vol.3.....夏の天気と川の関係

実は! スマホでゲリラ豪雨の様子が分かる


ゲリラ豪雨、
その時川はどうなるの?


ゲリラ豪雨のように、狭いところで急にものすごい量の雨が一気に降ったとき、川ではどんなことが起こるのでしょうか。実は、小さな川だと、普段はとても楽しい遊び場である川沿いで、すぐに増水(水の量が増えること)し、とても危険なんです!

実際に、兵庫県の都賀川(とががわ)では、5名(3名は子ども)が急な増水により川に流され亡くなるという、悲しい事故が発生しました(平成20年7月28日)。都賀川周辺での局所的大雨により、10分間で1.34m(小学校4年生の身長くらい!)も川の水位が上昇しました。このような事故を受けて、兵庫県や神戸市では、さまざまな対策を実施しています。


雨と川の水位、国土交通省が測って・集めて
・公表しています!


日本全国の川で、雨と水位、テレメータが大活躍!
国土交通省では、川の近くの雨と水位を、なんと! 日本全国で測っているんです! 雨だと地上雨量計といって、簡単に説明すると、筒に雨をためて、どれくらい雨が降ったのかを測ります。(図3:地上雨量計、雨量観測所)

水位だと、水位を測れる機械で測ります。(図4:水位計・水位観測所)

・・・でもどうやって日本全国の川の近くのデータを集めているんだろう? ここで大活躍するのがテレメータ。なんと、雨を測る筒や水位を測る機械で測ったデータを、一か所に転送してしまうのです!
図5:テレメータ ※クリックで拡大

こうやって、日本全国の川の近くのデータが集められているんですね。


日本全国の川の近くの雨と水位、こんな感じで見れます!
大活躍のテレメータによって集められたデータは、国土交通省のホームページで公表しています! その名も「川の防災情報」。日本全国の川の近くの雨や水位が、ここで一気に見れるんです! おうちのパソコンで、ぜひ、「川の防災情報」で、日本全国の川の近くの雨や水位のデータを見てみてください!
(図6:川の防災情報トップページ)


日本全国の雨を測るならレーダがすごい!
川の近くだけじゃありません! なんと、国土交通省では、レーダを使って日本全国のどこでも雨の様子が分かっちゃうんです!


日本全国の雨を地図上で見てみよう!
こちらも「川の防災情報」で見れちゃうんです。地図上で見れるから、すごくわかりやすいですよね! ほら、日本がすっぽり収まっているでしょ??
図7:Cバンドレーダ網 ※クリックで拡大


でも、レーダを使って雨を測るって、どういうこと?
電波を雨に当てるだけ! これだけで、どこでどれくらいの雨が降っているかがわかっちゃうんです! ちょっと難しいけど、実際はこのように雨を測っています。
(図8:レーダ雨量観測の概念図)

 

ゲリラ豪雨はこう測っている!

ゲリラ豪雨のような雨にはXRAIN(エックスレイン)が大活躍!
国土交通省が持つ、レーダの中でも、ゲリラ豪雨にはこのXRAINが大活躍! とはいっても仕組みは同じ。そう、電波を雨に当てるだけ! でもこのXRAIN、普通のレーダよりもすごいんです。

XRAINのすごいところ
2種類の電波を雨に当てることで、狭い範囲に降った雨も詳しく、そして早く測ることができるんです!
図9:XRAINのしくみ ※クリックで拡大

普通のレーダよりも、こんな風に詳しく測ることができるんです!
実際に地図上で見てみましょう!
図10:CバンドとXRAINの比較 ※クリックで拡大

いかがでしたか?
このように、国土交通省では、いろんな機械を使って、雨や川のデータを測って・集めて・公表しているんです。みなさんも、国土交通省が公表しているホームページを見て、雨や川について、是非もっともっと知って下さいね!







チェック! 雨の状況や川の様子をネットで調べてみよう
ゲリラ豪雨や川の水位はここで分かる!
国土交通省では、XバンドMPレーダがカバーしている範囲内の雨量を、250m四方ごとに1分単位で配信しているので、雨の降り方をより詳しく、リアルタイムで知ることができます。パソコンのほか、アプリを使ってスマホでも利用可能です。

「川の防災情報」は、現在の雨量や川の水位、洪水や気象警報の発表状況、ダムの放流通知など、川の防災に関するさまざまなデータが見られるポータルサイトです。雨量観測レーダによる雨量と川の水位を重ねて確認できるので、防災はもちろん、雨と川の関係を見る調べ学習にも役立ちます

注意:天気や川の様子をよく見て出かけましょう
川は急に増水することがあります
雨が降って増水している川は危険なので、絶対に近づいてはいけません。また川の水位は、上流での雨の影響やダムの放流などによって急に増すこともあります。自分のいる場所が晴れていても安心せず、気象警報や雨量情報を常にチェックしましょう。

ゲリラ豪雨のような猛烈な雨が流れ込むと、付近の川は一気に増水します。2008年7月28日、神戸市の都賀川では、上流の山地に降った豪雨により水位が10分間に130cm以上も上昇し、川遊びをしていた子どもを含む5人が亡くなりました。

雨が降ったあとの川岸は、ぬれて滑りやすく、流木やごみなどに足を取られやすくなっています。「川に入らない調べ学習なら大丈夫」と気を抜いていると、大きな事故につながります。右のハンドブックなどを参考にしっかりとした安全対策を行った上で、家族の人と一緒に出かけましょう。