B.4 CityGMLにおける2次元の空間参照系の取り扱い

標準製品仕様書では、幾何オブジェクトの座標値に適用する空間参照系として、3次元の空間参照系である「日本測地系2011における経緯度座標系と東京湾平均海面を基準とする標高の複合座標参照系」を採用している。これは、標準製品仕様書が準拠する国際標準であるCityGMLが、3次元の都市空間を記述することを目的として設計されているためである。しかしながら、ユースケースによっては高さを必要とせず、幾何オブジェクトの座標値は2次元でよい場合も想定される。(例:3次元の地形データにドレープして使用するため、高さが不要)

CityGMLでは、採用すべき空間参照系は規定されていない。一方で、前述したようにCityGMLが3次元の都市空間を対象としていることから、CityGML対応ツールには3次元の座標値の読み込みにしか対応しておらず、2次元座標を正しく読み込めない場合がある。これを踏まえ、既存のCityGML対応ツールでの読み込みを可能とするための暫定的な処置となるが、2次元座標により記述された幾何オブジェクトを3D都市モデルに記述する方策を示す。以下で示す以外の事項については、前項までに示した要件に従うこと。