(1)占用制度の概要
人や自動車が道路を交通のために利用することは、道路本来の目的に従うものであることから、「道路の一般使用」と呼ばれています。
一方、電気、ガス、上下水道等の公益事業のためには、電線、ガス管、上下水管等を設ける必要がありますが、道路はこれらの施設を設置するための場としても活用されています。こうした工作物、物件又は施設の設置により道路を一般交通以外の用に供することは、一般使用に対して「道路の特別使用」と呼ばれています。
道路の特別使用は、一般交通の用に供するという道路本来の目的からすれば第二次的・副次的なものであり、あくまでも道路の本来的機能を阻害しない範囲内で認められるものです。
そこで、行政財産である道路の特別使用を一般使用との調整を図って法に基づき許可することが「道路の占用」制度です。
(2)占用物件
道路に一定の工作物、物件又は施設を設け、道路の空間を独占的・継続的に使用することを「占用」といい、道路を占用しようとする者は、あらかじめ道路管理者の許可を受けなければなりません。道路を占用することができる物件等は、法令に記載されています。
1号物件 |
電柱、電線、変圧塔、郵便ポスト、公衆電話所、広告塔その他これらに類する工作物 |
例:交番、公衆便所、消火栓、くずかご、フラワーボックス、ベンチ、上屋、街灯など |
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2号物件 |
水管、下水道管、ガス管その他これらに類する物件 |
例:ケーブル管、石油管、熱供給管など |
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3号物件 |
鉄道、軌道その他これらに類する施設 |
例:モノレール、鉱石運搬のための索道 |
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4号物件 |
歩廊、雪よけその他これらに類する施設 |
例:日よけ、アーケードなど |
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5号物件 |
地下街、地下室、通路、浄化槽その他これらに類する施設 |
例:地下タンク貯蔵所、地下駐車場、防火用地下水槽など |
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6号物件 |
露店、商品置場その他これらに類する施設 |
例:屋台、靴磨き、売店、コインロッカー、材料置場など |
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7号物件 |
道路の構造又は交通に支障を及ぼすおそれのある工作物、物件又は施設で政令(道路法施行令第7条)で定めるもの(下記参照) |
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(3)許可の基準
道路の占用許可を行う際は、公共性の原則(※1)、計画性の原則(※2)及び安全性の原則(※3)を考慮するとともに、
の全ての要件を充足しているか否かを審査します。
(4)占用物件の維持管理
占用物件に起因して道路の構造や交通に支障が生じることを防止するため、道路占用者は占用物件を適正に維持管理しなければなりません。
(5)占用料
道路占用料の額は、一般的な土地利用における賃料相当額を徴収するという考え方から、民間における地価水準(固定資産税評価額)及び地価に対する賃料の水準の変動等を反映し、令和5年4月に改定されます。
また、市町村ごとに固定資産税評価額等に差があり、一律に占用料を定めることは不適当であることから、固定資産税評価額を基に、市町村を5つに区分しており、当該区分につきましても、令和5年4月に改定されます。
直轄国道等においては、特に必要があると認める場合には、占用料を減額できることとしています。
なお、令和5年3月までの道路占用については、現行の道路占用料の額及び所在地区分が引き続き適用されます。
(6)占用入札制度
道路の通行者又は利用者の利便の増進等を図るために設置される収益性を有する施設等については、占用希望者が競合することが想定されるため、手続の公平性、透明性を確保しつつ、占用料の多寡等により占用者を選定する入札制度を設けています。
〈入札対象施設等の例〉
○店舗
○太陽光発電設備