3.新しい道路構造に関する基準の検討案

I.歩行者・自転車の安全かつ快適な通行空間の確保

(1)自動車と独立した歩行者・自転車の通行空間の確保

 これまでは、幹線道路*1)には必要に応じて自転車歩行者道*2)又は歩道*3)を、その他の道路には必要に応じて歩道を設置することとしてきました。このため、これら歩道等を設置していない道路において自転車と自動車の接触事故や、歩道上での自転車と歩行者の接触事故が多数発生するなど、歩行者や自転車の安全な通行が十分確保されていない場合がありました。
 今後は、幹線道路には自転車道*4)と歩道(自転車又は歩行者の交通量が少ない場合には自転車歩行者道)を設けることとし、その他の道路には必要に応じて歩道を設置するとともに、歩道を設置しない道路においては、必要に応じて自動車の速度を抑制するためのハンプやクランク等*5)を設置することにより、歩行者及び自転車のより安全かつ快適な通行を確保することとします。

【用語の解説】
*1)幹線道路:ここでは、国土、地域もしくは都市の骨格を形成する道路、又は近隣住区の外郭を形成する道路であり、一般国道及び主要な都道府県道並びに市町村道をいう(高速自動車国道等の自動車専用道路は除く。)。
*2)自転車歩行者道:自転車及び歩行者の通行のために車道に接続して設けられる道路の部分
*3)歩道:歩行者の通行のために車道(自転車道がある場合には自転車道)に接続して設けられる道路の部分
*4)自転車道:自転車の通行のために車道と歩道の間に設けられる道路の部分

●車道、自転車歩行者道、歩道、自転車道の位置関係
車道、自転車歩行者道、歩道、自転車道の位置関係

*5)ハンプ、クランク等
ハンプ、クランク等

【参考データ】
歩道等の整備延長グラフ
高齢者の歩行中の死亡事故件数 自宅からの距離の割合グラフ

【イメージ写真】
幹線道路の標準的な通行区分は「車道+自転車道+歩道」
ハンプや狭さくを設置した「コミュニティ道路」

(2)歩行者の交通の状況にあわせた歩行空間の確保

 これまでは、道路の歩道の幅は、歩行者の交通量とは関係なく自動車の交通量の多少により決定してきました。このため、狭い歩道に多くの歩行者が通行するなど、快適な歩行空間が十分確保されていない場合がありました。
 今後は、自動車の交通量に関係なく、歩行者の交通量が多い場合には3.5メートル*1)以上、その他の場合には2メートル*2)以上とし、歩行者の交通の状況(歩く他にたたずみや立ち話をすることなどを含みます)をこれまで以上に考慮して歩道の幅を決定することにより、歩行者のより快適な通行空間を確保することとします。

【用語の解説】
*1)3.5mは健常者2人と車いす使用者2人がすれ違い又は追い越しが可能な幅   *2)2mは車いす使用者2人がすれ違える幅
歩行者の交通の状況にあわせた歩行空間の確保イメージ図

【イメージ写真】
1車線道路でも歩行者の交通の状況にあわせた幅の広い歩道


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