4.16.1.5.1 地下街モデル(LOD4)の概要

地下街モデル(LOD4)は、地下街モデル(LOD3)により表現される地下街の外側の形状に加え、地下街の内側の形状(屋内空間)を表現する。

地下街モデル(LOD4)は、含むべき地物により、LOD4.0、LOD4.1及びLOD4.2に区分する。これは、建築物モデル(LOD4)の区分と同一である。

標準製品仕様書では原則としてLOD4.0を採用する。ただし、ユースケースの必要に応じてLOD4.1又はLOD4.2を採用できる。

4-737 — LOD4.0, LOD4.1及びLOD4.2の区分

地下街モデル(LOD4)に含むべき地物

対応する地物型

LOD4.0

LOD4.1

LOD4.2

地下街

uro:UndergroundBuilding

建築物部分

bldg:BuildingPart

屋根面

bldg:RoofSurface

外壁面

bldg:WallSurface

底面

bldg:GroundSurface

屋外天井面

bldg:OuterCeilingSurface

屋外床面

bldg:OuterFloorSurface

屋外付属物

bldg:BuildingInstallation

部屋

bldg:Room

天井面

bldg:CeilingSurface

内壁面

bldg:InteriorWallSurface

床面

bldg:FloorSurface

閉鎖面

bldg:ClosureSurface

bldg:Window

bldg:Door

階段

bldg:IntBuildingInstallation

スロープ

bldg:IntBuildingInstallation

輸送設備

bldg:IntBuildingInstallation

bldg:IntBuildingInstallation

デッキ・ステージ

bldg:IntBuildingInstallation

bldg:IntBuildingInstallation

パネル

bldg:IntBuildingInstallation

手すり

bldg:IntBuildingInstallation

家具

bldg:BuildingFurniture

grp:CityObjectGroup

任意設定空間(例:防火区画)

grp:CityObjectGroup

必須

条件付必須

任意(ユースケースに応じて要否を決定してよい)

LOD4.0、LOD4.1及びLOD4.2それぞれの取得イメージを 4-738に示す。

4-738 — 地下街モデル(LOD4)の取得例

LOD

取得イメージと説明

LOD4.0

LOD4.0は建築物の外形(図1)に加え、建築物の内部を部屋に区分する(図2)。このとき、各部屋の形状は立体として表現し、部屋の立体の境界面を、天井面、内壁面、床面又は閉鎖面のいずれかに区分する(図3)。また、天井面、内壁面又は床面に存在する全ての扉及び窓を表現する(図4)。
CityGMLでは、壁面や天井面などは全て面として表現する。1つの壁が建築物の外形を示す外壁と部屋の外形を示す内壁との機能を備えていた場合、建築物の外形となる面と部屋の外形となる面の2枚の面として表現され、それらの面の間には隙間ができる(何もない)。LOD4.0では地下街の内部に存在する付属物や家具を表現しないため、上図の例でも、付属物である階段、エレベータ、柱等が表現されていない。
なお、地下街の地上への出入口に設けられた建屋は、都市設備(CityFurniture)として取得する。

LOD4.1

LOD4.1ではLOD4.0に、屋内の付属物(bldg:IntBuildingInstallation)として、階段、スロープ、輸送設備(エスカレータ、エレベータ及び動く歩道)、柱及びデッキ・ステージが追加される。
上図の例では、LOD4.0に加えて、階段、エスカレータ、スロープ及び柱が付属物として追加された。

LOD4.2

LOD4.2ではLOD4.1に屋内の付属物(bldg:IntBuildingInstallation)として、手すり、パネル及び梁が付属物として追加される。また、机やいすなどの移動可能な家具(bldg:BuildingFurniture)が追加される。
上図の例では、LOD4.2に加えて付属物として階段の手すり及び部屋の間仕切りとしてパネル、また、家具としてテーブルやいす及び棚が追加された。