P.6.1.2.2 作業手順

1)地下埋設物(管路)モデル(LOD1)の作成

  1. 管路の土被り及び外径を取得する。
    原典資料に記載される土被り及び管路の外径を取得する。土被りとは、地表面から埋設された管路の上端までの高さを指す。地表面と管路の土被りと外径の高さの関係をP-12に示す。

    P-12 — 土被りと管路の外径による高さのイメージ

    管路の外径が不明な場合は、管路の管種及び内径から外径を推定する。下水道管の外径の推定には日本下水道協会規格(JSWAS)を用いる(P.6.2.6参照)。

  2. 管路の外周の正射影を取得する。
    原典資料から管路の外周の正射影を取得する。原典資料から外周が取得できない場合は、管路の外径に中心線の長さを与えた面を管路の正射影とする( P-13)。
    複数の管路がまとまっている場合は、まとまった管路の外周の正射影を取得する。外周の正射影を取得できない場合は、それぞれの管路の外径に中心線の長さを与えた面を作成し、その最外周の正射影を取得する。トラフ等の構造物によって管路が格納されている場合は、構造物の外周の正射影を取得する。

    P-13 — 地下埋設物モデル(LOD1)の正射影取得方法
  3. 地下埋設物(管路)モデル(LOD1)の垂直位置の上端を決める。
    管路の単位ごとにb)の正射影と地表面の標高を重ね合わせ、最も低い標高を地下埋設物(管路)モデル(LOD1)の垂直位置の上端とする( P-14)。

  4. 地下埋設物(管路)モデル(LOD1)の垂直位置の下端を決める。
    c)で決めた地下埋設物(管路)モデル(LOD1)の上端から地中方向に、a)で取得した土被り及び管路の外径分の深さを加算した垂直位置を地下埋設物(管路)モデル(LOD1)の垂直位置の下端とする。

    P-14 — 地下埋設物(管路)モデル(LOD1)の高さの取得方法
  5. 地下埋設物(管路)モデル(LOD1)を作成する。
    外周の正射影、c)の上端、d)の下端で構成される箱型の立体モデルを、地下埋設物(管路)モデル(LOD1)とする。
    ただし、b)で取得した外周の正射影と、この管路に接続する地下埋設物(マンホール)モデル(LOD1)又は地下埋設物(制御設備)モデル(LOD1)の外周の正射影が交差する場合は、地下埋設物(マンホール)モデル(LOD1)又は地下埋設物(制御設備)モデル(LOD1)の外周と地下埋設物(管路)モデル(LOD1)の正射影との交点を結ぶ位置で地下埋設物(管路)モデル(LOD1)を区切り、地下埋設物(マンホール)モデル(LOD1)又は地下埋設物(制御設備)モデル(LOD1)に内包される管路部分を取り除く。

    P-15 — 地下埋設物(管路)モデル(LOD1)が地下埋設物(マンホール)モデル(LOD1)に斜めに接続する例
    P-16 — 土被りの情報が不明の場合の地下埋設物(管路)モデル(LOD1)の高さの推定方法
    P-17 — 地下埋設物(管路)モデル(LOD1)の取得イメージ

2)地下埋設物(マンホール)モデル(LOD1)の作成

  1. マンホールの蓋を包含する矩形を取得する。
    原典資料からマンホール及びハンドホールの蓋の外周の正射影から、蓋を包含する矩形を取得する。
    原典資料から蓋の形状を確認することができない場合は、蓋の中心位置と原典資料に記載される外径からこれを包含する矩形を取得する。

  2. 地下埋設物(マンホール)モデル(LOD1)の垂直位置の上端を決める。
    マンホールの単位ごとにa)で作成した正射影と地表面の標高を重ね合わせ、最も低い標高を地下埋設物(マンホール)モデル(LOD1)の垂直位置の上端とする。

  3. 地下埋設物(マンホール)モデル(LOD1)の垂直位置の下端を決める。
    b)で決めた地下埋設物(マンホール)モデル(LOD1)の垂直位置の上端を起点とし、断面図等の原典資料から取得したマンホール及びハンドホールの最低面までの深さを地下埋設物(マンホール)モデル(LOD1)の垂直位置の下端とする。

  4. 地下埋設物(マンホール)モデル(LOD1)を作成する。
    a)の正射影、b)の上端、c)の下端で構成される立体モデルを、地下埋設物(マンホール)モデル(LOD1)とする。
    マンホールの作成例をP-18に示す。

    P-18 — 地下埋設物(マンホール)モデル(LOD1)の作成例

3)地下埋設物(制御設備)モデル(LOD1)の作成

  1. 制御設備の正射影を取得する
    制御設備の平面図等の原典資料からバルブ等の制御設備の外周の正射影を取得する。( P-19)。
    ただし、原典資料にバルブ等の制御設備の外周の記載がない場合は、推定で作成してもよい。その場合、隣接する管路の外径と同じ幅かつ、ハンドホールの外径を制御設備の範囲として推定する。隣接する管路の外径が両端で異なる場合、外径が大きい方を採用する。
    なお、推定で作成した場合はジオメトリが推定で作成されたことを明示するために品質属性geometrySrcDescを推定とする。

    P-19 — バルブ等を包含する矩形ポリゴンの作成例
  2. 地下埋設物(制御設備)モデル(LOD1)の垂直位置の上端を決める
    制御設備の単位ごとにa)で作成した正射影と地表面の標高を重ね合わせ、最も低い標高を、地下埋設物(制御設備)モデル(LOD1)の垂直位置の上端とする。

  3. 地下埋設物(制御設備)モデル(LOD1)の垂直位置の下端を決める
    b)で決定した地下埋設物(制御設備)モデル(LOD1)の垂直位置の上端を起点として、制御設備の断面図等の原典資料から取得した高さを、地下埋設物(制御設備)モデル(LOD1)の垂直位置の下端とする。バルブ等の制御設備の最低面の高さの情報がない場合は、推定で高さを与えてもよい。推定で高さを与えた場合は、バルブ等の最低面の高さは隣接する管路の最下端の高さとする。

  4. 地下埋設物(制御設備)モデル(LOD1)を作成する
    a)の正射影、b)の上端、c)の下端で構成される立体モデルを、地下埋設物(制御設備)モデル(LOD1)とする。

    P-20 — 地下埋設物(制御設備)モデル(LOD1)の取得イメージ

制御設備の作成例をP-21及びP-17に示す。

P-21 — 地下埋設物(制御設備)モデル(LOD1)の作成例
P-22 — 設備の位置を推定した地下埋設物(制御設備)モデル(LOD1)の作成例