平成22年8月30日
喫緊の課題である地球温暖化問題に対応するためには、住宅の環境性能向上などの単体対策のみならず、
・市街地の拡散を抑制し、公共交通活用などの交通対策と組み合わせて集約的な都市構造に誘導すること、
・建物の更新を面的に推進し、併せてエネルギー利用の効率化や未利用・再生可能エネルギーの活用を図ること、
・吸収源となる緑地の保全と都市緑化を推進すること
などの都市分野の対策を総合的に推進する必要があります。
このような総合的な「低炭素都市づくり」については、「様々な施策をどのように組み合わせれば都市全体として効果的か」を客観的に比較することができる確立した手法がなかったことから、今般、「低炭素都市づくりガイドライン」をとりまとめ、公開するものです(地方自治法第245条の4の規定に基づく地方公共団体あて技術的な助言の性格を有するもの)。
この「低炭素都市づくりガイドライン」は、現時点の専門的知見を集約し、低炭素都市づくりの基本的な考え方、考えられる具体的施策を体系的に明らかにするとともに、都市全体のCO2排出量の変化を総合的に推計するため今回開発したシミュレーション手法から構成されます。
これにより、各都市において、施策検討のために必要となる、都市全体における施策効果等の基礎的な情報を明らかにすることが可能となります。
また、各都市が地球温暖化対策の推進に関する法律に基づき低炭素化に取り組むに当たり、このガイドラインに基づく検討成果が同法の「地球温暖化対策地方公共団体実行計画(新実行計画)」に盛り込まれるとともに、都市計画マスタープランづくりに活用されるなど、特に、都市構造自体の方向性(コンパクトシティ化)をにらんだ客観的で総合的な検討が深まることが期待されます。
国土交通省としては、今後、実務の参考となるデータや事例等最新の情報を、順次国土交通省ホームページに掲載するなど、本ガイドラインの活用のための情報提供と技術的支援を強力に進めてまいります。
1.低炭素都市づくりガイドラインの構成
第1編:低炭素都市づくりの考え方
第2編:低炭素都市づくりの方法
第3編:低炭素都市づくり方策の効果分析方法
2.検討経緯
平成19年度 ・学識経験者等による委員会において意見聴取。
平成20年度 ・学識経験者等による委員会において意見聴取。低炭素都市づくりガイドライン(素案)作成。
平成21年度 ・全国の都道府県、都市計画区域を有する市町村に対して低炭素都市づくりガイドライン(素案)に関するアンケート調査実施。
・「低炭素都市推進協議会 都市・地域の低炭素化施策推進WG」においてケーススタディを実施
・学識経験者等による委員会において意見聴取。
平成22年度 ・パブリックコメント実施(6月2日~7月1日)
・パブリックコメント意見への回答、修正について学識経験者等から意見聴取。
本ガイドラインは、下記、国土交通省ホームページで入手できます。
低炭素都市づくりガイドライン
【報道発表資料】低炭素都市づくりガイドライン(概要)(PDF形式:約722KB)