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第I部 観光の状況

第3章 観光産業の強化

第2節 観光産業の強化のための方策

5 新しい事象への対応



  (1) IT技術の普及への対応とその活用

 IT技術の急速な発展、普及を踏まえ、観光産業としても、インターネットサイト運営企業との相互理解を深める等、適切な対応を図るとともに、IT技術の進展により入手が可能となった顧客やニーズに関する様々な情報に基づいた営業戦略の構築や事業展開、観光関係教育機関におけるIT技術に関する実践的な知識、技能の付与等について検討していくことが必要である。

  (2) ユニバーサルツーリズムへの対応

 高齢者・障害者が暮らしやすい社会づくりの一環として、また、旅行需要の減少や余暇市場の縮小等を踏まえた新たな需要創出の観点から、各地域における拠点づくり等を通じて、ユニバーサルツーリズムの普及・定着を図っていく必要がある。

  (3) 訪日外国人旅行者のニーズへの対応

 訪日外国人旅行者からの不満が多いとされる無料公衆無線LAN環境、外国語テレビ放送、外貨両替サービス等について、訪日外国人旅行者を受け入れる宿泊施設は、速やかにその整備を進める必要がある(図I-3-2-7)。

図I-3-2-7 宿泊施設の無線LAN及び外国語テレビ放送整備状況



  (4) 統計・データの整備

 今後の観光産業政策の検討や学術的な研究の質の向上に資するため、MICEや他国の観光産業に関連するデータ等も含め、官民が協力して、更に統計・データの充実、共有、有効活用を図っていく必要がある。

  (5) 我が国観光産業の国際的なプレゼンスの向上

 我が国の観光産業の国際的なプレゼンスの向上、世界の観光産業界でのリーダーシップの発揮を図る観点から、WTTC(世界旅行ツーリズム協議会)やICCA(国際会議協会)等の主要な国際会議について、我が国の観光産業がより主体的かつ積極的に参画し、情報発信を行っていく必要がある。

  (6) 地域との関わり等

 観光産業は、国内各地域との結びつきが非常に強く、一般的な観光振興のための取組に留まらず、地場産業の活性化、自治体に対するコンサルタント機能の提供等、地域に対して経済面や雇用面で大きな貢献を果たしていく必要がある。また、着地型旅行の普及や自然災害発生時の風評被害の回避策等についても適切に対応していく必要がある。
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