道路行政は、「量的拡大」から、利用者の側から見た「成果」を重視する方向に大きく転換しようとしています。国土交通省では、1993年度以降、「量」を追求する事業の進め方を徐々に改善するべく、様々な取り組みを行ってきましたが、2003年度からは、アウトカム指標を用いて施策評価と事業評価を行う「評価システム」を本格的に導入することとしています。
この「評価システム」の導入を支えるのがITSです。
IT(情報技術)の進展と、様々な通信インフラの充実を背景に、道路事業の評価に必要なデータを、迅速かつ正確に、より詳細に入手、分析することが可能となりました。
個々の事業の評価を例にとっても、道路整備の効果を確認するためには、事業の実施による渋滞状況や交通事故などの変化を的確に測定し、数値化することが必要ですが、「プローブカー」(
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)の出現により、これを容易に行うことが可能となりました
慢性的な渋滞に悩まされていた新潟市の「有明大橋」の拡幅事業の場合は、「プローブカー」を用いて、従来は経験的にしかわからなかった日常の渋滞状況を的確に把握し、拡幅事業によって有明大橋周辺の渋滞が確実に減少したことを明らかにすることができました。