1.ガイドライン策定の背景
・ 多様な「建設生産・管理システム」形成の必要性 ・ コスト構成の透明化へのニーズ→民間発注者がCM方式の活用開始 ・ 発注者内技術者の量的・質的補完→公共発注者の関心の高まり ・ 日米建設協議、中央建設業審議会の建議、等
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国土交通省においては、平成12年12月に「CM方式研究会」を設置。
→ 日本型CM方式の導入に向けて課題等を整理するため、「CM方式活用ガイドライン」の中間とりまとめ。
2.CM方式とは
- CM方式とは、「建設生産・管理システム」の一つであり、発注者の利益を確保するためにCMR(コンストラクション・マネージャー)が、コスト管理、工程管理などのマネジメント業務を行うもの。
我が国では、従来は、一括発注方式が多用されており、施工に関するマネジメント業務は主に元請業者(総合工事業者)が担ってきた。
- 我が国において、CM方式の導入が進めば、発注者にとって建設生産・管理システムの選択肢が多くなる。
CM方式は一括発注方式と比べると、発注者が抱えるリスクは大きくなるものの、コスト構成などの透明化が進むといわれている。
CM方式と一括発注方式は、それぞれ発注者にとってメリットがあり、今後、我が国においても、うまく共存が図られると考えられる。
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3.CMRのマネジメント業務の主な内容
設計段階 設計候補者の評価、
設計の検討支援、
設計VE、等
発注段階 発注区分・発注方式の提案、
施工業者の公募・評価、
工事費積算の支援、
契約書類の作成・アドバイス、等
施工段階 施工業者間の調整、
工程計画の作成及び工程管理、
施工業者が行う施工図のチェック、
施工業者が行う品質管理のチェック、
コスト管理、
発注者に対する工事経過報告、
文書管理、等
4.CM方式導入の課題
- 我が国にCM方式を導入する場合、以下の課題について検討が必要。
CMRの公的位置づけ
リスク負担と責任関係
コスト構成の透明化
CMRの選定・契約
CMRに支払う経費とフィーの積算など
5.公共建設工事におけるCM方式導入の可能性
- 公共建設工事においては、技術者が不足している公共発注者ほどCM方式を対するニーズが高く、その活用の中心となることが予想。
公共発注者が期待するCMRの活用パターンは以下のとおり。
設計・発注アドバイス型CMR
設計図書のチェック、設計VE、発注区分の提案など、設計・発注段階で発注者へのアドバイスを行うもの。 コストマネジメント型CMR
コストの分析、工事費の算出、実費精算による支払など、コストマネジメントを行うもの。 施工マネジメント型CMR
施工図の審査、施工業者間の調整、工程管理などの発注者の監督業務の一部を補助するもの。 総合マネジメント型CMR
上記 〜
のマネジメント業務の全部又は一部を一貫して行うもの。
アットリスク型CMR
施工に関するリスクについても負担するもの(但し、建設業法上の位置づけなどの検討が必要)。
6.今後の進め方
- 「CM方式活用ガイドライン」(中間とりまとめ)について、平成13年11月6日〜30日までパブリックコメントを募集し、年内を目途にガイドラインを策定する予定。
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