C.3.1.4 LOD3
建築物モデル(LOD3)では、建築物の形状を立体として表現する。このとき、建築物オブジェクトは、建築物モデル(LOD3)の定義に従ったものでなければならない。
ID |
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主題 | 妥当な建築物データセットの要件 |
分類 | |
条文 | 建築物のLOD3の形状は、建築物モデル(LOD3)の定義に従う。 |
建築物モデル(LOD3)は、含むべき地物により、LOD3.0、LOD3.1、LOD3.2及びLOD3.3に分かれる。これらは、MMS(Mobile Mapping System)による点群や画像等、側面から取得したデータの利用を前提とした区分であり、外壁面や開口部を含む建築物の側面を詳細化する。標準製品仕様書では原則としてLOD3.0を採用する。ただし、ユースケースの必要に応じてLOD3.1、LOD3.2又はLOD3.3を採用できる。
取得イメージ | 説明 | |
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LOD3.0 | 屋根のうち短辺3m以上の屋根面が表現される。 | |
LOD3.1 | 短辺の実長1m以上かつ上方からの正射影の面積3m2以上の屋根面が表現される。 | |
LOD3.2 | LOD3.2ではさらに詳細な表現が可能となり、短辺の実長1m以上又は上方からの正射影の1m2以上屋根が再現される。 | |
LOD3.3 | LOD3.3では、短辺の実長が1m未満の細かな屋根の形状が表現される。 |
建築物モデル(LOD3)に含むべき地物 | 対応するCityGMLの地物型 | LOD3.0 | LOD3.1 | LOD3.2 | LOD3.3 |
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建築物 | Building | ● | ● | ● | ● |
屋根面 | RoofSurface | ● | ● | ● | ● |
底面 | GroundSurface | ● | ● | ● | ● |
外壁面 | WallSurface | ● | ● | ● | ● |
軒裏 | WallSurface | 屋根の外周と外壁面との距離3m以上 | 屋根の外周と外壁面との距離1m以上 | 屋根の外周と外壁面との距離1m以上 | 全てを対象とする |
建築物部分 | BuildingPart | ■ | ■ | ■ | ■ |
閉鎖面 | ClosureSurface | ■ | ■ | ■ | ■ |
屋外床面 | OuterFloorSurface | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
屋外天井面 | OuterCeilingSurface | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
屋外付属物 バルコニー、屋外階段、スロープ、手すり、エレベータ、エスカレータ、庇、アンテナ、煙突、看板等 | BuildingInstallation | ● | ● | ● | ● |
扉 | Door | ● | ● | ● | ● |
窓 | Window | ● | ● | ● | ● |
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LOD3の建築物も、LOD2と同様に、建築物は、屋根、外壁等を境界として区切られた空間(立体)となる。そのため、建築物の立体を構成する境界面は、屋根、外壁等の境界面となる地物型の空間属性(面)から構成される。また、LOD3では屋根や外壁等の境界面に開口部(窓、扉)を設けることができる。この開口部を境界面の内空として作成する場合、建築物の立体を構成する境界面には、開口部の空間属性(面)も含まれる(図C-11)。
ID |
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主題 | 妥当な建築物データセットの要件 |
分類 | |
条文 | bldg:lod3Solidで示される立体は、その境界面として、建築物の境界となる地物型(bldg:_BoundarySurface)の空間属性を外部参照しなければならない。 |
なお、LOD3では、建築物の軒を表現することができる。軒とは、屋根の一部であり、外壁の線から外に突き出した部分である。通常は建物の外周に沿って連続した形となっている。この軒は、開口部の上部など部分的に取り付けられる庇(ひさし)とは区別する。軒を表現した例を図C-12に示す。LOD2では屋根の形状は建築物の立体を構成する面であり、軒の表現は行わない。LOD3において屋根の軒を表現する場合には、屋根は厚みをもった面となり、軒を含む全ての境界面が建築物の立体を構成する面となる。
建築物モデル(LOD0)から建築物モデル(LOD3)の作成手法を図C-13に示す。LOD2は、航空写真等上空から取得したデータの利用を前提とした区分であり、屋根形状を含む建築物の上面を詳細化する。LOD3は、MMSによる点群や画像等、側面から取得したデータの利用を前提とした区分であり、外壁面や開口部を含む建築物の側面を詳細化する。なお、最も細かいLOD3.3では地上レーザ点群又はBIMデータの活用も想定される。