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第I部 観光の状況

第1章 平成24年度の観光の状況

第4節 地域における観光の状況

5 中部地方の状況


 平成24年の延べ宿泊者数は、前年比5.2%増、前々年比1.0%増だった。そのうち、外国人延べ宿泊者数については、前年比40.0%増であったが、前々年比は17.2%減で震災前の状況には戻っていない。平成24年の中華圏(中国、香港、台湾)から昇龍道9県への延べ宿泊者数は、前年比で約1.5倍増加している。東日本大震災前の状況には戻っていないものの、昇龍道プロジェクトが増加に寄与していると推察される。
(注)昇龍道9県は、愛知県、岐阜県、三重県、静岡県、福井県、富山県、石川県、長野県、滋賀県を指す。
○中部北陸地域の認知度・観光力向上~「昇龍道プロジェクト」~
 主に中華圏から中部北陸地域への訪日外国人旅行者の誘致推進のため、中部、北陸信越両運輸局は、「昇龍道プロジェクト」を平成24年1月に開始した。「昇龍道」とは、能登半島を龍頭に三重県を龍尾に見立て、龍の体が中部北陸地域の9県をくまなくカバーし天に昇るイメージから付けた同地域の呼称である。
 推進母体として3月に協議会を設置し、会長、副会長に中部経済連合会、北陸経済連合会の会長が各々就任した。両運輸局が事務局を務め、官民400を超える会員が参加している。
 市場毎に部会を設置し各部会で課題を整理した上で、その解決策を分科会で検討する体制の下、「昇龍道」として一貫した海外プロモーションを実施し、地域一体でおもてなし向上に取り組んでいる。
 7月には、会長を団長として、上海、杭州へ「昇龍道ミッション」を派遣し、現地商談会等を開催したほか、中部経済連合会及び中部運輸局と上海市旅游局との間で観光交流協定を締結した。
 さらに、昇龍道周遊の起点となる中部国際空港には、「昇龍道」の観光資源等をPRするため、国際線到着コンコースに龍の壁面装飾を施すとともに、到着ロビーに龍のオブジェ及び昇龍道観光情報館を設置し、また、出発ロビーに越前和紙により作成した「白龍」を展示している。
 平成25年度は、東南アジアをプロジェクトの対象市場に追加し、5月には台湾へ「昇龍道台湾ミッション」を派遣した。また、昇龍道春夏秋冬100選の策定、昇龍道ウェルカムカード等の作成など魅力向上に努めることとしている。

「昇龍道プロジェクト」ポスター


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