報道・広報

国連自動車基準調和世界フォーラム(WP29)第166回会合等の結果について

平成27年6月30日

 国連自動車基準調和世界フォーラム(WP29)第166回会合等の結果概要についてお知らせします。WP29は、自動車安全・環境基準の国際調和と認証の相互承認を多国間で審議する唯一の場であり、日本も積極的に参画しています(別紙1参照)。

■ 日程:6月22日(月)~26日(金)
■ 場所:国連(スイス、ジュネーブ)
■ 参加国・機関数:約50の政府、国際機関及び自動車業界団体等

■ 今次WP29等の主な結果

(1)自動運転
 交通事故の大幅な削減、渋滞の緩和、高齢者等の移動支援などの効果が期待され、国際的にも様々な議論がなされている自動車の自動運転技術について、自動車の安全・環境に関する国際基準を策定する唯一の場であるWP29では、その傘下に「自動運転分科会」を設置し検討を進めています。同分科会では、日本が英国とともに共同議長を務め、その議論を主導しています。

日時:6月24日 14:00~ 場所:国連(スイス・ジュネーブ)
参加:約30の政府、国際機関及び自動車業界団体等 計約100名
主な議題:[1]自動運転の定義
              [2]道路交通安全作業部会(WP1)とWP29の連携
              [3]関連国際基準を検討する専門分科会へのガイダンス案

今次WP29では自動運転について以下のような進展がありました。
[1]自動運転といっても、「ドライバーの運転支援技術」からいわゆる「完全自動運転」まで広範囲に渡りますが、国際的な定義は存在しません。今次WP29では、日本が『自動運転の定義に関する検討の進め方』を提案し、その議論が開始されました。
[2]様々な高度技術が採用されている自動運転に関しては、「道路交通安全ルール」と「車両の装置等の基準」の双方の面からの検討の必要性が生じます。今次WP29では、国連の道路交通安全作業部会(WP1)とWP29が合同で議論を開始し、今後その連携をより一層深めていくことが合意されました。
[3]関連する国際基準については、高速道路での自動操舵を可能とするための基準改正※1等の検討が既に開始されています。同検討を行う専門家会議においても、日本はドイツとともに共同議長を務めその議論を主導しています。今次WP29では、専門家会議における国際基準策定を促進するためのガイダンス案が合意されました。
日本は、これら自動運転技術に関する国際的な議論を主導し、自動車安全のより一層の向上に寄与する自動運転技術の適切かつ円滑な普及促進を推進していきます。
※1 現行の国際基準では、10km/h以上で自動操舵を行うことが認められていません。

(2)IWVTA
 WP29では、平成19年の日本からの提案に基づき、自動車の認証の国際的な相互承認を、これまでの装置単位から車両単位へ発展させる「国際的な車両型式認証の相互承認制度」(IWVTA)(別紙3参照)の導入を議論してきました。
今次WP29には、本制度実施に必要な手続き等を定めた規則の公式文書案(フランス語・ロシア語等英語以外の言語にも翻訳されるもの)が提出されました。
 これにより、IWVTAは平成28年の制度成立に向け最終調整段階に入ります。同制度により、設計仕様の統一や部品の共通化を通じて、開発・認証・生産コストが低減し、自動車の安全・環境性の向上が期待され、さらには我が国自動車メーカーの輸出競争力の強化等につながることが期待されます。

(3)日本の自動車基準認証の国際化の進展
 日本は、安全・環境性に優れた自動車の普及を促進し、日本の自動車メーカーが国際的に活躍できる環境を整備するため、平成25年3月、自動車の安全・環境に関する国際基準の採用を進めていくべき12項目の工程表を公表し※2、その後関係各国と共同で必要な作業に取り組んできました。
今次WP29では、最後の2項目(後写鏡および騒音)の国際基準の改正が実質的に合意されました※3。これにより、当該工程表に基づく国際基準調和がほぼ完了しました。
このように、日本の自動車基準認証の国際化は、ここ数年の間に大きく進展しましたが、一方で、自動運転や燃料電池自動車といった様々な革新的技術のグローバル市場への導入が始まっており、このような革新的技術に関する国際的なルール作りを主導する必要性は益々高まっていくことが見込まれます。日本は、今後、国際ルール作りに関する活動をさらに積極的に推進していきます。
※2 http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha07_hh_000125.html
※3 今次WP29で公式文書として合意された「騒音に関する改正」については、これが長年の作業の成果であることを踏まえ、国連がプレスリリースをしています。
http://www.unece.org/info/media/presscurrent-press-h/transport/2015/unece-world-forum-for-harmonization-of-vehicle-regulations-tightens-vehicles-noise-limits-and-adopts-new-test-procedure-to-measure-them/unece-world-forum-for-harmonization-of-vehicle-regulations-tightens-vehicles-noise-limits-and-adopts-new-test-procedure-to-measure-them.html

 

お問い合わせ先

国土交通省自動車局技術政策課 斧田、山村
TEL:(03)5253-8111 (内線42254)

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