I. 21世紀を展望して (1)21世紀のビジョン 〜「効率的で質の高い、創造的な社会」の実現〜 21世紀のビジョンを「効率的で質の高い、創造的な社会」と位置づけ、顕在化する様々な課題を解決し、新たな可能性を切り拓くことによって、その実現をめざすこととしたい。
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1)21世紀に向けた課題と可能性 |
現在は、大きな変革の時期であり、次のような様々な課題が生じている。 イ)世界的大競争が進みつつある状況において、規制緩和や高コスト構造の是正など日本の産業・経済システムの再構築が迫られている。 ロ)巨額の財政赤字、高い公債比率、将来の生産年齢人口の減少等を背景にして、財政構造の見直しが大きな課題となっている。 ハ)東京一極集中、地方中枢都市における都市問題の顕在化、中心市街地の空洞化、地域間格差など、国土・地域構造、都市構造に関わる問題の解決が求められている。また、これらの問題により、生活環境においても真に豊かさを感じられる状況とはなっていない。 ニ)目前に控えた本格的な高齢社会の到来、近年の大災害の教訓などから、安全で安心できるくらしの実現が課題となっている。 ホ)環境やエネルギーの問題が地球規模の課題として顕在化しつつあり、環境保全と経済発展の両立が求められている。特にCO2(二酸化炭素)排出抑制については、民生・運輸・産業それぞれの部門での取り組みが要請されている。
一方、次のような新しい可能性も生まれつつある。
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2)効率的で質の高い、創造的な社会の実現 |
「効率的で質の高い、創造的な社会」とは、1.個性が活きる、活力ある効率的な社会、経済、2.便利でゆとりある質の高い生活環境、3.技術を活かした、環境と共生する新しいライフスタイル−が以下に示すような取り組みによって実現された社会であると考えられる。
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1.個性が活きる、活力ある効率的な社会、経済 |
イ)人・モノ・情報の広域的かつ円滑な流れの確保により、地域間の公平な競争条件と国際的な競争力を持つ効率的な経済システムを整備する。 ロ)東京、大阪などの大都市圏に集中している産業の地方への分散を誘導するとともに、新しい産業の芽を育てることにより、地方における新たな就労機会を創出する。 ハ)基礎的なインフラの整備や、各地域の連携・交流の促進及び地域の自然、文化や地場産業、観光産業などの活用により、活力ある自立した地域を形成する。 ニ)大都市、地方都市における都市機能を充実することにより、快適でかつ高度な都市的サービスを享受できるようにする。 |
2.便利でゆとりある質の高い生活環境 |
イ)日常生活において、教育、医療などの基本的サービスを、地域間の連携により誰でもどこでも、安いコストで利用できるようにする。 ロ)弱者を含めたすべての国民が、自由かつ安全に活動できるバリアフリー社会(注5)を実現する。また、災害に対しても、生命の安全と基本的な生活が確保できるような環境を整備する。 ハ)大都市、地方圏において、便利で快適な生活環境の実現を図る。 |
3.技術を活かした、環境と共生する新しいライフスタイル |
イ)地球規模で環境問題が顕在化する中、CO2排出抑制などの環境対策や、資源の有効利用など環境保全に対応可能なライフスタイルを創出する。 ロ)情報通信技術などの技術革新によって、新しいライフスタイルや、情報サービス、環境ビジネスなどの新しい産業発展を実現する。
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