得するという快挙を成し遂げ、閉幕後に東京の銀座で開催された日本代表選手団のパレードには、およそ50万人が集まり、熱狂に包まれた。
 一方、明るい話題ばかりではなかった。平成24年は、観光の安全確保の重要性が再認識された1年でもあった。4月に発生した関越自動車道における高速ツアーバス事故を受けて開催した検討会の検討結果を踏まえ、現行の高速ツアーバスについて平成25年7月末までに新高速乗合バスへの移行を完了させるなど、今後2年間(平成25・26年度)にわたり、安全性向上に向けた取組を集中的に実施する「高速・貸切バス安全・安心回復プラン」を策定した(平成25年4月)。また、11月には中国の万里の長城付近で日本人登山ツアー客が遭難し、当該ツアーを企画実施した旅行業者の旅行業登録の取消処分が行われた。
 観光業界の動きとしては、10月に一般社団法人国際観光旅館連盟と一般社団法人日本観光旅館連盟の2団体が統合し、会員約3,400軒からなる一般社団法人日本旅館協会が発足した。今後、同協会が、旅館ホテル業の健全な発展や宿泊施設の接遇サービスの向上等に寄与していくことが期待される。


大正3年の創建時の姿に復元された東京駅




(※) 
ピーチ・アビエーション (写真提供:Peach Aviation株式会社)
(※) 
ロンドンオリンピック日本代表選手団パレード (写真提供:株式会社フォート・キシモト)

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