報道・広報

海事生産性革命(i-Shipping)実現のため、実船を使った船体周りの流れの計測を実施します
~新船型の開発・設計期間の半減を目指して~

平成29年3月31日

 国土交通省では、i-Shipping(design)の目標である船舶の開発・設計期間の半減の実現に向けて、産学官の連携により、実船スケールでの船舶周りの流体計算を可能とする世界最先端の実用的CFD※1の開発を目指して取り組んでいます。
 今般、開発するCFDの検証に必要なデータ取得に向け、国土交通省は、今治造船建造のバルクキャリア及び三井造船建造・神戸大学所有の練習船深江丸を用いて、来年度より実船での流れの計測試験を実施することを決定しました。
※1 CFD(Computational Fluid Dynamics 数値流体力学):計算機上で船体の周囲の流れを再現し、水槽試験を用いずに船体の抵抗等を算出する手法
 
 国土交通省が推進する海事生産性革命(i-Shipping)では、情報技術等を活用して船舶の「開発・設計」から「建造」、「運航」に至るすべてのフェーズにおいて生産性を向上させ、2025年の世界建造シェアを3割とすることを目標として、各種対策に総合的に取り組んでいます。
 このうち、「開発・設計」においては、新船型の開発期間の半減を目指すこととしています。そのためには、船舶の設計に必要な水槽試験を補完し、より優れた省エネ付加物やプロペラの設計を可能とする、実船スケールの流体計算が可能な世界最先端の実用的CFDの開発が必要です。
 このため、国土交通省では、大学・研究機関の有識者や造船業界をはじめとする関係業界からも参画を得て、産学官が連携した「i-Shipping(design)推進のためのCFD高度化検討委員会※2を設置して検討を進めています。
※2委員会の出席者は別紙参照。委員会の検討結果については、以下のウェブサイトに掲載予定。
http://www.mlit.go.jp/maritime/maritime_tk5_000052.html


 
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実船CFDのイメージ


 CFDの高度化(高精度化・信頼性向上)にあたっては、実船周りの流れを計測し、CFDの計算結果と突き合わせることで検証を行う必要があります。今年度は、CFDの開発に着手するとともに、実船計測の実施に向けた計測システムの検討・実施体制の整備※3等を行い、計測対象船※4として、今治造船建造のバルクキャリア及び三井造船建造・神戸大学※5所有の練習船深江丸の2隻を候補船として選定し、準備・調整を進めてきました。
 今後、実船計測データを基にCFDの高度化を進めるとともに、その開発成果を船舶の省エネ性能の認証制度に取り入れ、その認証制度を国際的に広く普及させていくことで、我が国造船業の国際競争力強化を図っていく予定です。

※3 大阪大学、横浜国立大学、日本海事協会、海上技術安全研究所などの研究者や技術者からなるプロジェクト実施部隊に、関係企業等から船舶やプロペラ等の知財提供等の協力を得て、実施体制を整備。
※4 予算状況に応じ、平成29-30年度にかけて計3隻の計測を行うことを想定。
※5 同大学海事科学部の創基100周年(前身となる川崎商船学校の設立を1917年文部省認可)を記念した取組の一環として、産学官連携の海事生産性革命プロジェクトへの参画・貢献を決定。







今治造船建造のバルクキャリア(写真は同型船)


http://www.edu.kobe-u.ac.jp/gmsc-fukaemaru/ship/dock03.jpg



深江丸

添付資料

報道発表資料(PDF形式:737KB)PDF形式

お問い合わせ先

国土交通省 海事局 船舶産業課 堀内
TEL:03-5253-8111 (内線43-627) 直通 03-5253-8634 FAX:03-5253-1644
国土交通省 海事局 海洋・環境政策課 宮坂
TEL:03-5253-8111 (内線43-926) 直通 03-5253-8636 FAX:03-5253-1644

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