全国多自然川づくり会議は、多自然川づくりに対する知見の蓄積や意識の向上を目的とし、平成15年頃から国・都道府県・政令市の河川担当者を対象として毎年開催しています。
	令和2年度全国多自然川づくり会議は、新型コロナウィルス感染拡大防止に配慮し、会議は中止とさせていただきました。
	本年度は、地方ブロック会議にて選出された全国の多自然川づくり優良事例の資料配布を実施いたします。
	
 
	- 【令和2年度】 計83事例
- 【令和元年度】 計105事例
- 【平成30年度】 計109事例
- 【平成29年度】 計111事例
- 【平成28年度】 計116事例
第1分科会:河川改修等における⼯夫事例(1/2)
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	第1分科会 (1/2)発表事例一覧  発表事例一覧
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    (1)網走川ワカサギ産卵場保全等に向けた取組
 北海道開発局網走開発建設部治水課  亀井 尚
 事例概要 発表資料 ポスター
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    (2)旧北上川における住民参加型の親水空間の整備
 東北地方整備局北上川下流河川事務所  櫻田 歩夢
 事例概要 発表資料(重要種の位置情報を含むため非掲載) ポスター
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    (3)赤川における河道掘削箇所の樹木再繁茂対策について :ピックアップ事例
	
 東北地方整備局酒田河川国道事務所  中村 公貴
 事例概要 発表資料(重要種の位置情報を含むため非掲載) ポスター
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    (4)堅磐河道掘削事業における河川環境を維持する取り組みとその事業効果について
 関東地方整備局常陸河川国道事務所  村上 智哉
 事例概要 発表資料 ポスター
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    (5)境川遊水地におけるビオトーブの自然環境保全に関する取り組み
 神奈川県藤沢土木事務所  北原 淳一
 事例概要 発表資料 ポスター
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    (6)手取川水系十八河原自然再生事業~工夫事例に対する評価~
 北陸地方整備局金沢河川国道事務所  若林 美里
 事例概要 発表資料 ポスター
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    (7)早出川における多様な流れの再生 :代表事例
	
 北陸地方整備局阿賀野川河川事務所  武田 真未
 事例概要 発表資料 ポスター
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    (8)取水堰の魚道における遡上環境改善に向けた取り組み
 北陸地方整備局高田河川国道事務所  荒井 真治
 事例概要 発表資料 ポスター
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    (9)新郷瀬川における半自然草地保全の取り組みについて :代表事例
	
 愛知県一宮建設事務所  原田 純平
 事例概要 発表資料 ポスター
第1分科会:河川改修等における⼯夫事例(2/2)
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	第1分科会 (2/2)発表事例一覧  発表事例一覧
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    (1)プール堀による治水安全度の早期向上と多様な水域の創出
 静岡県袋井土木事務所  小長谷 章
 事例概要 発表資料 ポスター
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    (2)野洲川における自然再生事業~温故知新で挑む自然再生~
 近畿地方整備局琵琶湖河川事務所  田中 信
 事例概要 発表資料 ポスター
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    (3)「千代田地区かわまちづくり」整備について
 中国地方整備局福山河川国道事務所  鳥越 美里
 事例概要 発表資料 ポスター
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    (4)重信川の自然環境に配慮した洗掘対策
 四国地方整備局松山河川国道事務所  難波 怜
 事例概要 発表資料 ポスター
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    (5)物部川深渕床止め修繕における魚道の改良
 四国地方整備局高知河川国道事務所  池野 祐貴
 事例概要 発表資料 ポスター
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    (6)羽根川での魚道整備による魚類の遡上促進の取り組み
 高知県土木部安芸土木事務所室戸事務所  山本 修大
 事例概要 発表資料 ポスター
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    (7)川内川水系かわまちづくり轟地区における取り組みについて :代表事例
	
 九州地方整備局川内川河川事務所  前薗 慶樹
 事例概要 発表資料 ポスター
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    (8)東日本大震災にて被災した湿地帯の再生
 宮城県土木部河川課  作中 淳一郎
 事例概要 発表資料(重要種の位置情報を含むため非掲載) ポスター
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    (9)大肥川筋災害復旧助成事業における川づくりについて :代表事例
	
 福岡県朝倉県土整備事務所  中園 勝哉
 事例概要 発表資料 ポスター
第2分科会:地域と連携した維持管理における工夫事例
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		第2分科会発表事例一覧  発表事例一覧
	
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		(1)舞鶴遊水地を軸とした「タンチョウも住めるまちづくり」について
 北海道開発局札幌開発建設部千歳川河川事務所  中村 一貴
 事例概要 発表資料 ポスター
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		(2)住民に親しまれる親水施設を目指して~ウツベツ川の取り組み~ :代表事例
		
 北海道帯広建設管理部事業課  川内 啓夢
 事例概要 発表資料 ポスター
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		(3)竜の口渓谷における多自然川づくり(魚道整備等)の取組み
 仙台市建設局 百年の杜推進部 河川課  大宮 裕樹
 事例概要 発表資料(重要種の位置情報を含むため非掲載) ポスター
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		(4)荒川太郎右衛門自然再生地における協働・連携の取り組みについて
 関東地方整備局荒川上流河川事務所  逢沢 英之
 事例概要 発表資料 ポスター
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		(5)流水型ダムにおける環境配慮への取組み
 大分県玉来ダム建設事務所  木下 瑞基
 事例概要 発表資料 ポスター
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		(6)「神代川かわまちづくり」における取組について
 宮崎県西臼杵支庁  三林 聖
 事例概要 発表資料 ポスター
第3分科会:人材育成・普及啓発等における工夫事例
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		第3分科会発表事例一覧  発表事例一覧
	
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		(1)多自然川づくりの視点からの植生管理の考え方 :ピックアップ事例
		
 中部地方整備局中部技術術事務所  藤井 美有
 事例概要 発表資料 ポスター
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		(2)こだわりの技!芥川における石の魚道の整備
 大阪府茨木土木事務所  竹島 雄介
 事例概要 発表資料 ポスター
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		(3)円山川水系「人と河川との関わりの保全・再生・創出」~地域との連携~
 近畿地方整備局豊岡河川国道事務所  小林 伸英
 事例概要 発表資料 ポスター
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		(4)山口発の「水辺の小わざ」~将来に目を向けた取組み~
 山口県土木建築部河川課  小田村 匠
 事例概要 発表資料 ポスター
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		(5)鳥取県における河川環境の連続性・魚類等の遡上阻害改善に向けた取組について :代表事例
		
 鳥取県河川課  加川 昌弘
 事例概要 発表資料 ポスター
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		(6)「伝統的な河川工法」を活用した施工事例について
 鹿児島県北薩地域振興局  坂本 翔平
 事例概要 発表資料 ポスター
コメンテータ
	- 【第1分科会①】国土技術政策総合研究所河川部河川研究室 主任研究官  瀬崎 智之
	  水管理・国土保全局治水課 課長補佐  甲斐 公久
	  水管理・国土保全局河川計画課 課長補佐  檜森 裕司
	
	- 【第1分科会②】土木研究所自然共生研究センター 主任研究員  森 照貴
	 水管理・国土保全局 治水課 課長補佐  畑山 作栄
	 水管理・国土保全局 防災課 災害査定官  濱田 靖彦
	- 【第2分科会】土木研究所水環境研究グループ河川生態チーム 主任研究員  鶴田 舞
	 土木研究所水環境研究グループ河川生態チーム 専門研究員  坂本 貴啓
	 水管理・国土保全局河川環境課 課長補佐  熊木 雄一
	- 【第3分科会】土木研究所水環境研究グループ河川生態チーム 上席研究員  中村 圭吾
	 国土交通省水管理・国土保全局 河川環境課 課長補佐  小田 禎彦
	 国土交通省水管理・国土保全局 河川環境課 係長  天羽 淳
代表事例
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		第1分科会
	
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		 『早出川における多様な流れの再生』
 北陸地方整備局阿賀野川河川事務所  武田 真未
 事例概要 発表資料 ポスター
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		 選出理由
 本事例では、人工的に築造した捷水路区間において、水制工により、物理環境を強制的に多様化した点を評価した。直線河道として整備されることが多い人工水路において、豊かな自然環境を創出しており、全国の同様な河川への水平展開が望まれる優れた事例である。また、丁寧な環境調査や、数値解析結果を基にした水制工の設置検討など、工学的な観点からもよく検討されている。
<コメンテーターより>
	
		・直線化・単調化した低水路の物理環境を水制によって強制的に多様化させる手法として提案され、事前検討やモニタリングもしっかりと行われており、今後の応用も期待できる知見である。
		
・河道の安定が課題となる捷水路区間は人工的な直線河道とならざるを得ない場合が多く、多自然の事例として有用である。また、場の形成が動植物の多様性に結びついていることや、丁寧な環境調査により立証されている点も評価できる。
		・背景、目的に対し工学的な観点から検討・実施がされており、同種河川への展開が望まれる。検討過程などを受けた工夫などの記載があると、よりよかったと思う。	
	 
	
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    	 『新郷瀬川における半自然草地保全の取り組みについて』
 愛知県一宮建設事務所  原田 純平
 事例概要 発表資料 ポスター
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		 選出理由
 本事例では、堤防法面に定着した貴重種(植物)の移植にあたり、貴重種の生育状況をモニタリングした貴重な知見であることを評価した。貴重種の移植にあたって、移植先の競合植物の除去による移植基盤の造成、移植苗への標識設置、移植後の生存率の確認など丁寧なモニタリングを実施しており、貴重な知見が蓄積されている優れた事例である。また、学識経験者や地域活動団体と連携した維持管理が、継続した取組みにつながっており、今後の展開に期待できる事例である。
<コメンテーターより>
	
		・堤防のり面上の貴重種の移植について、丁寧なモニタリングもされており、貴重な知見である。地域住民、学識者、周辺企業等も巻き込んで、様々な取り組みが企画・運営され、社会的な波及拡大に努めている点も評価できる。
		・「半自然」の観点が新しく、関係団体との強力な連携体制を構築されていることが高く評価できる。半自然地による堤防の保護機能など治水上の有用性についても紹介頂ければなお良い。
		・本事例は、移植から維持管理を意識し地域と手を組んで実施している。高齢化問題はあるものの、継続した取り組みにつながっており、展開に期待できる事例である。
	 
	
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		 『川内川水系かわまちづくり轟地区における取り組みについて』
 九州地方整備局川内川河川事務所  前薗 慶樹
 事例概要 発表資料 ポスター
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		 選出理由
 本事例では、川まちづくりにおいて、各地域の特性を活かしつつ、地域住民や関係者の意見を聞きながら整備を進めている点を評価した。治水事業で育まれた水系一体での強固なつながりを利用して、川まちづくりに取り組んでおり、今後、地区ごとの取組みがどのように連携していくのか、将来に期待できる優れた事例である。第1 分科会のテーマとは、多少異なる内容ではあるが、多自然川づくりの取り組みとして、全国に水平展開すべき事例である。
<コメンテーターより>
	
		・水系一体でのかわまちづくりというのは複数の地域全体を盛り上げていくとともに、各地域の特性を生かしやすくPR としての効果も高い。地区ごとの取組みが、どう有機的につながっていくのか、今後の展開を楽しみにしたい。
		・整備内容を住民目線で検討しており評価できる。
		・地域住民や関係者の意見を聞きながら実施されている。また、維持管理についても取り組まれているのは評価できる。
	 
	
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		 『大肥川筋災害復旧助成事業における川づくりについて』
 福岡県朝倉県土整備事務所  中園 勝哉
 事例概要 発表資料 ポスター
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		 選出理由
 本事例では、災害復旧工事という時間的制約が大きい中で、施工時の配慮事項を取りまとめた要領を作成し、施工業者との完成イメージの共有に努めている点を評価した。保全対象や目標設定が明確であり、施工時にポイントとなる点を参考事例の写真やイメージ図を用いて分かりやすく取りまとめられている。完成イメージを関係者間でしっかりと共有し、単調になりやすい災害復旧工事において、良好な自然環境を保全した優れた事例である。
<コメンテーターより>
	
		・川づくりの目標をしっかりと定めた上で、イメージ図やポイントをわかりやすくした施工要領があるのはとても良い。施工段階でも調査するなど、良い方向に向かっていることは素晴らしいと思う。
		・災害復旧工事という時間的制約がある中で、施工時の配慮事項を写真やポイントをわかりやすく取りまとめた要領作成は、広く全国展開出来る事例である。
		・早期復旧を図るには、保全対象の明確化や目標設定が重要と思われるが、それが分かりやすく取りまとめられており、よい取り組みだと思う。
	 
	
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		第2分科会
	
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		 『住民に親しまれる親水施設を目指して~ウツベツ川の取り組み~』
 北海道帯広建設管理部事業課  川内 啓夢
 事例概要 発表資料 ポスター
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		 選出理由
 本事例では、都市河川において、背後地の状況を考慮しつつ、市民団体と共同で親水護岸の整備、良好な自然環境の創出、維持管理に取り組んでいる点を評価した。整備から維持管理までの一貫した市民団体との協働や、背後地の病院、幼稚園の関係者を巻き込んだ親水空間の検討など、河川に対する愛着の醸成に力を入れて取り組んでいる優れた事例である。竣工から2 年程度しか経過していないため、今後の使い方の発掘、維持管理の工夫などに期待が出来る。
<コメンテーターより>
	
		・市民団体,病院,院内保育園から要望を踏まえ、イメージ図による情報共有がなされていることや、限られた河道断面内で工夫が凝らされている点が評価できる。
		
・病院前の親水護岸を施工時から子どもをはじめとする市民を巻き込みながら行った事例であり、地域の愛着の醸成に力を入れているのが分かる素晴らしい事例といえる。
		・利用者である幼稚園や病院関係者、市民団体が参加・協働しながら整備を行い、メディアでも取り上げられ、こうしたプロセスを経たことで完成後も地域に愛される施設となることが想定され、評価できる。
	 
	
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		第3分科会
	
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		 『鳥取県における河川環境の連続性・魚類等の遡上阻害改善に向けた取組について』
 鳥取県河川課  加川 昌弘
 事例概要 発表資料 ポスター
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		 選出理由
 本事例では、知事のリーダーシップにより、県内の多部局が連携して河川の連続性の確保や、生物・生態系の保全に取り組んだことを評価した。河川部局に留まらず、農林水産、学識者等が連携し、魚道の設置に取組んでおり、生態系ネットワークや、流域治水のように流域全体を捉えて課題に取組むことが必要とされている中で、非常に参考となる事例である。
<コメンテーターより>
	
		・知事のリーダーシップにより多部局が連携した生態系ネットワークの改善の事例として、全国に発信すべき内容。環境問題にはグリーンインフラの横浜市の事例などでも組織、しくみの改変が必要と言われており、その成功例である。
		
・「水辺のネットワーク再生事業」「小わざ魚道改修事業」といった鳥取県独自の事業を創設し、連続性のある豊かな河川生態系の維持に取り組んでいる。
		・公共事業が直面する課題に対して、様々な事業との連携により環境保全を実施している点は事業計画上の工夫が見られ、その姿勢は全国に展開すべき事例である。
	 
	
ピックアップ事例
 国土交通省では、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」において、激甚化、頻発化する水害に対する対策として流域治水を推進しています。令和2年度全国多自然川づくり会議では、流域治水対策の一つとして全国各地で樹木伐採や河道掘削が検討されている状況を踏まえ、樹木伐採、河道掘削時に参考となる発表事例を、「ピックアップ事例」として選定しました。
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    	① 赤川における河道掘削箇所の樹木再繁茂対策について
 東北地方整備局酒田河川国道事務所  中村 公貴
 事例概要 発表資料(重要種の位置情報を含むため非掲載) ポスター
<コメンテーターより>
	
		・草地化工法の実施、モニタリング結果として実用的な点からも重要な成果である。
		
・全国的に進められている河道掘削や樹木の抜開にあたり、樹木の再繁茂と土砂の再堆積は従前からの懸案であり、この様な知見の積み重ねが大変重要である。
		・オギの繁茂によってヤナギ類の定着を防ぐ再繁茂対策は、全国の河川で情報が共有されることが望まれる。
	 
	
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		② 多自然川づくりの視点からの植生管理の考え方
 中部地方整備局中部技術術事務所  藤井 美有
 事例概要 発表資料 ポスター
<コメンテーターより>
	
		・全国の河川で課題となっている河道内樹木の管理について、合理的かつ効率的な手法を提案しており、全国で共有すべき内容である。
		
・河道内樹木管理について全国で共有できる内容が提案されており評価する。
		・既往データから予測を実施して維持管理対策を考察するなど工夫は見られ、治水と環境に関する職員の人材育成につながる取り組みでもある。