平成27年5月22日
- 少子高齢化等を背景として過疎化が進みつつある地域では物流の効率が低下する一方、車を運転しない者の増加に伴い日用品の宅配などの生活支援サービス等のニーズは高まっています。
- このような現状を踏まえ、物流審議官部門では、「交通政策基本計画」における宅配ネットワークの維持等に向けた取組や「国土のグランドデザイン2050」における「小さな拠点」形成の取組みの一環として、過疎地等における事業者とNPO等の協働による宅配サービスの維持・改善や買物弱者支援等にも役立つ新たな物流システムの構築に向けた取組を進めています。
- 平成27年3月31日に発表しました「地域を支える持続可能な物流システムのあり方に関する検討会」報告書を踏まえ、本年度は、モデル事業を募集・実施し、オペレーション上の課題や対応策等について検討を行い、実践的なノウハウの蓄積・普及を図ります。
- このため、モデル事業に取り組む意欲のある地域を募集し、数箇所の地域を選定予定です。
【募集概要】
応募方法等の詳細については、以下URLのホームページに掲載する募集要項等をご覧下さい。
http://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/seisakutokatsu_freight_tk1_000046.html
1.募集期間
平成27年5月22日(金)~6月26日(金)
2.対象地域
(1)過疎化や高齢化が進んでいる地域
(2)地域を支える持続可能な物流ネットワークの構築に関するモデル事業に取り組む意欲があり、平成27年度に実施可能な地域
※いわゆる過疎地域に限定するものではありません。それ以外の地域でも要件を満たせば応募することが可能です。
3.応募主体
地域を支える持続可能な物流ネットワークの構築を主体的に進める協議会、地域団体(都道府県や市町村を含む)やNPO等とし、以下の(1)~(2)の要件を全て満たすものとします。
(1)関係する都道府県や市町村との密接な連携体制を構築していること、又は構築する予定であること。
(関係する都道府県や市町村との連名による応募、又はこれらからの推薦を必要とします。)
(2)宗教活動や政治活動を主たる目的とする団体、暴力団もしくは暴力団員の統制の下にある団体でないこと。
4.事業内容
(1)~(6)の項目を中心に調査を実施する予定です。
具体的な調査内容については、対象地域の選定後に、各地域の計画・実情をもとに、対象地域と国土交通省物流審議官部門が相談し決定することとなります。
なお、選定された応募主体には、国土交通省物流審議官部門と本事業の受託業者と連携してモデル事業に取り組んでいただくこととなります。
(1)地域を支える持続可能な物流ネットワークの構築を検討するための枠組み(協議会等)の構築
・地域の主な関係者(物流事業者、生活支援サービス事業者、地方自治体、サービス利用者、地方運輸局・支局等)との協議体制の構築
・代表者の決定
・意思決定の方法、事務処理及び会計処理の方法、並びに責任者等を明確にした規約その他の規定の決定 等
(2)対象地域における物流や生活支援サービスに関するニーズやこれらに係る輸送の実態把握
(3)モデル事業の内容検討(期間、場所、実施主体、輸送物、運営方法等)
以下に例示するような、複数のサービスに係る輸送を複合化することによって、輸送の効率化を実現するものとします。
・域外からの商品の集落への共同宅配
・地域商店への商品の集荷・集落への運送、これと併せた見守り等生活支援サービスの提供
・バス等を活用した新たな貨物輸送サービスの提供
・商品の集出荷等と併せた農産物の出荷代行 等
(4)(3)で検討した事業の試行的実施(検討のための試行的実施を含む)
(5)(4)で実施した事業の効果測定と課題(制度的な内容を含む)の抽出
以下に例示する項目について検討していただきます。
・地域での意見集約における課題
・複合化した物流サービス等の提供主体に求められる能力(輸送能力、荷扱等の品質、賠償能力等)
・物流事業者、NPO等、荷主、自治体等の関係者の役割分担のあり方
・バス・タクシー等による貨客混載、自家用自動車による有償貨物運送の有効性 等
(6)その他、地域を支える持続可能な物流ネットワークの構築に必要な取組
(例えば、住民を含めた関係者間の合意形成に資する講習会・勉強会の開催や広報誌等による広報活動、担い手のための研修会の実施等)
また、上記(1)~(6)の項目に関連して、必要に応じ、住民等へのアンケート調査やワークショップ、外部アドバイザーからの助言提供等を行うこととします。
5.経費
必要な経費(実費)は、本調査事業の実施予算の範囲内において、国土交通省が本調査事業の受託業者を通じて負担します。(上記4.(1)~(6)の項目に関連する協議会の開催や調査等に必要な経費として、1件あたり最大180万円程度と見込んでいます。なお、モデル事業においては、地域を支える持続可能な物流ネットワーク構築に向けた試行的な取組を中心に行うものであり、施設の整備・改修、具体的な活動の本格的な実施等の事業を行うものではありません。したがって、施設の整備・改修、具体的な活動の本格的な実施等の経費は対象とはなりません。
6.実施期間
平成27年12月末頃まで実施するものとします。